こんにちは。
「ローコスト住宅は手抜き住宅だ・・・」
「ローコスト住宅は欠陥住宅だ・・・」
「ローコスト住宅は・・・」
ローコスト住宅と聞くと、反射的に連想してしまうネガティブワードの数々。
たしかにローコスト住宅は徹底したコストカットにより、大手ハウスメーカーの坪単価の半分程度で家を建てることも可能です。
しかしだからといって、この悪いイメージはあんまりだと思いませんか?
では実際のところ、ローコスト住宅ってどうなのでしょうか?本当に悪いイメージのとおりなのでしょうか?
この記事では、
・ローコスト住宅にありがちな悪い評判。
・ローコスト住宅の実態。
・ローコスト住宅を購入するときの注意。
について解説させて頂きます。
「ローコスト住宅=悪い」と決めつけてしまうと、大切な選択肢を失ってしまいますよ。
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ローコスト住宅にありがちな悪い評判。
なにかと存在すら否定されがちな、ローコスト住宅。
ローコスト住宅にまつわる悪い評判は、次のようなものではないですか?
手抜き工事で欠陥住宅である。
ローコスト住宅でよく聞く悪い評判は、「手抜き工事で欠陥住宅である」ではないですか?
ローコスト住宅は安物なので、工事の質も低い・雑な仕事である。だからローコスト住宅は手抜き工事の欠陥住宅であると、悪い評判がささやかれてしまいます。
ここではあえて真意に触れませんが、「ローコストは安物だから、工事の質も低い」と言われたら、それっぽい気がして反論できませんよね。
だって私たちの身近な生活には、「安かろう、悪かろう」というものが溢れているじゃないですか。
安いものは品質が悪いこと。仕上げが雑だったり、すぐに壊れてしまうこと。それを否定的に言う言葉。
・格安で買った中古車は、見た目はピカピカに仕上げてあっても、パーツは劣化していてすぐに壊れる。
・ノーブランドの安いTシャツは、1回洗ったら色落ちしがち。高い服に色が移って憤慨しがち。
・安い子供のおもちゃを買ってあげたら、10分で破壊された。
これはみなさん経験あるのではないでしょうか?
・・・私ですか?もちろん、ございますよ。
しかし身をもって「安かろう、悪かろう」を経験しているからこそ、ローコスト住宅で「安かろう」なプライシングを見ると、反射的に「悪かろう」と連想してしまうのです。
質の悪い素材を使っている。
ローコスト住宅で言われる悪い評判は、「質の悪い素材を使っている」、ということです。
大手ハウスメーカーの半分程度の坪単価で家が建ってしまうので、「いや、そんな値段で家が建つわけがない。どこかずる(質の悪い素材)してるだろ!?」と思ってしまうのは仕方ありません。
ローコスト住宅の質の悪い素材の悪い評判として、
・ローコスト住宅は、廃材を使って安くしているにちがいない。
・ローコスト住宅は、基準を満たしていない素材を使っているにちがいない。
・ローコスト住宅の素材は、5年・10年でダメになるらしい。
などがあります。
安いからには理由があるはずです。無駄な経費を削減しているのも1つでしょう。
しかし「質の悪い素材を使ってるからだろ!?」と言われてしまうと、自信をもって反論できないうしろめたさがあります。
買ってからメンテナンスにお金がかかる。
ローコスト住宅の悪い評判に、「買ってからメンテナンスにお金がかかる」、があります。
「ローコスト住宅に使われている素材は質が悪いので、家を買ってからメンテナンスにお金がかかるよ」、という意味ですね。
家のメンテナンスは、ハイスペック高級住宅もローコスト住宅も必要です。しかしちがうのが、メンテナンスの周期と費用です。
ハイスペック高級住宅:メンテンナンス周期が長い(20年・30年周期)・費用は安い。
ローコスト住宅:メンテナンス周期が短い(5年・10年周期)費用は高い。
またメンテナンス以外にも、ローコスト住宅に使われているのは安物なのですぐに壊れる。だから修理・交換費用もかかりますよー、という悪い評判もございます。
「安物はすぐに壊れる」と言われると、妙に納得してしまいます。
ローコストハウスメーカーの悪いうわさは本当なの?注意点は?
