「ハウスメーカーと契約すると、そこは別世界だった・・・」
どうもこんちには、でございます。
冒頭のキャッチフレーズのとおり、家作りは「契約」が1つの山場です。
契約前と契約後では風景がまるで変ってしまい、支払った手付金(100~200万円)も戻ってきません。
1度契約書にハンコを押してしまうと、引き返せません。泣きながら進むしかないのです。
だからこそ、大切になるのが家作りの契約するまでの流れです。
・契約前にやるべきこと。
・契約前に確認すべきこと。
・契約前に比較すべきこと。
これらをクリアにすることで、後悔のない家作りが実現できます。
そこでこの記事では、注文住宅の家作りで契約するまでの流れについて解説させて頂きます。
家作りは最初が肝心でございます。どうぞ契約前の流れは、頭の中に叩き込んでおきましょう。
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注文住宅の家作り 契約までの流れ【ハウスメーカー・工務店編】
注文住宅の家作りの依頼先は、2つあります。
1・ハウスメーカー、工務店に依頼する。
2・建築士に依頼する。
どちらに依頼するかで契約するまでの流れが変わりますので、注意が必要です。
まずはハウスメーカー、工務店に依頼したときの契約までの流れを解説させて頂きましょう。
▽注文住宅の全体のおおまかな流れについて、こちらをご参照ください。
1・住宅展示場の見学、完成見学会の参加。
ハウスメーカー・工務店とのはじめての出会いは、住宅展示場のモデルハウス、もしくは完成見学会でございます。
リッチでラグジュアリーなモデルハウスを見学し、コーヒーを飲んでいるうちに営業マンから質問が飛んできます。
「どちらにお勤めですか?」
「何年お勤めですか?」
「奥様は働いてますか?(ちょいゲス発言)」
「年収はおいくらですか?(かなりゲス発言)」
なかにはゲスな質問も飛んできますが、これらはすべて家作りの予算をヒアリングするためです。
営業マンは(ゲスな)質問をすることで、あなたのふところ事情を察します。
・・・はて、年収300万と答えたら営業マンの態度が変わった気がしますが、気のせいでしょうか・・・?
あなたの収入、お財布事情によって、営業マンから提案される内容が変わってきます。
イエス、家作りの戦いは、すでにはじまっているのです。
2・土地探し、間取り・見積りの打ち合わせ。
「このハウスメーカー、いいかもな」
と思ったら、より深い話をしていきます。
土地をもっていないのでしたら、この段階でハウスメーカーと一緒に土地を探します。
ハウスメーカーの対応範囲は広く、あなたの土地探しのパートナーにもなってくれます。
▽ハウスメーカー経由で土地を探すメリット・デメリットは、こちらをご参照ください。
土地を探すと同時に、ハウスメーカーとは間取り・設備などの打ち合わせをはじめます。
おおまかな坪単価が提示されることはあるでしょうが、具体的な金額はまだまだ先の話でございます。
仮契約では申込金の支払いがあります。払った申込金は本契約にならなかった場合、戻ってきません。
「本当に今、このタイミングで払うべきなのか?」、冷静に考えて対応しましょう。
3・敷地調査、地盤調査。
希望の土地が見つかったら、敷地調査・地盤調査を行います。
ポイントとしては、敷地調査・地盤調査は、必ず契約前にやっておく、ということです。
なぜなら契約してからの地盤調査で軟弱地盤が判明しても、引くに引けないからですよ。
そこが軟弱地盤だったら、基礎を補強しなくてはいけません。地盤によって、補強工事は100~200万円かかる場合があります。
契約してしまうと軟弱地盤でも、購入しなくてはいけません。はっきり言って、そんな買い物イヤでございます。
ですので、必ず敷地調査・地盤調査は契約前にすませておきましょう。
しかし契約前に地盤調査をイヤがる売主も多いです。
