「ローコスト住宅の寿命は短い」はウソor本当?問題点・欠点を冷静に分析してみた!

こんにちは。

 

「ローコスト住宅は寿命が短い。」

「ローコスト住宅はランニングコストが高いから、結局は損をする。」

 

という、ありがたくない格言、あなたは聞いたことはありませんか?

ローコスト住宅は安い素材を使っているので、「長持ちしない・寿命が短い」、と言いたいのでしょう。

しかしあえてストレートに申し上げますが、ローコスト住宅の寿命は短くありません。もちろん、高いランニングコストで損をすることもありません

 

そこでこの記事では、ローコスト住宅は寿命が短い問題について、徹底解説させて頂きます。

繰り返しになりますが、ローコスト住宅の寿命は短くありません。あしからず。

 

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それ本当!?ローコスト住宅が寿命が短いと言われる理由。

ローコスト住宅といえば・・・

 

「寿命が短いっ!」

 

早押しクイズ王もびっくりの即答で返ってくるのが、「ローコスト住宅=寿命が短い」でございます。

私は35年も(むだに)生きていますが、これまで「ローコスト住宅って、長持ちするよな」という奇特な方にお会いしたことはありません。

 

では、なぜこれほどまでにローコスト住宅は寿命が短いと言われてしまうのでしょうか?それって本当なのでしょうか?

まずは冷静に分析してみましょう。

 

安い価格で長持ちする家が建つわけがない、という先入観。

ローコスト住宅は寿命が短いと言われてしまう理由って、じつはこれじゃないですか?

・・・え?ちがう?いや、正直に言ってくださいよー。

 

「安い価格で!」

「長持ちする家が!!」

「建つわけがない!!!」

 

って思ってるんじゃないですか?

いえ、事実はともかく、お気持ちはよく分かりますよ。

だって3,000万も払ったハイスペック住宅と、かたや1,500万で建てたローコスト住宅。どちらも耐用年数が同じだったら、気持ち的に納得できません。

高いお金を払ったのに、自分と同じように長持ちする家であって欲しくない。どこか悪いところがあって欲しい、という気持ちは、あって当然でございます。

詳しくは知りませんが、安い家なんだから、どこかが安い素材を使っているはずであります。・・・詳しくは知りませんが。

「安かろう、悪かろう」という言葉があるように、詳しくは知らなくても、「安ければどこかしら悪い」というのは、共通認識でございます。

 

外壁・屋根の塗りなしが10年スパンで必要。

しかし先入観ではなく、ローコスト住宅は長持ちしない、というデータもございます。

それはメンテナンス周期です。ローコスト住宅に使われている外壁・屋根材(サイディング・コロニアル・アスファルトシングル)はメンテナンス周期が短く、定期的に塗り直しが必要です。

サイディング外壁:10年に1度の塗り直し。

コロニアル(スレート)屋根:10年~20年に1度の塗り直し。

アスファルトシングル屋根:10年に1度の塗り直し・補修・張替。

一方で大手ハウスメーカーでは、標準装備でメンテナンスフリーの素材(ガルバリウム鋼板・瓦)が使われていることが多いです。

また同じコロニアル屋根でも、耐用年数が30年のハイグレードモデルが採用されています。

ローコストは寿命が短い。ほれ見たことかっ!

先ほどの先入観をデータで裏付けされると、反論の余地もありません。どうもすみませんでした。

 

手抜き工事だから、すぐに壊れる。

ローコスト住宅の代名詞とも言われてしまうのが、手抜き住宅です。

ローコストは大工さんへの支払いもローコストだから、手抜き工事をされているのだとか。

たしかにローコスト住宅は、あらゆるコストをカットしています。

・販売、宣伝費。

・モデルハウス費用。

・中間マージン。

・資材の仕入れ価格。

カットすべきコストは、積極的に削るべきでしょう。ですが人件費、とくに職人さんへの支払いは削ってはいけません。

現場で仕事をする人の人件費を削減すると、モチベーションに直結します。そのため手抜き工事になる確率は上がってしまいます。

「大手だから手抜き工事は絶対ない!」とは言い切れませんが、それでも「コスト削減より品質向上」を公表している方が安心感はありますよね。

 

▽手抜き工事・欠陥住宅を防ぐには、施主の努力が必要です。

新築住宅で手抜き工事・欠陥住宅の防ぎ方5つの方法。|マイホームを守れ!

