こんにちは。
マイホームを探していると、
・耐震構造
・免振構造
・制振構造
この3つの耐震性の言葉をよく聞きませんか?
ですが失礼を承知でお聞きしますが、あなたはこの言葉の意味をしっかりご理解していますでしょうか?
お言葉ですがマンション購入において、「なんとなく知っている」状態は、とても危険ですよ。
なぜなら購入してからイメージしていたものと違うと分かっても、もうすでに遅いからです。
勝手なイメージだけで、知ったかぶりをしてはいけないのです。
そこでこの記事では、
について解説させて頂きます。
いまさら聞けないお悩みは、この記事で全部解決しておきましょう。
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この記事の概要
耐震構造とは?
耐震性でもっとも多く聞く言葉は、「耐震構造」ではないでしょうか。
一軒家から高層マンションまで、多くの建物で「耐震構造」が採用されています。
ではお聞きしますが、耐震構造とは何でしょうか?
いまさら聞けないお恥ずかしい悩みはすべてここで解決しましょう。
筋交い、耐力壁で、地震の横揺れに「耐える」。
耐震構造とは、建物を頑丈に作り、強い地震が来ても耐えられるようにした構造のことです。
建物を頑丈に作るために、
・筋交い
・耐力壁(パネル)
などが使われます。
柱と柱をななめにつないでいる柱のこと。筋交いを入れると、横揺れに強くなる。
画像引用:wikipedia
このようにななめに1本の筋交いが通ることで、横揺れに強くなります。
また筋交いの柱を使う代わりに、耐力壁(パネル)を使って耐震性能をあげることもあります。
画像引用:木造住宅の耐力壁について
耐力壁を使うことで、地震の横揺れを「面」で支えることができます。
筋交いでは圧力のかかるポイントが集中してしまいますが、耐力壁では圧力のかかるポイントを分散することができます。
地面にいるときより揺れる。
耐力構造であれば、地震が来ても大丈夫です。建物は倒壊しません。ご安心くださいませ。
ですが耐震構造であっても、それまで同様に揺れます。
なぜなら耐震構造は、揺れを制御するためのものではなく、揺れに抵抗する(耐久する)ためのものだからです。
ですので、揺れます。地震が来たら、当然のようにガシャンガシャンと揺れます。
あぁっ!本棚にある私のコレクションが地震で倒壊していく・・・!!
耐震構造でも揺れに対してはまったくノータッチなので、大きな地震がきたときは家具の倒壊、破損などの危険があります。
大規模な地震で、ダメージが蓄積されることも。
「でも耐震構造だから、強い地震が来ても大丈夫。」
耐震構造ならばマンション倒壊のリスクは小さくなりますが、しかし注意が必要です。
なぜなら災害と呼ばれる巨大な地震がきたとき、マンションが倒壊はしなくても耐震構造にダメージを受けるからです。
・コンクリートがヒビ割れた。
・柱、梁、壁が損傷した。
耐震構造が地震に耐えられるのは、マンションの構造(コンクリートの柱や壁、梁)を頑丈にして、構造で地震を受け止めているからです。
ですので地震によるダメージは、建物の構造に蓄積されます。
その結果、何度も大きな地震を直撃してしまうと、マンションの構造が壊れてしまい、設計当時の性能が発揮できなくなってしまいます。
さらに耐震構造は、建物の主要構造で地震に耐える設計ですので、一度損傷すると補修するのが難しく、完全に元通りにできない難点もあります。
免震構造とは?
免震構造。これはマンションでよく聞く言葉です。
ですがたびたびご無礼ですが、免震と制振の違いはご存知ですか?
