こんにちは。
「マイホームは欲しい。でも欠陥住宅なんて死んでもいらない。」
これはだれしも思うところ。ですが買ったマイホームが欠陥住宅であるリスクは一定確率で起こります。
その1つが、内部結露です。
内部結露は壁の内側が結露することで、木材が腐ってしまい、強度不足・シロアリ被害などの影響があります。
内部結露でもっとも怖いのが、外から気が付きにくいことです。
内部結露は、新築のときから起こります。あなたの知らないうちに、新築マイホームが腐っていくのです。
外から見えない内部結露ですが、原因をおさえて対策することで、リスクは減らせます。
この記事では、
・内部結露が起きる原因。
・内部結露が起きないようにする対策。
について解説します。
これからマイホームを買う方は、ぜひ知って頂きたい内容です。大切なマイホームを守るためにも、どうぞ最後までお読みくださいませ。
スポンサーリンク
この記事の概要
本当は恐ろしい、内部結露とは?
これまでモデルハウスを歩いた中で、「内部結露」という言葉を説明されたことはありますか?
おそらく「説明されてない。初めて聞いた!」という方も多いでしょう。内部結露は深刻な問題なのに、十分な説明がありません。
それもそのはず。内部結露の問題は住宅の高気密化・高断熱化が起きたころから発生しているのですが、現在も「これだ!!」という明確な解決方法が確立していません。
ですのでハウスメーカーは、積極的に「うちの家は内部結露しませんよ!」と胸を張ってPRできないのです。
内部結露が起きる原因。
内部結露を防ぐ方法は確率していませんが、内部結露が起きる原因はシンプルです。
寒い冬、暖かく湿気を含んだ空気が外の寒い空気に冷やされて、湿気が水滴に変わります。(結露)
通常、結露は断熱性能の低い窓で起きますが、内部結露はこれが壁の内側で起きます。(内部結露)
・・・というのが、内部結露するシンプルな理由です。
内部結露は断熱材を壁の隙間に埋める「内断熱」で多くみられる問題で、この問題を解決すべく「外断熱」が登場しました。ですが、
・断熱材が入っているのに、どうして結露するの?
・防湿シートが入っているのに、どうして結露するの?
・壁の外側から断熱する「外断熱」なら結露しないんじゃないの?
などと、釈然としないことが多いのです。
これらの疑問について、専門家がずっと研究していますが、依然として明確な答えがない状況です。
しかし現場から分かっていることをまとめると、
・内断熱でも、丁寧に施行されていると、内部結露しない。
・断熱材に隙間ができていると、内部結露しやすい。
・防湿シートがあっても、機能しない場合がある。
・外断熱でも内部結露することがある。
つまるところ、現状では100%防ぐ絶対的な手段はまだないのです。
内部結露による影響。
内部結露による影響は、主に次の4つがあります。
1・壁が腐って、強度が下がる。
2・壁にカビが生えて、健康被害(アレルギー・ダニなど)
3・二次被害として白アリ被害に遭いやすくなる。
4・断熱材が水に塗れてしまい、断熱性能が低くなる。
木材は一度濡れた程度では腐りませんし、カビも生えません。濡れても乾けば、もとに戻ることが多いです。
しかし内部結露は壁の内側で起きるので、一度濡れるとなかなか乾燥しません。しかも結露していても壁で見えないので、問題を発見するときは、すでに症状(腐る・カビ・シロアリなど)がかなり進行しているときが多いです。
▽シロアリ被害については、こちらをチェック!
新築マイホームで内部結露を防ぐには?
