こんにちは。
「弊社の家は!」
「基礎の土台に!!」
「国産のヒノキを使ってますからぁ!!!」
・・・とハウスメーカーの営業マンに言われたところで、私たちの反応は次の2パターンではないでしょうか?
「いや、知らんがな」
「そ、そうか。なんだか分からないけど、すごいんだな!!」
基礎の土台に使われる木材はとても重要な部分であるにも関わらず、専門的&マニアックすぎるのでよく分からないのが現実です。
そこでこの記事では家の基礎の土台に使われる木材の特徴について解説させて頂きます。
ハウスメーカーの営業マンの話をわかったつもりで流すのは危険でございます。しっかり予備知識を身につけましょう。
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この記事の概要
基礎の土台に使われる木材に求められること。
家の基礎の土台に使われる木材。家の重みを支え、基礎と家をしっかり固定させるのでとても重要な部分です。
そのため基礎の土台には、次の2つのことが求められます。
1・雨や湿気で腐らないように、耐久性が求められる。
家の基礎の土台に使われる木材に求められるのは、高い耐久性です。
土台の木材は地面から一番近い場所にあるので、雨や湿気の影響を受けてしまいます。そのため湿気によって腐りやすく、強度が下がりやすいのです。
強度が下がってしまうと、強い地震が来たときに家を支えきれずに土台から崩れる・・・という被害も。
家を建てたら土台の木材の交換は現実的に難しいので、建設するときにしっかりと耐久性のある木材を選ぶ必要があります。
シロアリ被害にあってボロボロにならないように、防虫性(シロアリ耐性)が求められる。
土台に使われる木材に求められるのは、シロアリ耐性です。
基礎の土台は地面からもっとも近い木材なので、シロアリにまっさきにやられる場所です。土台の木材がやられ、柱をとおって被害が広がっていくのが、お決まりのルートでございます。
シロアリの食害にあうと木材がボロボロになり、強い地震に耐えられなくなります。その上、夏になると家のなかをシロアリが飛ぶ大惨事に。
ですので、基礎の土台に使われる木材はシロアリ被害に強い、固い木材でなくてはいけません。やわらかく、シロアリが好んで食べる木材は、土台には向いていません。
▽シロアリを防ぐコツは、こちらで解説しています。
基礎の土台に使われる木材の基礎知識。
基礎の土台に使われる木材は、おなじ種類の木材でも使われる部位によって性質が変わります。
その上、無垢と集成材のちがいもございます。
家の土台に使われる木材は、「なんの木材を使っているのか?」だけではダメなのですよ。まずは木材の基礎知識を身につけましょう。
心材(赤身)と辺材(白太)。
木材には、「心材(赤身)」と「辺材(白太)」と呼ばれる部位があります。
木材の中心部周辺の赤身がかっている部位が、心材(赤身)。外周付近の白っぽい部位が、辺材(白太)でございます。
心材は木の死んだ細胞が多く集まっており、シロアリ被害にあいにくく、腐りにくいです。
そのため基礎の土台に使われる木材は、辺材よりも心材がよしとされています。
無垢材と集成材。
土台に使われる木材には、無垢材と集成材があります。
無垢材:天然の木、そのまま使った木材。
集成材:うすくカットした木材を接着剤で貼り合わせたもの。
強度的には無垢も集成材もほとんど変わりません。
無垢材は木をそのまま使っているので、木の質感やぬくもりを楽しむことができます。(無垢フローリングなど)
ただし無垢材は天然の木そのままなので、乾燥により収縮して反り・割れが起きることがあります。
最近では加工しやすいことから、集成材を使うハウスメーカーも増えました。
▽無垢といえば、無垢フローリングですよね!?
防蟻処理の方法のちがい|加圧注入 or 薬剤塗布
基礎の土台に使う木材は、シロアリ防止として防蟻処理がされます。防蟻処理には2種類あります。
・加圧注入式:圧力をかけて、木材に薬剤を染み込ませる。
・薬剤塗布:現場で防蟻薬剤を塗布する。
持続効果が長く、防蟻効果も高いのが、加圧注入式でございます。
大手ハウスメーカーでは加圧注入式で防蟻処理した木材を土台に使うことが多いです。
あのハウスメーカーは何を使ってる?基礎の土台に使われる木材。
あのハウスメーカーは、土台になんの木材を使っているのか・・・気になりませんか?
