断熱材で後悔しない選び方!注文住宅で選べる種類と特徴・メリット・デメリットを解説!

こんにちは。

 

「モデルハウスで断熱の話を聞いたけど、専門用語が多くて分からなかった・・・。」

「冬でも暖かい家にするなら、断熱材をバシバシ入れたらいいの?」

 

・・・イエス、マダム。お困りですか?

あなたが断熱材について悩むのも、無理もありません。

なぜなら注文住宅の断熱材は奥が深く(闇が深いとも言う)、説明を1回受けたぐらいではちんぷんかんぷんだからですよ。

断熱材の熱伝導率がラムダで、熱損失係数がQ値で、熱貫流係数が・・・

・・・あ、もういいわ。

どの数字がなにで、どう正しいのか、家作り初心者には分からないのです。

さらに言ってしまえば、ハウスメーカーには「売りたい商品(断熱材)」があるので、営業マンの説明がすべて正しいとは限りません。

ですので、断熱材についてフラットな視点で、本当に必要な断熱材を適材適所で選ぶことが大切でございます。

 

そこでこの記事では、

・断熱の基本的な考え方

・断熱材の種類と特徴、メリット・デメリット

・断熱材の工法(外断熱・内断熱など)の違いによるメリット・デメリット

・断熱材を選ぶことで大切なこと。

について解説させて頂きます。

ハウスメーカーで受けた説明を鵜呑みにする前に、ぜひ最後までお読みくださいませ。

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なぜ暖かい空気が逃げないのか?断熱の基本的な考え方。

あたたかい家にするためには、断熱が大切です。

しかしお聞きしますが、あなたは「断熱がなんたるか?」をご存知ですか?

そ、それは・・・。

断熱材が熱を逃さないから、断熱なんでしょ!?

「断熱材が熱を逃さない」、は半分正解ですが、半分は間違いです。

正しくは、

 

『断熱材が抱え込んだ、「空気」が熱を逃がさない。』

 

でございます。

もう少し詳しく解説させて頂きましょう。

 

断熱材は、ダウンジャケットと同じ。

断熱材をもっとも分かりやすく例させて頂きますと、「断熱材はダウンジャケット」です。

家にダウンジャケットを着せてあげることで、寒い冬でもダウンジャケットの内側(室内)は暖かくなるのです。

 

ダウンジャケットが暖かい理由はご存知ですか?

・・・イエス、ダウン(鳥の羽毛)の中にたくさんの暖かい空気が蓄えられるからですよね。

ダウンの中にたくさんのあたたかい空気があることで、ダウンジャケットの内側は常にぬくぬくです。

 

これは断熱材もまったく同じで、断熱材の中にたくさんの空気が蓄えられることで、室内は暖かくなります。

断熱材はダウンのようにあたたかい空気をしっかりと空気を捕まえるので、外が氷点下でも室内を一定温度に保てるのです。

 

空気の断熱性能(熱伝導率)は、断熱材より高い。

そしてもう1点、大切なことをお伝えしなくてはいけません。

空気の断熱性能(熱伝導率)はとても高く、断熱材よりもハイスペックなのです。

熱伝導率
グラスウール 0.052~0.29
ウレタンフォーム 0.040~0.023
フェノールフォーム 0.040~0.020
乾燥空気 0.024

※いずれも数字が高いほど、よく熱を通す=熱を逃がしてしまう。

空気は熱を通しにくい素材です。

ですので暖かい家を作るならば、「いかに多くの空気を抱え込むか?」が重要になります。

 

ダウンジャケットは、もこもこの羽毛にたくさんの空気を閉じ込めます。

断熱材は、無数の気泡(小さな穴)のなかにたくさんの空気を閉じ込めます。

だから暖かいのです。

 

断熱材の種類と特徴・メリット・デメリット。

断熱材で大切なのは、「いかに多くの空気を抱え込めるか?」でございます。

注文住宅の家作りでは、おおきくわけて次の断熱材が選べます。

・グラスウール、ロックウールなどの、繊維系

・ウレタンフォーム、ポリスチレンなどの、発砲プラスチック系

・羊毛、木材などの、自然系

それぞれ特徴、メリット・デメリットがあるので、詳しく解説させて頂きます。

 

グラスウール・ロックウールなどの繊維系:安くて断熱性が高い。

断熱材でもっともポピュラーなのが、繊維系の断熱材です。

価格が安く、断熱性が高いので、多くの住宅で使われています。

熱伝導率
ロックウール 0.045~0.035 吸湿しても乾けば断熱性能が回復する。

耐火性が高い。

シロアリがつきにくい。

グラスウール 0.052~0.29 断熱性能が高く、価格も安いので、断熱材の主流として使われる。

一度湿ると、断熱性が低下する。

狭いところの断熱が苦手。

シロアリがつきにくい。

リサイクル原料を使用し、使用後は再リサイクルできるので環境に優しい。

価格・断熱性能ともに申し分ありませんが、唯一の欠点が湿度に弱いことです。

一度湿気を吸ってしまうと、断熱性が落ちてしまいます。それだけでなく、湿気を吸って重くなったグラスウールが、壁から落ちてしまうことも。

リフォームで壁を開けてみたら、断熱材が下に落ちていました・・・。

どうりで寒いわけでありますな・・・。

断熱不良は寒いだけではありません。内部結露の原因になり、家を傷めてしまいます。

 