私が申し上げたいのは、
「内部結露、怖いよな。だからマイホームなんてやめておこうぜ。」
ということではありません。マイホームにはリスクはありますが、リスクを知ることで対策もできます。
内部結露の原因をきちんと知ることで、内部結露の予防も可能です。
ただし万能な対策はないので、内部結露を意識したライフスタイルを意識することが大切です。
断熱材による予防。
大切なマイホームを内部結露から守るには、断熱材による予防ができます。
内部結露が起きない断熱材はありませんが、起きにくい断熱材ならあります。
・内断熱なら、丁寧に隙間なく施工すること。防湿シートをつけること。
・内断熱よりも、外断熱の方が内部結露は起こりにくいことが多い。
・外断熱なら、外壁との間に通気層をつけること。
・吸放湿性のある天然系断熱材「セルロースファイバー」を使う。
「内部結露が絶対に起きない!」と断言できないのは、まだ研究データ・事例が少ないからです。
しかし理論としては起きにくくなりますので、一定の予防が見込めます。
調湿機能をもった壁の仕上げ材による予防。
内部結露を予防するには、壁の仕上げ材(壁の表面を仕上げる材料:クロス、漆喰など)を工夫することで一定の効果が見込めます。
壁仕上げ材のなかには、調湿機能をもった材料があります。そのため室内の湿度が高い(しめっている)と、空気中の湿度を吸収するので、内部結露の予防になります。
調湿機能をもった壁仕上げ材として、
・土壁
・珪藻土
・漆喰
などがあります。
これらの壁仕上げ材は、クロスに比べてコストが高いです。そのためすべての壁を、調湿機能のある壁仕上げ材にするのは難しいでしょう。(全室同じ仕上げ材も味気ないですし)
しかし調湿機能があるとはいえ、珪藻土を塗ったのに、内部結露でカビが生えた、という事例もございます。
あくまでも予防の1つの方法として考えるべきでしょう。
▽壁仕上げ材の選び方は、こちらをチェック!
加湿器をつけすぎない。
乾燥が厳しい冬は、加湿器をつけたくなるもの。
ですが高気密化された家で加湿器をつけすぎると、家の中の湿度が高すぎる状態になってしまいます。
そのため結露が起きやすい環境になってしまい、内部結露につながります。
さらに暖房をつけて高温多湿な環境になると、さらに結露が発生しやすい状況に。これではいくら内部結露対策をしていても、結露が起きてしまいます。
ですが逆に内部結露対策をしていなくても、室内の湿度が低ければ結露は起きにくいです。
なぜなら冷やされて水になるほどの湿度がそもそもないからです。
冬に加湿器をつけるのは当然の権利でしょうが、内部結露のことを考えると、加湿器のつけすぎ・湿度のあげすぎは危険です。
24時間換気システムを止めない。
結露の最大の予防策はなにかご存知ですか?
・・・イエス、それは換気することです。
室内の暖かく湿った空気と外の冷たく乾燥した空気を入れ替えることで、室内と外の温度・湿度の差を小さくします。その結果、室温が下がっても結露しにくくなるのです。
ですので、家についている「24時間換気システム」は、寒い冬でも止めないでください。
よく「冬は寒いから24時間換気システムを止めよ~」という声を聞きますが、それ、とても危険ですからね。
高気密化されて湿気がこもりやすい現代住宅では、強制的に換気をしなければ内部結露につながってしまいます。
寒い冬こそ、24時間換気は必要です。
24時間換気システムは、2時間に1回、家の空気が入れ替わる計算で作られています。ですので設計通りに換気し続ければ、内部結露の予防になります。
結露の最大の予防策は、換気すること。これは車の運転でもそうでしたよね。
冬に車を運転していると、窓ガラスがくもります。(結露)
そこで車の窓を開けて走ると、窓ガラスのくもりはキレイに消えます。(結露解消)
私たちは「冬、暖かい家」を望むあまりに、暖かい空気を室内にため込むようになりました(高気密化)
しかしそれによって湿度までため込んでしまい、内部結露につながっているのです。
たまには窓を全開にして掃除機をかけてもいいかもしれませんね。
▽「冬、寒い家はイヤだ!」というお悩みについては、こちらで書かせて頂きました。
まとめ:契約する前に、内部結露の存在を知っておくべき。
内部結露はとても深刻な問題ですが、まだまだ実例・データが少なく、ハウスメーカーは積極的にPRしません。
そのため内部結露になって、症状が進行してはじめて、その存在に気がつく人すらいるのです。
ですので、ハウスメーカーと契約する前に、どうぞ内部結露の存在だけは知っておいて頂きたいなと思っています。
内部結露を予防するには、
・断熱材を適切に施工する。素材を選ぶ。
・調湿機能のある壁仕上げ材を選ぶ。
・加湿しすぎない。
・24時間換気は冬も止めない。
ということが大切です。
大切なマイホームですから、内部結露対策をして大事に長く使っていきたいですね。
それでは、また!
\ ハウスメーカーもがんばってます! /
▽「まずはハウスメーカーのカタログだけ見てみたい」という方は、こちらがおすすめ!
▽内部結露と切っても切り離せないのが、断熱材です。
▽注文住宅でありがちなトラブルは、こちらにまとめました。
これは全面リフォーム、いや、建て替えか・・?ちーん