家の基礎の土台によく使われる木材は、
・ヒノキ
・ヒバ
・スギ
・ホワイトウッド
などがございます。
それぞれの特徴を解説しながら、それを使っているハウスメーカーをご紹介していきましょう。
ヒノキ:土台として最高の木材。
ヒノキは古くから建築材料に使われてきた木材です。神社や寺院などの建設でも多く使われております。
ヒノキの性質は
・乾燥性に強い。湿気に強い。
・ヒノキ油精分には防虫効果がある。
・ヒノキはまっすぐ伸びるため、加工しやすい。
など、木造建築の材料としてもってこいの性質です。
ちなみに奈良の法隆寺 五重塔にもヒノキが使われており、1,300年も現存しているのはヒノキの耐朽性のおかげとも言われております。
土台にヒノキを使うハウスメーカーは、それをPRポイントとして積極的に公表しています。
【土台にヒノキを使っているハウスメーカー】
住友林業 国産ヒノキ マルチバランス
タマホーム ヒノキ無垢
アエラホーム
レオハウス
ヒバ:建築にも船舶にも使われる。
ヒバとはヒノキ科ヒノキの針葉樹。
少し柔らかいですが、水に対する耐性が高く湿気に強いです。木造建築や船、枕木などに使われます。
ミサワホームでは、浴室まわりの湿気が出やすい土台にヒバを使っています。
スギ:スギの心材は耐久性が高い!
住宅の構造材として、集成材の材料として広く使われます。ヒノキ同様、まっすぐ伸びるので昔から建築材料として使われてきました。
ただし木材としてはやや柔らかく、耐水性は高くありません。
スギの心材(赤身)は耐久性が高いものの、辺材は腐りやすい性質があるため注意が必要です。
ベイツガ:安く流通するようになった輸入木材。
ベイツガとは北アメリカを原産とする針葉樹です。1970年代にスギの代替えとして多く流通するようになり、安い価格で買うことができます。
使われる用途は、建設材料や建具、そしてパルプの原料にもなります。
木材としての性質はやわらかく加工しやすい特徴がありますが、ヒノキのような高い防虫効果・防湿性はありません。
そのため土台に使われるときは、防蟻処理とセットとなるのがほとんどです。
高断熱で有名な一条工務店では、土台にベイツガが使用されます。
防蟻・防腐処理は加圧注入式で、木材の内部まで薬剤を染み込ませます。
これは極めて合理的なやり方でございますな。
ホワイトウッド:ツー・バイー・フォーで多用される、ヨーロッパ産木材。
ホワイトウッドとは、ヨーロッパ各地でとれる白い木(ヒノキ・スプルースなど)の総称です。オウシュウトウヒとも呼ばれます。
ツー・バイ・フォーの構法でよく使われる木材で、ツー・バイ・フォーの普及にともなって日本でも広く使われるようになりました。
しかしホワイトウッドはもともとが乾燥したヨーロッパの木材であり、湿度や防虫耐性が高くありません。
この弱点を補うため、ハウスメーカーは防蟻・防腐材を加圧注入するようになりました。
安く・加工しやすく・変形しにくいホワイトウッドは、多くのハウスメーカーで使われていますが、その多くは公表されていません。
なぜならわざわざ公表するメリットがないからです。ヒノキ・ヒバなどはPRポイントになりますが、「弊社は土台にホワイトウッドを使ってます!」とは逆にマイナスですからね。
ちなみに基礎の土台の木材を公表していないハウスメーカーは、次の各社でございます。
【基礎の土台の木材を公表してないHM】
ミサワホーム(浴室まわり以外)
三井ホーム
スウェーデンハウス
アキュラホーム
ただし「ヒノキを使っていれば大丈夫」、というわけでもない。
家の基礎の土台に使われる木材の特徴を見てみると、どこからどう見ても「ヒノキ一択」になるでしょう。
ヒノキが土台にマッチしているのは、疑いのない事実。
ですがご存知ですか?土台にヒノキを使っていても、シロアリにやられるときはやられるのですよ。
ですので、ヒノキを使っていれば大丈夫、という過信は厳禁なのです。
これは逆のこともいえます。
使われているのがベイツガ・ホワイトウッドでも、適切に処理し、丁寧に施工すれば問題ないケースもある、ということです。
なによりシロアリ被害は土台の木材の性質だけの問題ではなく、木材の水分・湿度・風通し・防蟻処理などが複雑に関係します。
使われている材料だけで判断するのではなく、
・どんな木材が
・どんな処理で
・どう施工されたのか?
をチェックするのが大切です。
まとめ:家の基礎の土台は、ヒノキ最強。
モデルハウスで営業マンに「弊社の基礎の土台は、ヒノキですからぁ!!!」と熱弁されたことはありませんか?
イエス、それは営業マンが熱血なのではなく、
「土台に使う材料で、ヒノキより優れた木材はありませんよ!」
という意味が込められてます。土台にヒノキが使われていることは、それだけ評価すべきことでしょう。
ただし「ヒノキが使われていれば安心か?」といえば、そうでもなくて、ヒノキが使われていてもシロアリ被害にあうケースもあります。
逆にベイツガ・ホワイトウッドでも適切に防蟻処理されていれば、問題ないケースもございます。
大切なマイホームの根幹となる土台。どんな木材が使われるかによって、家の寿命は変わってきます。細かいところですが、しっかり選びたいところですね。
ぜひ素敵な家作りを。それでは、また!
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▽基礎のチェックポイントはこちらで解説しています。