こんにちは。
注文住宅の床材でよく使われるフローリングは、2種類あります。
・無垢フローリング:1枚の木の板から作られたもの。
・複合フローリング:複数の木の板を貼り合わせ、表面に化粧板を張り付けたもの。
このうち無垢フローリングは、木のぬくもり・質感が感じられ、心地いい肌ざわりが人気の床材です。
ですので注文住宅の家作りにおいて、「リビングの床は無垢のフローリングにしよう!」と憧れる方も多いです。
・・・しかし、ご注意くださいませ。
無垢フローリングは天然素材なので、こまやかなメンテナンスが必要です。
愛情深くメンテナンスすることで無垢はより古く美しくなりますが、愛情が足りないとただ汚く劣化していくだけでございます。
そこでこの記事では、
・無垢フローリング、複合フローリングの特徴、メリット・デメリット
・失敗しないフローリングの選び方
について解説させて頂きます。
知ってるようで知らなかったフローリング。これを読むまで契約書にハンコ押してはいけませんよ!
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この記事の概要
無垢フローリングの特徴・メリット・デメリット
注文住宅で家作りを目指す方なら、一度は無垢フローリングに心を奪われたのではないでしょうか?
木の板を1枚、贅沢に使用する無垢フローリングは、「木のぬくもり感・質感・肌ざわり感」、いずれをとっても格別です。
しかし無垢フローリングを選ぶときはメリットだけではなく、デメリットも知っておくことが大切です。
天然木の質感・香り・肌さわりがいい
天然木の1枚板から作られる無垢フローリングの特徴は、
・天然木の質感。
・木の香りが心地いい。
・すべすべした肌ざわり。
で、ございます。
複合フローリングの材質も「木」ではありますが、無垢の質感・香り・肌ざわりは別格です。
モデルルームの無垢フローリングを体感して、一目ぼれした方も多いはず。(まだの方はぜひ体験して頂きたい)
無垢フローリングでは、
・ブラ
・ナラ
・オーク
などの無垢材が使われることが多く、それぞれの材料によって床の印象・質感は変わります。
傷・汚れに強い!傷や汚れがついても、ヤスリがけで修復できる。
「無垢フローリングは、傷や汚れに強い。」
あなたはこの言葉を聞いたことはありませんか?
イエス、おっしゃるとおり、無垢は傷や汚れに強いのです。
無垢フローリングに使われる無垢材は、最初からオイル処理などがされており、汚れがつきにくくなっています。
・・・しかしだからといって、「無垢は傷や汚れが完全につかない」という意味ではありません。
むしろ無垢は複合フローリングに比べて、傷・汚れはつきやすいです。
しかしヤスリがけをすることで、キレイに修復できるのです。
無垢フローリングが傷・汚れに強いと言われるのは、傷や汚れがついても、ヤスリでこすれば簡単に修復できるからです。
ヤスリで無垢材をこすれば、汚れた部分が削られて、下から新品のようにキレイな無垢材が登場します。
これは無垢だけの特権であり、複合フローリングではヤスリがけしても傷の修復はできません。
複合フローリングは複数の板を貼り合わせ、表面にキレイな化粧板を貼っています。
そのため表面の化粧板を傷つけてしまうと、下から出てくるのは味気ない板だったりします。
△表面の化粧板が剥がれた複合フローリング。下からMDF(集成材)が顔をのぞかせる。
無垢フローリングは表面をヤスリがけすることで、いつでも新品のような美しさが保てます。
これは無垢にしかない特権でございます。
経年劣化で味わい深くなる。
メンテナンスに手間がかかるものの、無垢フローリングは適切にメンテナンスされれば、経年劣化するほど美しくなります。
業界関係者は口をそろえて、「無垢材は、古美る(ふるびる)」と言うほどです。
無垢材は紫外線によって色あせてしまい、直射日光のあたる場所では無垢材の表面が白っぽくなってしまいます。
メンテナンスフリーでいつまでも変わらない美しさも魅力的です。
しかし自然素材ならではの「古くなって味わい深くなる」のは、無垢フローリングならではの魅力です。
乾燥で変形(そり・われ)することがある。
無垢フローリングで注意すべきは、乾燥による変形です。
無垢フローリングは1枚の木の板を使っているので、温度・湿度の変化で伸縮し、フローリングが反ったり、割れたりすることがあります。
無垢材が変形する原因のほとんどは乾燥不足であり、含水率12~15%で変形しにくい無垢材を選ぶのが大切です。
とはいえ、無垢材の伸縮は自然現象なので止めようがありません。
そのため無垢フローリングを施行するときは、木の伸縮に対応できるように、わざと隙間があけられます。
うっかり屋さんの業者かと思ってましたぞ・・・。
もし隙間なく無垢材を敷き詰めてしまうと、木の伸縮に対応できずに、
・床なりの原因になってしまう。
・フローリングの突き上げ事故(フローリングが盛り上がってしまうこと)が起きてしまう。
との不具合が発生してしまいます。
無垢フローリングは施行レベルによって品質のバラつきが大きくなるので、腕のある業者に施行してもらう必要があります。
また無垢のフローリングで、床暖房を入れるときもご注意くださいませ。