弱点である湿度を防ぐため、グラスウールの施行は、ビニール袋に入れた断熱材を壁のすき間に敷き詰めます。

また防湿シートで湿度を防ぐことも大切です。

丁寧に施工することで、長く優秀な断熱材として使うことができますよ。

しかも!安いですし!

 

▽グラスウールのメリット・デメリットは、こちら!

グラスウールのハウスメーカーはどこ?特徴・メリット・デメリットを解説!

2019.06.26

 

発砲プラスチック系:湿気に強い断熱材。

発砲プラスチック系の断熱材は、湿気に強い特徴があります。

熱伝導率が小さく断熱性が高いものの、価格が高いのがデメリットです。

断熱材をボードにして家の外側に貼り付けることが可能(外断熱)で、熱を逃がさない施工ができます。

フェノールフォーム 0.040~0.020 断熱性が高く、耐火性もある。

固くてもろく、へこむともとに戻らない。

値段が高い。

ウレタンフォーム 0.040~0.023 断熱性が高く、水に強い。

燃えやすい。

XPS(押出ポリスチレン) 0.040~0.023 EPSよりハードで、気泡性が細かく、断熱性が高い。

水に強く、吸湿しにくい。

音は吸収しにくい。

EPS(ビーズポリスチレン) 0.045~0.029 柔らかくて、割れにくい透湿性が高い。

いわゆる発砲スチロール。

吹付ウレタン 0.040~0.035 ウレタンを現場で吹き付ける。

気密が取りやすく、断熱性が高い。

・・・と言われるが、それは現場の作業者の技術レベル次第。

外断熱に使う場合、釘で断熱材を固定するため、断熱材の厚みに制限が出てしまいます。

そのため最近では充填断熱(グラスウールなど)と併用した、「付加断熱」が増えています。

 

発砲プラスチック系の断熱材は、シロアリの被害にあいやすいです。

外断熱(基礎断熱)に使用すると、そこからシロアリに食べられて被害が家じゅうに広がる惨事もございます。

わ、笑えませぬ・・・。ごくり・・・

 

羊毛・木材(セルロース)などの自然素材

断熱材には、羊毛・木材(セルロース)を使った、自然素材の断熱材もあります。

・ウールブレス:羊毛とポリエステルの断熱材。

・セルロースファイバー:リサイクル紙を使った断熱材。

自然素材の断熱材には、次の特徴、メリット・デメリットがございます。

・吸湿、放湿性があるので、結露しにくい。

・結露しないから、家の構造をダメにしない。

・環境負荷が小さい。

・グラスウールに比べ、価格がかなり高い。

・天然素材などで、長期間の使用で下に落ちてしまうことも。

もっともデメリットと感じるのは価格です。

ほかの断熱材(グラスウール)より2倍以上の価格を支払う効果は、はたしてあるのか?

・・・その答えは風の中でございます。

 

外断熱?内断熱?断熱材の施行方法による違い。

注文住宅の断熱の方法は、2つあります。

外断熱:壁の外側に断熱材を貼り付ける。

内断熱:壁の内側に断熱材を貼り付ける。

どちらがいいとか、正解などはありません。

ただし、どちらにも特徴・メリット・デメリットがあるので、きちんと知った上で選ぶことが大切です。

 

内断熱:壁の内側に断熱材をつける。

断熱材の施行方法でもっともメジャーなのが、内断熱です。内断熱は壁の内側、柱と柱の間に断熱材を敷き詰めます。

内断熱のメリット・デメリットをまとめると、次のようになります。

【内断熱のメリット】

・施工が簡単で、工事費が安くなる。

・断熱材に厚みを持たせられるので、断熱効果が高い。

【内断熱のデメリット】

・狭いすき間に断熱材を詰めるとき、すき間ができやすい。

・隙間ができると、断熱効果が低くなり、内部結露の原因になる。

・柱と柱の間に断熱材をつめるため、どうしても柱の部分が断熱できない。

施工費が安く、なおかつ断熱効果が高いので、広く普及している断熱方法です。

 

