こんにちは。
中古マンションを選ぶのは、新築マンションよりも大変です。
なぜなら新築マンションは一定の品質が保たれていますが、中古マンションは物件によって品質・価格がバラバラだからです。
・築浅で新築と変わらない価格の中古マンション
・築年数が古く、現金でも買えそうな格安中古マンション
一口に「中古マンション」と言っても、幅がありすぎて、比較するのが難しいのです。
ですので、中古マンションを選ぶときは、「共通して比較できる基準」をもつことがポイントです。
そこでこの記事では、
・後悔しない中古マンションの選び方
・狙い目の築年数の中古マンション
について、解説させて頂きます。
この記事は中古マンションの戦闘力をはかる、スカウターのようなものです。
どうぞ最後までお付き合いくださいませ。
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この記事の概要
大前提:中古マンションは、価格相応であること。
中古マンションを選ぶときに、もっとも大切なことがあります。
それは「中古マンションは、価格相応である」、ということです。
高い中古マンションは、それなりに高い理由があるから高いのであり、安い中古マンションは、安くしないと売れない理由があるから安いのです。
・コンクリートに亀裂がある。
・旧耐震基準である。(築年数も古い)
・配管がサビている。
・アクセスがよくない。
・管理がなっていなく、メンテナンスが行き届いていない。
格安の中古マンションは、表示価格だけ見ればお得に感じますが、マンションの中身をチェックすると「価格相応」になっています。
中古マンションの価格は新築以上にピンキリで、どれを選べばいいのか分からなくなってしまいます。
ですが価格は正直であり、安ければ安いなりの、高ければ高い理由があるのです。
後悔しない中古マンションの選び方
価格・品質に幅のある中古マンションを選ぶときは、「共通して比較できる基準」があると便利です。
中古マンション選びで後悔しないために、次のポイントをチェックしてくださいませ。
1983年以降の「新耐震基準」のマンションがおすすめ。
中古マンションは築年数によって品質が変わります。
とくに大きく変わるのは、中古マンションが建設された時期による耐震基準です。
・旧耐震基準:1950年に制定された、耐震基準(震度5強程度の揺れでも倒壊しない。)
・新耐震基準:1981年に制定された、耐震基準(震度6強から7に達する大規模地震で、倒壊・崩壊しない。)
旧耐震基準は震度6の地震が来ると倒壊のおそれがありますが、新耐震基準では震度6の地震でも倒壊しません。
この基準の差は、阪神淡路大震災のときに大きく現れました。
グラフ左側が旧耐震基準、グラフ右側が新耐震基準。
(出典:国土交通省 住宅・建築物の耐震化について)
2018年から築年数を逆算すると、
・築38年より古いマンション→旧耐震基準
・築37年より新しいマンション→新耐震基準
となります。
中古マンションを選ぶとき、わざわざ旧耐震基準を選ぶメリットはほぼありません。
どうしてもその立地がいい、ビンテージマンションが好き、などの一部の理由をのぞいては、新耐震基準の中古マンションを選ぶべきです。
地盤、液状化マップを確認する。
耐震基準と同様にマンションの耐震性に影響を与えるのが、地盤です。
新耐震基準で建てられた中古マンションも、最新の免震構造の新築マンションも、軟弱な地盤の上に建てられれば、耐震性は低くなります。
・液状化でマンションが傾く。
・支持杭が沈んでしまう。
・地盤が軟弱だと、揺れが増幅される。
中古マンションを選ぶとき、そのマンションがどんな地盤に建てられているかチェックしましょう。
各市町村から公表されている「液状化マップ」を見れば、どこがヤバい地域なのか、すぐに分かりますよ。
中古マンションは建物の中身、内部構造が大切
中古マンションは築年数によって、外装のオシャレ度が違います。
・築浅の中古マンション:新築マンションと変わらないラグジュアリー感。
・築年数の古い中古マンション:古びた県営住宅のような外観。
これほどの違いがあるのに「中古マンション」と一括りにしてしまうのも問題ですね。
ですので、中古マンションを選ぶとき、外観のオシャレ度をチェックしてもあまり意味がありません。それよりも、
・外壁コンクリートのヒビ割れ
・ヒビ割れに補修のあとがなく、放置されている。
・コンクリートから黒い水だれがある。(内部の鉄がサビている。)
・外壁タイルが波打っている。
などの、建物の中身をチェックしましょう。
築年数が古くなれば、オシャレ度が失われるのは当たり前です。
ですがしっかり建設され、管理されている中古マンションは、築年数が古くなっても劣化が緩やかです。
マンションの耐用年数は長く、47年とも言われています。(法定耐用年数)
つまり築20年で外装がイケてなくても、内部構造はまだまだ現役なのです。
中古マンションを選ぶときは、建物の外装ではなく、内部構造に注意して選ぶのがポイントです。
床と壁のコンクリートの厚みで、快適さが変わる。
中古マンションを選ぶときに大切になるのが、床と壁のコンクリートの厚みです。
床・壁のコンクリートが厚ければ、遮音性に優れ、その中古マンションでの生活は快適になります。
中古マンションを選ぶときの、床・壁のコンクリートの厚みの目安は、
・床のコンクリートの厚み(床スラブ):200ミリ以上
・壁のコンクリートの厚み:180ミリ以上
でございます。
築年数の古い中古マンションの中には、床・壁のコンクリートの厚みが薄く、遮音性が悪い物件もあります。
「格安で買ってお得!」と思っても、入居後の生活が快適でなければ意味がありません。