「地盤調査の結果が軟弱地盤だったら、土地が売れなくなる!」
というのが、イヤがる人の主張です。まぁ気持ちは分からなくもないですが。しかし買う側からすれば、それで人生決まってしまいますからね。
売る側にとっては「売ったら終わり」。買う側にとっては「買ってからスタート。しかも一生残る」でございます。
売主にイヤな顔をされても、契約前の地盤調査は打診すべきでしょう。
▽地盤調査については、こちらでも解説しています。
4・プラン作成、資金計画、概算見積り。
土地の候補が決まると、いよいよ具体的なプランの作成に入ります。
土地の広さ・形・地盤に応じた間取りが作られ、おおまかな見積りも提示されます。
この時点では概算見積りであり、この金額が実際に請求される訳ではありません。
・・・しかしご注意くださいませ。
まだ概算見積りではありますが、この次のステップは「仮契約」でございます。
仮契約を解約すると違約金が発生するケースがあるので、慎重な判断が必要ですよ。
とても分かりづらいフラグなのですが、実はここが1つ目のターニングポイントなのです。
ハウスメーカー・工務店から提示されるのは概算見積書ですが、多くのハウスメーカー・工務店では、この段階で(仮)契約を求めます。
仮の契約といえど、解約するときに違約金が発生するケースもあるので注意が必要です。
そのため概算見積書を提示されたら、
・どこに、なにが、いくら使われているのか?
・他社と比べて、どうなのか?
・希望の間取りと比べて、どうなのか?
・追加工事は必要ないのか?
など、細かくチェックすべきです。
仮契約を結ぶ前の段階で、できる限り理想の家に近づけておくことが大切です。
▽注文住宅の予算はめちゃんこ大切です!
5・ハウスメーカー、工務店の決定(仮契約・申込金の支払い)
ハウスメーカー・工務店と仮契約を結ぶタイミングは、2つあります。
1・間取り、見積り内容に納得したとき。
2・間取り、見積り作成を依頼したら、「それ以上は仮契約を結んでからで・・・」と言われたとき。
「1」のケースは納得している分、リスクは少ないです。
しかし注意すべきは「2」のケースです。
営業マンに誘導されるような形で仮契約を結んでしまうと、仮契約の内容を知らずにハンコを押してしまう危険があるからです。
いや、よくみたら「請負契約書(本契約)」ではありませんか・・・。
ご注意頂きたいのは、法的に「仮の契約」というものはないことです。
「仮の契約」という名前でも、それは立派な契約書であり、しっかりと中身を確認することが大切です。
一般的に仮契約の内容としては、
・申込金○○万円を払う。
・キャンセルしたら、申込金は返金しない。
・打ち合わせ、地盤調査は実費とする。
などが盛り込まれているものが多いです。
大きな声で条文を読み上げながら、一字一句チェックしましょう。
▽注文住宅の契約書の注意点は、こちらです。
6・詳細な打合せを繰り返す。
仮契約を結ぶと申込金を人質に取られてしまうので、半分逃げられなくなります。
ハウスメーカー・工務店では、営業マンから設計担当にバトンタッチし、詳細な打ち合わせを繰り返していきます。
このとき概算見積りからの変更が多いと、追加工事・オプションとして、予算は突き上がるように増えていきます。
当初ローコストですすめてましたが、もはやハイコスト住宅になってしまいました、トホホ・・・
仮契約前の詰めが甘いと、追加工事祭りとなり、住宅予算は炎上してしまいます。
また詳細な打ち合わせでは決めることが多く、「こんな細かい事、お任せでいいよ」と思うかもしれません。
ですがご注意くださいませ。
この打ち合わせで細部まで納得して決めておかないと、工事がはじまってから、さらに追加工事・仕様変更をすることになり、費用が膨れてしまいます。
じっくり検討しながら、1つ1つ確認して決めていきましょう。
7・実施設計、詳細見積り作成