このようにローコスト住宅の悪い評判をあげてみると、さもそれが真実のようにも聞こえます。
ですが、ことローコスト住宅に関していえば、「安物=質が悪い」とは言い切れません。
なぜなら次の3つの理由があるからです。
・手抜き工事は、施主の努力で防ぐもの。ハウスメーカー任せでは、大手でもありえる問題。
・質の悪い素材ではなく、高級な素材ではないだけ。
・買ってからのメンテナンス費用は、トータルコストで比較するとまだまだ安い。
ではそれぞれ詳しく解説させて頂きましょう。
手抜き工事は、施主の努力で防ぐもの。ハウスメーカー任せでは、大手でもありえる問題。
まずは「ローコスト住宅だから、手抜き工事で欠陥住宅である」という悪い評判について。
これはいってしまうと、ローコスト住宅だけの問題ではありません。大手ハウスメーカーや工務店でも、同様にして起こる問題です。
なぜなら手抜き工事が起きてしまうのは、「施主を軽視している、業界の悪い習慣」が原因だからです。
・これぐらい手を抜いても大丈夫だよな。
・言わなければ分からないよな。
・見えないところだから、大丈夫だよな。
・こっちは忙しいんだから、これぐらいの仕事でいいの!
すべての作業者の意識が低いわけではありません。しかし残念ながら一定割合で、意識が低く、施主を軽視している作業者・現場監督、そしてハウスメーカーの担当者がいるのも事実です。
大手ハウスメーカーでも手抜き工事・欠陥住宅は安心できませんし、そもそも「安心してはいけない」のです。
ですので大切なのは、ハウスメーカーにお任せするのではなく、施主自ら現場に顔を出すことです。
・現場のチェック。
・作業者のモチベーションアップ。
施主自ら欠陥住宅を防ぐことが必要です。
▽手抜き工事・欠陥住宅の防ぎ方は、こちらで解説しています。
人件費をカットしているローコストハウスメーカーは注意が必要。
ローコスト住宅は、あらゆるコストをカットしています。
しかしカットしていいコストと、カットしてはいけないコストがあります。
カットしていいコスト | 中間マージン・仕入れコスト・広告費・事務所経費など |
カットしてはいけないコスト | 人件費・作業者への賃金 |
カットしていいコストを積極的に減らしているローコストハウスメーカーでは、「お値段以上の家」ができるでしょう。
しかしカットしてはいけないコストをカットしてしまうと、
欠陥住宅ができる確率が高くなるでしょう。
人件費だけはカットしてはいけません。
・現場作業者への賃金が低い。 → やる気が出ない。モチベーションが上がらない。
・現場作業者に多くの現場を与える。 → 納期に追われ、雑な仕事になる。
・1人の現場監督に多すぎる現場を担当させる → チェックが行き届かない。
欠陥住宅が生まれやすい環境となってしまいます。
一口にローコスト住宅といっても、ハウスメーカーによって、どこでどんなコストを削っているのか、まるでちがいます。
ですのでコストカットに走るあまり、人件費に手を出しているハウスメーカーは、欠陥住宅ができやすい環境なのでおすすめできません。
▽ローコストハウスメーカーも安いだけでなく、特徴があります。もちろん、なんのコストを削っているかもちがいますよ。
質の悪い素材は使ってない。ただし高級な素材・最新設備でもない。
ローコスト住宅は、質の悪い素材を使っている悪い評判について。
これについては完全に誤解でございます。質の悪い素材は使っていません。B級品とか、廃材とか、ましてや新品じゃなくて中古品・・・というのはありません。
ただし大手ハウスメーカーの高級住宅に使われているような、
・高級素材:無垢材、漆喰、珪藻土、ガルバリム鋼板など。
・最新設備:エコ製品、空調製品、断熱性の高い窓、サッシ、キッチン設備など。
だれもが憧れるような高級素材を使っているわけでもありません。
ハイスペック住宅で使われているのが「いい素材」なだけであって、ローコスト住宅に使われているのが「悪い素材」ではないのです。
たとえばローコスト住宅でよく使われる「複合フローリング」。無垢よりも「安い素材」ですが、「悪い素材」ではございませんよ。
・メンテナンスも手軽で費用も安い。
・耐久力があり、丈夫で長持ち。
・張り替えコストも安い。
どうですか?どこからどう見ても、「いい素材」ではないですか?