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断熱材の施工が雑で、内部結露になる。

先ほどの手抜き工事にも関係しますが、断熱材の施工が雑になると大問題になります。

なぜなら断熱材の施工が雑だと、家の内部から腐る「内部結露」になる可能性があるからです。

内部結露とは?

壁の内側で結露が起きること。断熱材にすき間があると、そこで冷たく冷やされて、結露が出きてしまう

内部結露は見えない壁の内側で起こるので、問題発覚が遅くなりがちです。そのため見つかったときは、一面カビだらけ&シロアリ被害、という散々たる状況に。

 

ローコスト住宅で多いのが、繊維系断熱材のグラスウール。

性能は高いものの、湿気に弱く、一度湿ってしまうと断熱性能が落ちてしまうデメリットがあります。

内部結露の問題が発見された当時、使われていたのがグラスウール。

「内部結露=グラスウールの責任」のイメージがついてしまったのが、残念であります。

グラスウールが悪いというより、断熱の施工技術がまだ未熟だった・・・という方が正しいでしょう。

 

▽断熱材については、こちらもチェック!

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シロアリ被害対策のちがい。

最近の新築住宅にはほぼ100%、シロアリ対策がされています。

ですが、ご存知ですか?シロアリ対策といっても、必要最低限のシロアリ対策から、「ここまでやるか!」と言わせるシロアリ対策までピンキリなのです。

ローコスト住宅で採用されるシロアリ対策は、

ベタ基礎、もしくは防湿コンクリート。

・土台から1mの高さまで、薬剤塗布。

でございます。

もちろん、この対策が効果がないわけではありません。しかし大手ハウスメーカーでは、さらに手厚い対策が行われます。

・ベタ基礎、もしくは防湿コンクリート。

・防蟻薬剤を木材に染みこませる。

・1階のすべての木材に防蟻処理。

・シロアリに強い、ヒノキ・ヒバの木材を使用。

完璧なシロアリ対策はありませんが、どちらがシロアリ被害に遭いにくいのか?簡単に想像できるでしょう。

もしもシロアリ被害にあってしまうと、土台・柱など家の構造材が食べられてしまい、骨抜き状態に。家が寿命を迎える前に、ご臨終となってしまうのです。

 

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ローコスト住宅の寿命のウソ・ホント。

ローコスト住宅に言われる、寿命が短い理由は納得のものでしたか?耐用年数の数字を出されると説得力ありますよね。

・・・ですがご注意くださいませ。

ローコスト住宅に言われる「寿命が短い」には、次のポイントが抜けているのです。

 

寿命が短い=メンテナンス周期が短い。

ローコスト住宅で言われる「寿命が短い」ということは、つまり「耐用年数が短くて、メンテナンス周期が短い」ということ。

ですので、「ローコスト住宅は寿命が短いから、すぐに家がボロボロになる!」とはちがいます。

きちんとメンテナンス周期にそって修繕していれば、ローコスト住宅でも長く使えるのです。

 

それに「メンテナンス周期が短い」というのは、ローコスト住宅特有の問題ではありません。

デザイン重視で外壁に「木材」を採用した場合、メンテナンス周期は3~5年です。

これはローコスト住宅に多く採用されるサイディング外壁のメンテナンス周期10年よりも短いです。はたして木材を使った家は寿命が短いのでしょうか?

小まめなメンテナンスさえしていれば、木材は自然の美しさを保ちます。

つまり、家の寿命は短くありません。

メンテナンス周期が短いことは、必ずしも家の寿命に直結しません。「メンテナンスを怠った場合に限る」と、付け加えるべきでしょう。

 

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「メンテナンス周期が短い=損をする」ではない。

メンテナンス周期が短いと、ランニングコストがかかります。

そのためローコスト住宅では、

 

「買ってからお金がかかる。安物買いの銭失いだ。」

 

