メリットだけじゃない!契約前に知るべき外断熱の5つのデメリット!

こんにちは。

 

「うちの断熱は外断熱ですから!大丈夫ですっ!!」

 

断熱性能をアピールするハウスメーカーのなかには、外断熱をゴリ押しする会社もいませんか?

たしかに家の外側を断熱材でおおう外断熱は、「断熱性能が高い」、という素晴らしいメリットがあります。

ですが「断熱性能が高い」からといって、「最高の断熱方法だ」、とも言えないのです。

イエス、マダム。

なぜなら外断熱にもデメリット、苦手なことがあるからです。

これらを知らずに外断熱を採用するのは、後悔のもとですよ。

 

そこでこの記事では、

・外断熱のメリット、デメリット。

・外断熱を採用するときの注意。

について解説させて頂きます。

外断熱をメリットだけで判断するのは危険ですよ。ぜひ最後までお付き合いくださいませ。

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外断熱とは?内断熱と何がちがう?

「外断熱」という言葉はよく知られるようになりましたが、詳しい工法・内断熱とのちがいはご存知ですか?

外断熱がなぜ断熱性のが高いと言われるのか、解説させて頂きましょう。

 

断熱材を壁の外側に貼り付けて、上から外壁パネルで固定する。

外断熱とは、家の壁の外側に断熱材を取りつける工法です。

使われる断熱材は発泡プラスチック系の断熱材で、次のような性能・特徴があります。

フェノールフォーム 0.040~0.020 断熱性が高く、耐火性もある。

固くてもろく、へこむともとに戻らない。

値段が高い。

ウレタンフォーム 0.040~0.023 断熱性が高く、水に強い。

燃えやすい。

XPS(押出ポリスチレン) 0.040~0.023 EPSよりハードで、気泡性が細かく、断熱性が高い。

水に強く、吸湿しにくい。

音は吸収しにくい。

EPS(ビーズポリスチレン) 0.045~0.029 柔らかくて、割れにくい透湿性が高い。

いわゆる発砲スチロール。

いずれも水・湿気に強い特徴があるので、外断熱に使われるのですね。

発泡プラスチック系の断熱材をボード状に加工し、壁の外側にはりつけます。

外断熱の断熱材は、外壁の仕上げ材(サイディングなど)の上から専用の釘を打ちつけて固定します。

つまり外断熱は、「外壁パネルで断熱材を抑え込んで固定している」、という状態です。

一方で内断熱は、壁のすき間に断熱材を敷き詰めるイメージです。

断熱材の上から壁を押し付ける、ということはありません。

 

▽断熱材については、こちらで詳しく解説しています。

断熱材で後悔しない選び方!注文住宅で選べる種類と特徴・メリット・デメリットを解説!

2019.03.19

 

基礎の外側を断熱材で囲む「基礎断熱」もある

家の外側に断熱材を貼る、という意味では「基礎断熱」も外断熱の1つといえます。

通常、床下に断熱材を敷きつめる「床下断熱」が一般的ですが、さらに家全体をあたためる目的で、基礎断熱が採用されます。

 

基礎断熱とは、家の基礎コンクリートの外側(もしくは内側)を断熱材で囲む工法で、床下空間を室内のような空間にできる・・・というメリットがあります。

床下暖房・蓄熱暖房でじんわりと家を暖めたいときは、基礎断熱は必須ですな。

基礎断熱には、発泡プラスチック系の断熱材(ボード状)が使われます。断熱材の上からモルタルを塗って仕上げます。

 

外断熱のメリット|やっぱり断熱性が高い・・・!?

「うちは外断熱だから!大丈夫ですー!!」

 

なにが大丈夫かは分かりませんが、おっしゃるとおり、外断熱には大きなメリットがあります。

とくに断熱材で家全体を魔法ビンのように暖めるのは、外断熱だけのメリットです。

 

家全体を隙間なく断熱材で囲めるので、断熱性能が高い。

外断熱のメリットは、断熱性能が高いこと。

その理由は、家全体を断熱材で隙間なく囲めるからです。

壁の隙間に敷きつめていく内断熱では、

・柱、筋交いの近く。

・コンセント、コードまわり。

などの近くでは施工性が悪く、丁寧に作業しないと隙間ができやすくなります。

断熱材に隙間ができると、そこから室内の暖かい空気が冷やされてしまい、断熱性が落ちてしまいます。

 