遮音性はコンクリートの厚みに左右されます。
中古マンションを選ぶときは、必ず床・壁のコンクリートの厚みをチェックしてくださいませ。
リフォーム済みはおすすめできない。
中古マンションの中にはリフォーム済み物件として、新築のように美しい内装で売られている物件もあります。
中古マンションの割安感と新築マンションのプレミア感をあわせ持つ「リフォーム済み物件」は、とても魅力的に見えます。
しかし率直に申し上げて、リフォーム済み物件はおすすめできません。なぜなら「モデルルームを買うことと同じ」だからです。
リフォーム済み物件をおすすめできない理由として、
・リフォーム分の、売主の利益が上乗せされている。
・必要ない設備まで買ってしまう。
・壁のクラックや配管の水漏れなど、不具合を見逃してしまう。
などがございます。
もちろん、キレイな内装の部屋にすぐ住めるのは大きなメリットではあります。
しかしやはり中古マンションの購入は、「購入時にリフォームする」が鉄板です。
自分の目で不具合を確認し、必要な設備を入れ替えるリフォームを自分でやるのが、もっとも後悔しない方法です。
共有部分のチェックで、マンションの管理状態を確認する。
中古マンションを選ぶとき、共有部分をしっかりチェックすることも大切です。
エントランス、エレベーター、廊下、ゴミステーション、駐輪場など、マンションの住民みんなで使う施設のこと。
マンションの共有部分をチェックすることで、どれだけマンションが大切に管理されているかが分かります。
・指定日以外にゴミが出されている。
・駐輪場に壊れた自転車が放置されている。
・エントランスが清掃されていなく、率直に言って汚い。
「マンションは管理を買え!」
との格言がある通り、管理が行き届いた中古マンションは寿命の長くなりますし、資産価値も落ちにくくなります。
逆に管理がずさんな中古マンションでは、寿命も短くなってしまいますし、売ろうとしたときに売れない負債になってしまいます。
中古マンションは築年数によって品質・価格にバラつきがありますが、「管理」という側面では等しく同じ条件です。
・新築マンション
・築浅マンション
・築年数の古いマンション
どれも管理する内容は、同じなのです。「どれだけ大切に管理しているか?」、ただそれだけの違いです。
マンションの管理状況は、共有部分をチェックすることで推測できます。
築年数に限らず中古マンションを比較できる項目ですので、ぜひ活用してみてくださいませ。
狙い目は築年数15年の中古マンション。
では中古マンションで、狙い目の築年数はあるのでしょうか?
人それぞれの価値観の数だけ狙い目も変わりますが、あえて申し上げるなら「築15年の中古マンション」をおすすめさせて頂きます。
なぜなら築15年以上になると、中古マンションの資産価値はほとんど下がらなくなるからですよ。
中古マンションの資産価値は、新築~築15年にかけて一気に半額まで下落します。
出展:新築より築15年が得?マンション資産価値の下落率(おうち閑話)
しかしその一方で、築15年目をすぎると、中古マンションの資産価値はほとんど変わりません。
マンションの耐用年数(47年)を考えると、築15年はまだまだ「若い」部類に入るでしょう。(ただし構造的には)
購入時にリフォームすれば、内装は新築のように仕上がります。
資産価値が下がらない中古マンションであれば、住み替えや売却するときに有利です。
住宅ローンだけが残る負債マンションではなく、本当の意味での資産となってくれますよ。
大規模改修の時期に注意する。
しかし築15年前後の中古マンションでは、注意して頂きたいことが1つございます。
それは「大規模改修の時期」です。
マンションの修繕の1つで、15年サイクルで実施する大掛かりな修繕。マンションの屋根防水、外壁、配管などを修繕する。
毎月支払う「修繕積立金」から費用を払うが、費用が不足するケースが多く、追加で費用がかかることになる。
大規模改修は15年サイクルで実施されることが多く、築15年前後の中古マンションではタイミングが重なってしまいます。
もしも大規模改修のタイミングと入居の時期が重なってしまうと、いきなり修繕費用をよぶんに払うことになってしまいます。
いや、先月入居したばかりなのですが・・・。
大規模改修の費用は、「タイミングが悪かった・・・」と、割り切れる金額ではありません。
築15年前後の中古マンションを狙うときは、大規模改修の時期に注意しましょう。
できることなら、「大規模改修済み」の物件がベストです。
まとめ:中古マンションは、中身で選ぶ。
中古マンションは新築のように品質、価格が一定ではありません。築年数によって、バラつきがあります。
ですので、中古マンション選びで後悔しないためには、「共通して比較できる基準」が必要になります。
そこでおすすめなのが、
・1983年以降の「新耐震基準」の中古マンション。
・地盤、液状化マップを確認する。
・コンクリートのヒビ割れなど、内部構造をチェックする。
・床と壁のコンクリートの厚み。
・リフォーム済み物件はおすすめできない。
・共有部分をチェックして、管理状況を確認する。
こちらのポイントを確認することです。
バラつきの激しい中古マンションの価値を、ひとしく比較することができます。
またあえて狙い目の築年数を申し上げるなら、「築15年」がおすすめです。
築15年以降は資産価値が落ちにくいので、本当の意味での資産価値となってくれますよ。
ぜひ素敵な住宅購入を。それでは、また。
▽狙い目のマンションを見つけたら、ぜひ値引き交渉にもチャレンジしましょう。
ふむ、この中古マンションの内部構造は新築同様なのでしょうな。