と言われることがあります。ですが、これも少しちがいます。

だってそうじゃないですか?思い出してくださいよ、大手ハウスメーカーとローコスト住宅。そもそもの買ったときの金額がぜんぜんちがうじゃないですか。

ローコスト住宅
大手ハウスメーカー
広さ 30坪 30坪
坪単価 45万円 70万円
建築費 1350万円 2100万円
外壁・屋根メンテナンス10年目 200万円 0
外壁・屋根メンテナンス20年目 200万円 0
外壁・屋根メンテナンス30年目 200万円 200万円
合計 1950万円 2300万円

少しシンプルにしてシミュレーションしてみました。

外壁・屋根の再塗装に、それぞれ1回あたり200万円での計算です。(厳密にはもっと安い)

築30年時点でも、まだローコスト住宅の方が安いですな・・・。とくに損はしていない気が・・・。

シンプルなシミュレーションですので、この通りになるとは限りません。それに大手ハウスメーカーが30年もノーメンテナンス、というのも無理があるでしょう。

メンテナンス周期が短いと、たしかにランニングコストはかかります。ですがそれでもまだ、ローコスト住宅の方が費用は少ないのですよね。

 

大手もローコストも、施工する業者は同じだったりする。

ローコスト住宅でいわれる手抜き工事の問題。これも補足が必要です。

なぜなら大手ハウスメーカーでもローコストハウスメーカーでも、実際に作業する業者(工務店)は同じであることが多いからです。

ですので大手もローコストも、作業者の技術レベルのちがいは大きくありません。

 

ただしハウスメーカーによって、下請け業者・作業者への支払単価はちがいます

当然、たくさんもらえる方がモチベ―ションは上がりますし、少ししかもらえなければモチベーションは上がりません。

支払い単価の決め方は2つあります。

・日当払い:1日作業したときの単価で支払い。

・出来高払い:1棟建てたときの単価で支払い。

このとき年間棟数の多いハウスメーカーは、出来高払いが多いです。

出来高払いでは、より短時間で多くの作業をした方が稼げます。効率よく作業できる一方、「手抜き工事でショートカットしてやれ」的な発想も生まれるかもしれません。

 

ローコスト住宅と大手ハウスメーカー迷っている人へ

もう1点、お伝えしたいことがあります。

もしも今、ローコスト住宅と大手ハウスメーカーを迷っているのでしたら、いま一度自分の財布を見てみてください。

自分がどれくらい住宅ローンを返済できるのか考えたとき、

 

「大手ハウスメーカーだと、住宅ローンがきつくてヒーヒーしそうだ・・・」

 

との予感がするなら、大手ハウスメーカーはおすすめできません。

なぜなら住宅ローン返済に一杯いっぱいになってしまい、メンテナンス・リフォーム費用が貯められないからです。

いくら素材の耐用年数が高くても、いつかは修理・交換するタイミングがきます。

そのときにメンテナンス費用が貯められなかったら・・・?

イエス、マダム。

それこそ、家の寿命が短くなってしまいます

 

大手ハウスメーカーで建てたときも余裕をもって住宅ローンが返済できるなら、素敵なマイホームライフになると存じます。

ですが「ちょっと厳しいかな・・・」と思うのでしたら、安全パイをみてローコスト住宅を選び、住宅ローンを抑えるのをおすすめします。

住宅ローンを抑えられればメンテナンス費用も貯められます。ローコスト住宅でも長持ちしますよ。寿命は短くなりません。

 

まとめ:ローコスト住宅の寿命は、メンテナンス次第。

ローコスト住宅は寿命が短いと言われます。

イエス、それは間違いなくそうでしょう。大手ハウスメーカーの素材に比べ、耐用年数が短いのが多いのも事実です。

ですが「メンテナンス周期が短い=家の寿命が短い」ではありません。

きちんとメンテナンスさえすれば、ローコスト住宅でも長持ちしますよ。

 

また費用の点でも同じです。

メンテナンスでランニングコストは増えますが、もともとの建築費が安いので、損をすることにはなりません。

無理な住宅ローンでリフォーム費が貯められない方が、最終的には家の寿命は短くなってしまいますよ。

大手でもローコストでも、大切なマイホームですから、長く使いたいですね。

素敵な住宅購入を。それでは、また!

 

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家の寿命を切り口にするだけで、ここまで深いハウスメーカー選び。すぐに決めるのは難しいでしょう。

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