外断熱:家を断熱材ですっぽりと覆う。

外断熱は家を断熱材ですっぽりと覆います。まさに魔法瓶のなかに、家を作るイメージでございます。

外断熱は気密性が高くなるので、「断熱効果は内断熱よりも高い・・・」と主張するハウスメーカーが多いです。

「多いです」とお茶を濁したのは、外断熱にもデメリットがあるからでして。

イエス、マダム。

外断熱は断熱材を釘で固定するので、内断熱のように断熱材を分厚くできないのです。

内断熱のように断熱材を厚くできないから、断熱性能が低い・・・とは言い切れません。

しかし内断熱よりも気密性が高いから、断熱性能が高い・・・とも言い切れません。

 

また発砲プラスチック系の断熱材を外断熱に使うと、経年劣化とともに外壁がずれてしまうおそれもあります。

一部ハウスメーカーでは「外断熱だから完璧です!」と主張していますが、しっかりと外断熱のデメリットも知るべきでしょう。

 

基礎断熱:床下を断熱し、床暖房の効果を高める。

基礎断熱とは、基礎の立ち上がりを断熱し、床下の寒い空間を室内のような空間に変えることです。

基礎断熱にも、

・外断熱:基礎の外側を断熱材で囲む。

・内断熱:基礎の内側を断熱材で囲む。

2つの工法があります。

内断熱のうち、床下を断熱するのを「床下断熱」といいます。

室内だけでなく基礎(床下)を断熱することで、

・床暖房の効果があがる。

・床下エアコンの効果があがる。

というメリットがあります。

しかし発砲プラスチック系の断熱材は、シロアリによって食べられてしまいます

断熱材がシロアリの侵入ルートとなり、被害は家中に広がります。

そのため基礎断熱(とくに外断熱)は、シロアリ被害のリスクを天秤にかけてから判断しなくてはいけません。

 

▽基礎断熱は、床暖房との相性が高いです。

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注文住宅の家作りで、断熱材の選び方で大切なこと。

断熱材、そして工法(外断熱・内断熱)の特徴、メリット・デメリットを解説させて頂きましたが、正直なところあなたは思いませんか?

 

「結局、どれを選んだらいいんですか!?!?」

 

・・・イエス、あなたが憤慨するのはごもっともでございます。

しかしですよ。結論から申し上げますと、断熱材に完璧なものはないのです。

ですので、メリット・デメリットを知った上で、適材適所で選ぶしかないのです。

 

「高い断熱材を使えばいい!」ってものでもない。

断熱材に完璧なものはありません。しかし確実なことが1つ言えます。

イエス、マダム。

それはですね、『「高い断熱材を使えばいい!」というものではない』、ということでございます。

モデルハウスに行けば、各ハウスメーカーが断熱性能をアピールします。

その説明に間違いはないでしょうが、はたしてデメリットもすべて説明してますでしょうか?

デメリットのない断熱材はないのですよ。

 

「最高ランクの断熱材だから、まったくもって問題ありません!」

 

もしも「高い断熱材を使ってるから、大丈夫」との説明があるならば、それは間違いでしょう。

なぜなら高い断熱材でもデメリットがあるからです。

「高いコストを払って、それだけの効果があるのか?」を、冷静に判断しなくてはいけません。

 

丁寧な施工がもっとも大切。

どの断熱材を使うか?

どの工法で断熱するか?

 

これはもちろん大切です。

しかしすべてのちゃぶ台をひっくり返してしまいますが、「断熱材の丁寧な施工こそ、もっとも大切」なんですよね。

 

内断熱は、断熱材を分厚く施工できます。しかし雑な施工で隙間があっては意味がありません。

グラスウールは、湿気に弱いです。しかしきちんと防湿対策していれば、長い間優秀な断熱材として活躍します。

外断熱は気密性が高いです。ですが雑な施工で隙間だらけでは、意味がありません。

 

断熱材を選ぶのも大切です。

しかしそれと同じくらい、「だれが施工するのか?」、つまり「誰に家作りをお願いするのか?」は大切なのです。

 

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まとめ:断熱はコスパよく選ぶべし。

断熱材は奥が深く、そして闇も深いので、モデルハウスでちょっと説明を受けたぐらいでは理解できません。

しかしハウスメーカーの言われるがままに断熱材を選んでしまうのは危険です。

なぜならこの世に完璧な断熱材はなく、どれもメリット・デメリットがあるからです。

 

断熱材を選ぶときに大切なのは、コストパフォーマンスです。

いくら費用を払って、どのくらい効果があるのか?

そのバランスがもっともいい断熱材を選ぶようにしましょう。

くれぐれも「高い断熱材=正義」と思い込んではいけませんよ。

 

また断熱材うんぬんも大切ですが、「丁寧な施工」はもっと大切です。

どんなに効果の高い断熱材でも、雑な仕事で隙間だらけでは断熱性能は期待できませんからね。

断熱材は、じっくり検討していきましょう。素敵な家作りを。それでは、また!

 

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