床暖房を使うと極端に無垢材が乾燥してしまい、反り・割れの原因になってしまいます。
そのため、
・床暖房に対応した無垢材(含水率5~8%)
・無垢材にも優しい弱運転の床暖房にする。
などの配慮が必要です。
定期的なオイル塗装が必要。
無垢のフローリングでは、定期的なオイル塗装(もしくはウレタン塗装)が必要です。
なにもオイルが塗ってないような風合いの無垢材も、たいていオイル塗装がしてあり、1年に1回程度の再塗装が必要になります。(具体的な頻度は無垢材・オイルメーカーによって異なります)
無垢のフローリングで使われる塗料は、次の2種類です。
・オイル系:木材にオイルを浸み込ませて保護する。メンテナンスが簡単。
・ウレタン系:木材にウレタン被膜を形成して保護する。再塗装はプロに依頼する。
無垢フローリングのメンテナンスは、基本的に年1での再塗装でOKです。
しかし年1回の再塗装を楽というか、大変というべきか・・・。
ちなみにですが、ほかの身の回りのメンテナンス頻度と比較してみると、
・エアコンのフィルター洗浄:年2回
・キッチンの換気扇の洗浄:最低年1回
無垢フローリングの年1回の再塗装が、それなりの負担であることが分かります。
複合フローリングの特徴・メリット・デメリット
複合フローリングは木の板を貼り合わせた表面に、厚さ0.1~2mmの化粧板を貼ったものです。
「なんだ・・・複合フローリングは、薄くスライスした木のシートを貼りつけただけか・・・。」
たしかにその認識は間違いではありませんが、重要な視点が抜けております。
イエス、それは「機能性」でございます。
複合フローリングは長年の研究により、機能性が高く、実用的なフローリングへと進化したのです。
低価格で扱いやすく、品質にバラつきが少ない。
複合フローリングの特徴は、
・低価格でありながら
・扱いやすく
・品質にバラつきがないこと
でございます。
無垢フローリングでは木の板1枚を使うので、性質上避けられない問題(反り・割れ・品質のバラつき)があります。
しかし複合フローリングは薄い木の板を貼り合わせているので、無垢材ほど乾燥によって伸縮しません。
そのためフローリングの施行も簡単で、材料・作業者による品質のバラつきが少ないのです。
・・・イエス、複合フローリングにしましょう。
家作り当初は無垢フローリングに憧れていても、予算の関係で複合フローリングにした・・・という家作りの先輩も多いですよ。
耐水性・防汚性など、機能性が高く、メンテナンスが簡単。
複合フローリングのメリットは耐水性・防汚性などの機能性が高く、メンテナンスが簡単なことです。
フローリングの表面に張られている化粧板に加工をすることで、耐水性・防汚性の高いフローリングとなっています。
・水をこぼしてもシミになりにくい。
・傷がつきにくい。
・直射日光に当たっても、日焼けしにくい。
などのメリットがあります。
無垢のような小まめなメンテナンスをしなくても、キレイな状態が維持できるのが魅力です。
しかし複合フローリングは表面の板が削れてしまうと、下から違う種類の木が顔を出します。
とくに表面の化粧板が厚さ0.2mmと薄い場合、ヤスリでこするとすぐに下地が見えてしまうので、傷の補修は難しいです。
乾燥による伸縮が少ないから、床暖房にも使える。
複合フローリングは乾燥による伸縮が無垢ほど大きくありません。
そのため床暖房を使用する極端に乾燥する環境でも、安心して使うことができます。
無垢フローリングでは「木のぬくもりで暖かい」とのご意見もありますが、一方で足元を暖める床暖房に制限が出てしまいます。
現実的な問題として、自然のぬくもりは、文明の利器による暖かさには勝てませんから。
寒い日はエアコンつけて、床暖つけて、おこたに入るに限ります。
選べる種類が多く、無垢のような質感も楽しめる。
複合フローリングのメリットは、選べる種類が多いことです。
フローリングの表面に貼る化粧板によって、複合フローリングの印象は大きく変わります。
・樹脂、オレフィンなどの化粧シート:防水性、防汚性が高く、キズにも強い。
・0.2~1mm程度の化粧板:薄く削った木の板(シート)を張ることで、無垢と見分けがつかない場合も。
・2mm程度の挽(ひ)き板:天然木を鋸(のこ)で削りだした板を張り付ける。無垢のような質感を楽しめる。
挽き板を使用した複合フローリングは、無垢のような質感を楽しみつつ、複合フローリングの機能性(伸縮が少ないなど)もあります。
ただし挽き板タイプのフローリングは、その分コストも高くなるのでご注意くださいませ。
「質感」・「味わい」では、無垢には勝てない。
複合フローリングのデメリットは、やはり「質感では無垢に勝てない」ことでしょう。
挽き板タイプの複合フローリングで無垢のような質感は楽しめるものの、やはり本物の無垢には及びません。
・水が染み込んだあと
・ヤスリでこすって補修したあと
・伸縮ですき間、割れができたあと
・直射日光で日焼けしたあと
これは無垢のデメリットではなく、無垢だけの味わい深さなのですよ。
経年劣化による美しさは、残念ながら無垢には勝てません。
無垢・複合フローリングどっちにする?おすすめの選び方!