どちらも揺れを吸収するものですが、仕組みがまるで違うのですよ。
免震装置の上に建物が乗っているので、揺れが伝わらない。
免震構造は地震の揺れを免除してくれます。だから免震なのです。
免震構造が地震の揺れの影響を受けないのは、建物が地面に直接触れていないからでございます。
いや・・・それは・・・さすがに・・・ウソでしょ(真顔)
「地震の揺れの影響を受けないのは、地面と建物が接していないから。」
この表現はやや行き過ぎですが、的を得た表現でございます。
なぜなら免震構造では、免震装置(免震ゴム、ボールベアリングを使った免震土台)の上に、マンションが建てられているからです。
マンションは免震装置の上にあり、地面と直接触れていません。だから、地震の揺れの影響がちいさくなるのです。
免震装置の種類
免震構造で使われる免震装置は、次の種類があります。
・積層ゴム:柔らかいゴムと、硬い鋼板を交互に重ねた免震装置。ゴムの柔らかさによって水平にゆっくりと揺れる。
・すべり支承(ししょう):建物を支える柱が、表面処理された鋼板の上をすべることで、地震の揺れを建物に伝わらないようにする。
・転がり支承:建物を支える柱が、ボールベアリング(よく転がる玉)によって前後左右することで、地震の揺れを建物に伝えないようにする。
※支承とは:橋、陸橋などにおいて、上部(道路など)と下部(柱、支柱など)をつなぎ、支える土台のこと。
これらの免震装置を総称して、「アイソレータ(振動、騒音の絶縁装置)」といいます。
またアイソレータだけでは防ぎきれない揺れに対して、ダンパー(運動エネルギーを減らす装置)が使われます。
難しい用語ではありますが、つまりは「免震装置の上にマンションが立っているから、地震の影響が少なくなる」と覚えて頂ければと。
制振構造とは?
ここ最近聞く機会が増えたのが、制振構造です。
しつこいようですが、制振構造と免震構造は別物ですよ。
制振構造は免震構造のデメリットをカバーするように普及するようになりました。
建物の横揺れを、制振ダンパーで吸収する。
制振構造とは、建物の横揺れを制振ダンパーで吸収する建物構造です。
ダンパーとは、横揺れなどの動きのエネルギーを吸収、減少させる装置です。
画像引用:建築の耐震構造、制振構造、免震構造
突っ張り棒のような見た目ですが、このダンパーが建物が揺れたときに伸び縮みすることで揺れを減少します。
制振ダンパーが揺れを吸収してくれるので、地震がきたときにマンションが傷みません。
ダンパーは基本的には故障するものではありません。
万が一故障したとしてもダンパーを交換すれば、元の制振性を取り戻すことができます。
高層階の揺れを吸収する。
マンションは高層階ほどよく揺れます。
同じ規模の地震でも、マンションの1階は揺れが小さいですが、高層階になるほど揺れは大きくなります。
そこで活躍するのが制振ダンパーです。
制振ダンパーを取り付けることで、高層階の揺れを小さくすることができます。
また制振ダンパーは、強風時のマンションの横揺れを減らすこともできます。
巨大な建築物(スカイツリーなど)でも、風による制振目的で、制振ダンパーが取り付けられています。
余談ですが、
・耐「震」
・免「震」
・制「振」
と、制振だけ「振」になっているのは、地震の揺れだけを吸収する目的ではないからです。
風などで建物が揺れるのを防ぐのも、制振構造です。
揺れ全般を対象にしているので、制「振」構造なのでございます。
まとめ:それぞれの違いを押さえておこう!
耐震構造、免震構造、制振構造の違いをまとめますと、次のようになります。
耐震構造:建物の剛性を高める基本的な性能。地震がきたら、いつも通り揺れる。
免震構造:建物を直接地面に触れさせないので、地震の影響を小さくできる。一部のマンションで採用。
制振構造:地震に限らず、風の揺れをダンパーで吸収。
「耐震・免振・制振。」
漢字を見れば、なんとなくの意味は分かりますが、きちんとした意味は案外知らないものです。
似たような言葉ですが、地震に対する仕組みがまったく違いますので、一度整理して理解しておくことが必要でしょう。
耐震構造であれば、地震が来ても「基本的には」大丈夫です。
しかし度重なる巨大地震がくれば、建物にダメージが蓄積されます。また家具の倒壊のおそれもあります。
免震構造、制振構造は、揺れを減らし、吸収します。
「免震、制振だから大丈夫!」ということではありませんが、マンションを判断する1つの指標になります。
ぜひ素敵な住宅購入を。それでは、また!
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