詳細な打ち合わせを繰り返し、実施設計(実際に家を建てる設計)、詳細の見積書を作ってもらいます。
ここで作ってもらった設計・見積りが、そのままマイホームの形となります。
ちょっとでも「おかしい」「これじゃない」と思うことがあれば、遠慮なく言っておくべきです。
これ以降に「やっぱりこっちで・・・」というと、追加工事、もしくは仕様変更で費用が発生してしまいます。
8・工事請負契約書をむすぶ。(手付金の支払い)
実施設計・詳細な見積書に納得したら、工事請負契約書を結びます。俗にいう、「契約書」「本契約」というものですね。
契約を結ぶとき、手付金を払います。(100~200万円)
手付金は申込金とは違い、自己都合でキャンセルすると戻ってきません。
200万円の人質を取られてしまったので、あとはなすがままでございます・・・。
契約書を結ぶと、もう逃げられません。いえ、逃げても構いませんが、人質に取られた手付金を諦めなくてはいけません。
契約を結ぶと、あなたとハウスメーカー・工務店の立場は逆転します。
契約前は親切だったのに、契約したら営業マンの態度が豹変した・・・というモンスターみたいな営業マンもいますので、少しでも疑問が残るようであれば、必ず契約前に解決しましょう。
注文住宅の家作り 契約までの流れ【建築士編】
建築士に注文住宅を依頼する場合、家作りの契約までの流れはちょっと違います。
建築士に依頼する場合は、
建築士:設計監理業務請負契約
工務店:工事請負契約
2つの契約を結ぶことになります。
建築士が担当するのは設計、工事の監理であり、それとはべつに工務店との工事請負契約が必要です。
またハウスメーカー・工務店に依頼するときよりも、早い段階で契約、申込金(着手金)が発生し、支払い回数も多いので、覚悟を決めといた方がいいですよ。
1・建築士に相談。
建築士に家作りを依頼するときは、まずは設計事務所で相談からはじまります。
建築士によって、
・家作りの考え方
・「快適な住まいとは何か?」に対する答え
・得意なデザイン。
・どんな家を作ってきたか?(実績)
が違います。
「具体的なプランを話し合う」というより、建築士との相性を確認する意味が強いです。
2・設計の申し込み(申込金の支払い)
建築士に設計の依頼をするとき、申込金が必要になります。
ハウスメーカー・工務店ではおおまかな間取り、見積りは無料でしたが、建築士ではこの段階から費用が発生します。
支払った着手金は返金されない場合が多く、設計の申し込みは慎重にしたいところです。
住宅業界は奥が深く、闇も深いです。
どうぞ大切なお金は安易に払わないよう、お気をつけください。
3・打合せ、要望ヒアリング
間取り、仕様を決めるための打ち合わせ、ヒアリングが行われます。
建築士での家作りは完全な自由設計ですすめられます。打合せの時間をたくさんとって、理想の家を形にしていきましょう。
4・基本プラン(概算見積り)の作成。
打合せの結果、基本プラン(概算見積り)を作成します。
基本プランとは、この段階で設計内容が予算内に納まるかをみることです。
詳細な見積りとは違うので、ある程度予算に余裕をもっておくことが大切です。
予算には十分余裕をもっておきたいですな。
5・設計監理 業務委託 契約書 をむすぶ。(着手金の支払い)
基本プランに納得したら、「設計監理 業務委託 契約」を結びます。
「設計管理 業務委託 契約」(漢字が多くでごめんなさい)とは、建築士と「設計」と「工事の監理」の両方の契約を結ぶことです。
建築士は別途契約した工務店がすすめる家作りの進捗を監理し、設計とおりの家が完成するようにスケジューリングしてくれます。
建築士と設計監理業務委託契約書をむすぶとき、重要事項説明を受けます。
重要事項説明の内容は、どれも大切なことばかりです。
・設計業務の範囲
・監理の方法
・業務に関わる建築士
・支払いの時期
・解約の方法