フローリングの種類を選ぶときは、メリットではなくデメリットに着目して選ぶことをおすすめします。
なぜなら長年使い続けると、メリットよりもデメリットの方が強く影響を受けるからです。
無垢の美しさに惚れたと言えど、メンテナンスを負担に感じるようでは、無垢の生活は楽しめません。
そこで無垢フローリング・複合フローリングの失敗しない選び方をご紹介させて頂きます。
毎日のメンテナンスの負担を減らしたいなら、複合フローリング。
「無垢の質感には憧れるけど、現実問題としてメンテナンスに時間をかけられる余裕はなさそうだ・・・。」
と思った方は、迷わず複合フローリングを選びましょう。
なぜなら無垢のメンテナンスを負担に感じて不満を抱えては、本末転倒だからです。
・・・高かったのにな・・・
無垢フローリングは安くありません。といいますか、率直にいって高いです。
高いお金を払って無垢を選び、メンテナンスを負担だと感じてしまうのはとてももったいないと思いませんか?
家は買ってからが長いですよ。
もし少しでも「メンテナンスがめんどうだな・・・」と感じるようであれば、複合フローリングを選ぶのをおすすめします。
また複合フローリングでも、挽き板タイプであれば、無垢のような質感を楽しめます。
無垢のような質感であれば、複合フローリングでも楽しめます。「無垢のような・・・」、ですが。
メンテナンスそのものを楽しめる方は、無垢材がおすすめ。
無垢材への愛が深く、メンテナンスそのものを楽しめる方は、ぜひとも無垢をおすすめいたします。
無垢は「メンテナンスが大変」とは言いましても、それだけ手間暇かかれば愛着もひとしおです。
キズや汚れ、補修したあとも、すべてはマイホームですごした貴重な思い出ですから。
あれ・・・目から水が止まりませんぞ・・・?
マイホームを買う意味、それは人それぞれですが、
・便利だから
・快適だから
・簡単だから
という理由だけではないですよね。
不便(手がかかる)であっても、それ自体が目的であり、マイホームを買っただいご味でもあります。
もちろん無垢はお高いので、その分しっかり稼がないといけないのですが、その条件をクリアしたならば、ぜひ無垢フローリングを楽しみたいところです。
▽家を買うのは、損得だけではないですよね。マイホームを買うのが楽しいから、買うのです。
まとめ:メンテナンスそのものを楽しめるなら無垢もおすすめ!
注文住宅の家作り、だれしも一度は無垢フローリングに憧れますよね!
ですが憧れだけで無垢を選ぶのは、少しリスキーでございます。
無垢・複合フローリングのそれぞれのメリット・デメリットを比較検討して選ぶのが大切です。
【無垢フローリングの特徴・メリット・デメリット】
・天然木の質感、香り、肌さわりがいい!
・キズ、汚れに強い!ヤスリがけで補修できる。
・経年劣化で味わい深くなる。
・乾燥で変形(反り・割れ)することがある。
・定期的なオイル塗装が必要。
【複合フローリングの特徴・メリット・デメリット】
・低価格で扱いやすく、品質にバラつきが少ない。
・耐水性、防汚性など機能性が高く、メンテナンスが簡単。
・乾燥による伸縮が少ないから、床暖房に使える。
・選べる種類が多く、無垢のような質感が楽しめる。
・「質感」「味わい」では無垢には勝てない。
さて、あなたは無垢フローリングにしますか?それとも複合フローリングにしますか?
どちらが「正解!」、ということはありませんが、自分が求める床の条件に合った床材を選びたいですね!
ぜひ素敵な家作りを。それでは、また!
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家作りは情報収集が肝心です。
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▽無垢は高いし、メンテンナンスも必要ですが、無垢ならではの味わいがあります。
これはマイホームを買うことにも通じるものがあります。
▽選べる床材は、フローリングだけではありません。
▽まだ検討してないハウスメーカーはありませんか?カタログの取り寄せは、一括請求が便利です。
▽住宅購入の悩みに役立つ記事をまとめました。ぜひチェックしてください。
無垢フローリングはメリットだけでなく、デメリットもございます。イメージだけで選んでしまうと、のちに後悔してしまいますよ。