ただちがうのは、無垢のような木のぬくもりを感じる質感がないのです。経年劣化で美しさがきわだつこともありません。
▽ローコスト住宅では、床暖房や吹き抜けにすると別料金がかかる場合が多いです。
ただし素材によっては、メンテナンス周期が短いものもある。
さきほどのフローリングは、「安くても、メンテナンスが安くて簡単」というたとえでした。
しかしローコスト住宅には、メンテナンス周期が短く、費用も割高になるのもあります。
代表的なのが、屋根材と外壁です。
・サイディング外壁:10年に1度の塗り替え。(50万円~)
・コロニアル、アスファルトシングル屋根:10年に1度の塗り替え(50万円~)
10年に1度、外壁・屋根あわせて100万円~の費用がかかってしまいます。
しかし素材によっては、メンテナンス周期がとても長く、費用がかからないものもあります。
メンテナンス周期 | |
ガルバリウム鋼板の屋根 | 15~20年 |
樹脂系サイディングボード | 10~20年 |
ACLボード | 10~15年 |
コンクリート壁 | 15~20年 |
タイル外壁 | メンテナンスフリー |
これらの素材は価格も割高ではありますが、耐久力がありメンテナンス周期が長いので、買ってからの費用は抑えられます。
買ってからお金がかかるのは、トータルコストで比較するとまだまだ安い。
「ローコスト住宅は安い家だから、買ってからお金がかかってしまう」という悪い評判について。
たしかにローコスト住宅では屋根・外壁で10年スパンで塗り替え費用が発生してしまいます。(2つあわせて100万円~)
ですがちょっと考えて頂きたいのですが、それでもトータルコストで考えたら、まだまだローコスト住宅って安くないですか?
例えば、
・坪単価45万円で30坪のローコスト住宅の建築費=1,350万円
・坪単価70万円で30坪の大手ハウスメーカーの建築費=2,100万円
差額:750万円
外壁・屋根に10年で100万円、30年で300万円のメンテナンス費用がかかります。
メンテに240万円かかってますが、それでも建築費の750万円の差額は埋まりません。
安い・高いの次元の話だけなら、ローコスト住宅の方がメンテナンス費用を含めても安いといえるでしょう。
これは「高級車を維持するのにも、お金がかかる」という理論と同じでございます。
ローコスト住宅は買ってからお金がかかるとはいっても、トータルコストでは依然としてローコスト住宅の方が安くなります。
その意味では、「ローコスト=買ってからお金がかかる」は半分は正解ですが、半分は間違いではないのかと。
まとめ:ローコスト住宅の悪い評判に流されないで。
「どうせ安物なんだから、質が悪いのだろう・・・」
ローコスト住宅はその安さゆえに、反射的にネガティブワードを連想してしまいます。
ですが悪い評判だけでローコスト住宅のすべてを決めつけてしまうのはもったいないですよ。
・「ローコスト住宅=手抜き住宅」とは限らない。
・質が悪い素材を使っているのではなく、高級な素材・最新設備が使われていないだけ。
・買ってからお金がかかることが多いが、トータルコストで比較すると、それでもまだ安い。
「ローコスト=質の悪い家」というより、「コストをカットし、必要以上の設備を入れていない家」といった方が的確でしょう。
「ローコスト住宅」とひとくくりにするのではなく、それぞれのハウスメーカーを1つ1つチェックすることが大切ですよ。
素敵な家作りを。それでは、また!
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▽大手ハウスメーカーを比較すると、ローコスト住宅のことがよくわかります。
▽ローコストハウスメーカーのメリット・デメリットは、こちらで解説しました。
本当は気になっているのに・・・。