すべてにおいて納得してから、契約して下さいませ。
このとき、着手金の支払いを求められます。(設計費用の1/3程度)
6・基本設計、概算見積り作成。
建築士と契約を結ぶと、基本設計に入ります。
基本設計とは、敷地・立地条件にあわせて建築基準法などの関係法令にそって、平面・立面・仕様書などの設計図を作ることです。
あわせてCGや模型を製作し、よりマイホームがイメージできるよう配慮してくれる建築士もいます。
あなたの希望も基本設計に盛り込んでいきますので、希望条件はどんどん伝えましょう。
このとき建築士に伝えやすいように、あらかじめ希望条件をリストアップしておくとスムーズです。
また基本設計ができると、だいたいの金額も決まってきます。(概算見積り)
概算見積りと予算を照らしあわせて、実現可能なマイホームに向けて、さらなるブラッシュアップをしていきます。
7・実施設計、工務店への見積り依頼。(中間金の支払い)
基本設計に納得すると、実施設計の作成に入ります。
実施設計とは、施工するために必要な図面のことです。基本設計のほかに、
・各部の詳細図
・展開図
・建具表
・仕様書
・構図
などの図面が作られます。実施設計は施工のほか、建築確認申請にも使われます。
実施設計を作成する前に、中間金を求められるケースもあります。(設計費用の1/3程度)
また実施設計を作成すると同時に、各工務店に見積り依頼をします。
8・工務店の比較→決定→工事請負契約書を結ぶ。(手付金の支払い)
それぞれの工務店から工事代金の見積り回答がでそろったら、工務店を比較・検討して決定します。
選んだ工務店とは工事請負契約書を結び、手付金の支払いがあります。
想像以上にお金のかかるものなのですな・・・がふ・・・。
建築士に依頼するときは、契約するまでに支払いが多いので、時間とお金にゆとりをもっておくことが大切です。
まとめ:家作りは、契約するまでに8割決まる。
注文住宅の家作りは、契約するまでに8割決まります。
契約するまでに、「どんな家を?」・「いくらで?」・「どうやって建てるのか?」決めておくと、いざ着工してからのトラブルを回避できます。
注文住宅の家作りの契約までの流れは、それぞれ次のようになります。
【ハウスメーカー・工務店に依頼する場合】
1・住宅展示場の見学、完成見学会の参加
2・土地探し、間取り、見積りの打ち合わせ
3・敷地調査、地盤調査
4・プラン作成、資金計画、概算見積り
5・ハウスメーカー、工務店の決定(仮契約・申込金の支払い)
6・詳細な打合せを繰り返す。
7・実施設計、詳細の見積り作成。
8・工事請負契約をむすぶ(手付金の支払い)
【建築士に依頼する場合】
1・建築士に相談。
2・設計の申し込み(申込金の支払い)
3・打合せ、要望のヒアリング
4・基本プランの作成
5・設計監理業務委託契約を結ぶ(着手金の支払い)
6・基本設計、概算見積りの作成
7・実施設計、工務店への見積り依頼(中間金の支払い)
8・工務店の比較、検討→決定→工事請負契約をむすぶ(手付金の支払い)
建築士に家作りを依頼する場合、ハウスメーカーや工務店よりも手続きと支払いが多くなります。ご注意くださいませ。
契約書にハンコを押してしまうと、簡単に戻れなくなってしまいます。
契約時に支払う手付金とは、つまりは人質ですから。
安易な契約・支払いだけは、絶対にしないようご注意くださいませ。
ぜひ素敵な家作りを。それでは、また!
▽注文住宅の家作りの全体の流れは、こちらの記事にまとめました。
▽契約に踏み切る前に、多くのハウスメーカーを検討することが大切です。
▽多くのハウスメーカーを検討するには、カタログの一括請求がおすすめですよ。
▽住宅購入でまずやるべきことをまとめました。
▽家作りの悩みは1人で抱えず、アドバイザーに相談(無料)すると楽になりますよ。
やっぱり辞めておけばよかったな・・・ぐすん・・・