しかしその点、家全体をすっぽり囲める外断熱なら安心です。

内断熱のように筋交い付近で隙間ができることもなく、家全体を断熱材で囲めます。

そのため熱が逃げるポイント(専門用語では熱橋といいます)がなくなるので、「断熱性が高い!」となるのです。

外断熱は、まさに家の魔法ビン。

熱の逃げ場がない魔法ビンは、いつまでもお湯の温度が下がりません。外断熱はこれと同じ原理なのです。

 

隙間なく断熱材で囲めるので、内部結露になりにくい。

外断熱のメリットは高い断熱性によって、内部結露が起きにくいメリットがあります。

内部結露とは、壁の内側で結露してしまう恐ろしい症状です。内部結露すると、

・壁が腐って、強度が下がる。

・壁が腐って、シロアリの被害にあいやすくなる。

・壁にカビが生えて、健康被害(ダニ・アレルギー)がおきる。

と、深刻な被害をもたらします。

内部結露は、内断熱に起こりやすい症状です。敷きつめた断熱材に隙間があると、そこから冷やされて結露が発生します。

しかも内断熱に使われる断熱材(グラスウール)は湿気に弱く、一度濡れてしまうと断熱性が低くなってしまいます。

 

このデメリットを克服するために、外断熱は開発された経緯があります。外断熱なら、

・壁の外側に断熱材をつけるので、熱のムラがない。

・湿気に強く、水に濡れても断熱性が低くならない。

というメリットがあるので、内断熱よりも内部結露になりにくいです。

「外断熱だから大丈夫!」という意味は、高い断熱性はもちろんのこと、それによって「内部結露になりにくい」、という意味でもあります。

 

▽内部結露の原因・対策は、こちらでまとめました。

本当に怖い内部結露。ハウスメーカーと契約前に知るべきの原因と対策まとめ。

2019.04.23

 

外断熱の5つのデメリット

内断熱のデメリットを解決するために開発された外断熱。これなら内部結露に悩むこともなく、冬も暖かく過ごせそう・・・と思いますよね?

ですがご注意くださいませ。

断熱性が高いといわれる外断熱も最高の断熱材とは言い難く、次の5つのデメリットを抱えているのです。

 

1・外壁がずれる。外れる。

外断熱のデメリットで知るべきは、外壁(サイディングなど)がズレる・外れる、ことがあることです。

外断熱は壁の外側に断熱材をとりつけ、その上から外壁パネルで固定します。

つまり外壁パネルは、断熱材の上に固定されているのです。

断熱材は断熱材ですので、柱のように釘で固定できません。するとなにが起きるかといいますと・・・、

イエス、マダム。

時間が経つにつれて、外壁が重みでズレることがあります。地震で外壁が外れることもあります。

内断熱では、外壁パネルは柱にしっかり密着するように固定されます。ですが外断熱は断熱材の上から釘で止めているだけです。

そのため外壁パネルを支える力が弱く、なにかの拍子(経年劣化・地震など)で、外れることがあるのです。

 

2・断熱材を厚くできない。薄くすると断熱性が下がる。

外断熱では、外壁パネルがズリ落ちる危険があります。

この問題を解決するには断熱材の厚みをうすくして、外壁パネルと柱の距離を近くすることが有効です。

しかし断熱材をうすくしてしまうと、断熱性能が低くなります。当然ながら。

「外断熱は断熱性が高い!」とはいっても、うすっぺらい断熱材で囲んでも寒いものは寒いです。

 

断熱材を厚くすると、外壁がずり落ちやすくなる。

かといって断熱材をうすくすると、寒くなる。

 

・・・というのが、外断熱のデメリットでございます。

 

3・内部結露がしないとは限らない。

外断熱のメリットは、内部結露がしにくいこと。

ですが「絶対に内部結露しないの?」と聞かれたら、それは「ノー」でございます。外断熱でも内部結露するときはします

・外断熱に通気層がなかった。(施工不良・設計不備)

・加湿器のつけすぎ。

・24時間換気システムを止めてしまう。

わが家は外断熱だから安心です。

さて、加湿器バンバンつけて、寒いから24時間換気も止めてしまいましょうか。ぽちっとな

外断熱なら内部結露はしにくい構造ですが、「絶対に結露しない!」ということではありません。

 

4・外断熱(基礎断熱)は、シロアリ被害にあいやすい。

これはとくに基礎断熱でご注意頂きたいのですが、家の外側に断熱材をつけると、そこがシロアリの侵入経路になる可能性があります。

外断熱で使われる発泡プラスチック系の断熱材は、シロアリの食害にあいます。断熱材を外してみると、シロアリが食べた形跡がびっしりと・・・。身の毛もよだつ光景でございます。

基礎断熱では地面とすぐ近く(地面のなかに入れる場合もあり)に断熱材をつけるので、シロアリ被害にあいやすいです。

 

もちろん、シロアリ被害にあわないように防蟻処理された断熱材もありますけど・・・ねぇ・・・?

ちなみに床下に処理される防蟻処理は5年で効果がなくなります

はて、断熱材の防蟻処理は6年以降はどうなるのでしょうか・・・?

この世に完璧な方法はないので、リスクの残る方法は避けた方が賢明かと存じます。

外断熱(基礎断熱)をするなら、このデメリットは知っておきましょう。

 

▽シロアリ被害については、こちらをチェック!

シロアリから新築の家を守る方法・対策|5年に1回の防蟻処理のメンテナンスを!

2019.04.03

 

5・内断熱よりも費用が高くなりがち。

外断熱のデメリットとして、内断熱よりも費用が2~3割高くなることがあります。

高くなる理由として、

・断熱材そのものが高い。(むしろグラスウールが普及していて安い)

・施工に手間がかかる。

ということがあります。

外断熱にメリットしかないなら納得してお支払いしますが、デメリットもありますからね。

メリット・デメリット、そして価格をよく比較して決めるべきでございます。

 

外断熱を採用するときの注意。

この世に完璧なものは存在しないように、外断熱だって完璧ではないのです。メリットもあれば、デメリットだってございます。それが普通です。

では外断熱を採用するときは、どんなことに注意したらいいのでしょうか?

 

断熱性能を過信しない。

外断熱を採用するときにもっとも大切なのが、「断熱性能を過信しない」ことです。

外断熱にもデメリットもありますし、断熱材の厚みが足りなければ暖かくありません。

外断熱でも施工不良があれば内部結露は起きますし、加湿器バンバンかけて24時間換気を止めれば、いつ内部結露になっても不思議ではないですからね。

 

内断熱に比べて新しい工法なので、ハウスメーカーは過剰にPRしがちです。しかしその説明をそのまま鵜呑みにするのはリスキーですよ。

外断熱なのに、なぜか寒いであります・・・。

さては欠陥住宅なのですな・・・。ぐぬぬぬ・・・

外断熱に過剰に期待すると、我を忘れてしまいます。ですが外断熱だって完璧ではないのですから、寒いなら寒い原因があるはずです。

まずは外断熱のメリット・デメリットを冷静に比較することをおすすめします。

 

▽「新築なのに寒い!」という原因は、こちらではないですか?

新築なのに寒い家はイヤだ!後悔する前に知るべき、注文住宅が寒くなる原因とは?

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内断熱・外断熱を組み合わせた「ハイブリット工法」も登場した。

内断熱のデメリットを解決するために生まれた外断熱もデメリットを抱えています。

今度は外断熱のデメリットを解決するために生まれたのが、「ハイブリット工法」です。ハイブリット工法とは、内断熱と外断熱を組み合わせた工法です。

 

外断熱は家全体を覆える反面、断熱材に厚みを持たせるのが苦手です。

内断熱はすき間ができやすい反面、断熱材を厚くするのが得意です。

 

この2つのいいところを組み合わせると・・・、

まさにハイブリット。いいとこどりの断熱工法、というわけですな。

「最初からこうすればいいのに・・・」というヤボな話はなしですよ。ハウスメーカーも一生懸命研究しているのです。

またハイブリット工法の費用は高いですよ。新しくて性能のいいものは高いこと、お忘れなく。

 

まとめ:外断熱にもデメリットはある。

内断熱のデメリットを克服するために生まれた外断熱ですが、外断熱にもデメリットはございます。

1・外壁がズレる。外れる。

2・断熱材を厚くできない。うすくすると、断熱性が下がる。

3・内部結露がしないとは限らない。

4・外断熱(基礎断熱)はシロアリ被害にあいやすい。

5・内断熱は費用が高くなりがち。

デメリットはあります。ですがそれが悪いわけではありません。

しかし注意しなくてはいけないのは、外断熱を万能の断熱材だと錯覚することですね。

メリットだけしかないと思い込んでいると、いざ住んでみたときに「こんなはずではなかったのに!」と後悔してしまいます。

外断熱を採用するなら、デメリットもきちんと知っておきましょうね。

ぜひ素敵な家作りを。それでは、また!

 

\ ハウスメーカーもがんばってます! /

>>内部結露に取り組むハウスメーカーを探してみる。

 

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