ハウスメーカーとの仮契約で注意すべき7つのこと。「とりあえず仮契約」はダメ。

「仮契約とは、すなわち悪魔のささやきである」

byマイホームの案内人・

 

こんにちは。

冒頭より核心を突かせて頂きました。

住宅展示場でいい感じに打ち合わせしていると、ほぼ間違いなく営業マンから打診されます。

 

「とりあえず、仮契約だけでも結びませんか・・・?」

「仮契約だけでも結んでおくと、間取りの提案や、土地探しなどお力になれると思うのですが・・・?」

 

はっきり申し上げますが、これ、悪魔のささやきですからね。

安易に仮契約を結んでしまうと、せっかくの家作りで後悔が残ってしまいますよ。

 

この記事では仮契約で注意すべきことを解説させて頂きます。

・気になるハウスメーカーが何社が出てきた。

・運命のハウスメーカーに出会っちゃったかも・・・。

・仮契約の特典で提示された値引きに心が揺れている。

これらに1つでも当てはまる方は要注意。とりあえず仮契約なんてしちゃダメですよ。

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注文住宅の仮契約とは?別の名を「申込み」ともいう。

注文住宅では、仮契約を結ぶことが慣例です。別の名を「お申込み」といいます。

「仮契約」でも「お申込み」でも、中身は同じです。

本契約の前に一筆書かせてしまい、お客さんをガッチリ捕まえてしまうことには変わりません。

 

そもそも、なぜハウスメーカーは仮契約を求めるのか?

「仮契約だけでも・・・」

「とりあえず、仮、ですので・・・」

「まずは仮ということで・・・」

 

とか、カリカリ・カリカリして、うっとうしい限り。

ですが、なぜハウスメーカーは仮契約を結びたがるのでしょうか?

・・・イエス、それには理由がございます。

ハウスメーカーが仮契約を求める理由

・早い段階で顧客を囲いこみたい。

・購入の見込みのない顧客を、早い段階ではじきたい。

・間取り、見積り作成、土地探しに手間がかかるから。

仮契約を早い段階で結んでしまい、あなたが他社に行かないよう囲いこむのも狙いの1つです。

しかしそれだけではなく、購入の見込みのある顧客を絞り込み、質の高いサービスを届ける狙いもあります。

だってハウスメーカーの営業の仕事って、すごく大変そうじゃないですか?

・住宅展示場での接客。

・希望プランのヒアリング、打ち合わせ。

・間取り作成、見積もり作成。

・商談のクロージング。

・土地探し。

・現場監督との連絡、調整。

・銀行との連絡、調整。

ざっと数えただけでも、めまいがしそうな仕事量であります。

だから見込みのない顧客は、早い段階ではじいておきたいのですよ。購入の見込みのない人を丁寧に接客しても、時間のムダですからね。

 

顧客の本気度を試す1つが、「仮契約」でございます。

仮契約のハードルをもうけることで、本気度の高い顧客だけが残ります。

・真剣に土地を探してあげる。

・丁寧に間取りを提案する。

・詳細な見積りを何度も作る。

・理想の家を建てるため、何度も打ち合わせに応じる。

これらはすべて顧客を選んでいるから実現できること。

「欲しい」と思っている人に、丁寧なサービスを届けられる、まさにwin-winの関係でございます。仮契約もまんざら「悪」というわけでもないのです。

 

申込金を払うことが多い。

注文住宅で仮契約を結ぶとき、お金を払うことが多いです。

「契約金」・「手付金」・「申込金」・「間取り作成費」など、本気度を示すために払うお金の名前は、ハウスメーカーによって変わります。

支払う金額の目安は、5~10万円。ただしハウスメーカーによっては、仮契約で100万円求める会社もあります。(一条工務店

一条工務店の仮契約100万円は有名でございます。

住宅ローンも借りれないので、支払いはポケットマネーから。地味にキツイですな・・・。

「申込金が多い=それだけ顧客を選びたい」との気持ちの表れでもあります。

強気のハウスメーカーさんだって、「頼りがいがある」、とも言えますよね。

 

注文住宅でハウスメーカーと仮契約との注意点

仮契約はお互いにwin-winの関係になる儀式だとしても、注意すべきことが多いです。

注文住宅の仮契約で注意すべきこと

・そもそも、法律的に「仮」の契約はない。

・支払ったお金が戻ってくるか?

・仮契約すると、他社を比較する時間がなくなる。

・仮契約後、マイホームへの希望が変わる可能性。

・仮契約をすると、断りづらくなる。

・早い段階での特典(値引きなど)は、あまり意味がない。

・倒産すると、払ったお金が戻ってこない。

「とりあえず仮でも・・・」とかいうくせに、これだけ注意すべきことがございます。

仮だとあなどらないで、じっくり検討すべきですよ。

 

そもそも、法律的に「仮」の契約はない。

そもそも論ですが、法律的に「仮契約」・「仮の契約」という概念はありません

名前を書いてハンコを押した時点で、それは立派な「契約」ですから。仮契約の内容を全うする義務がございます。

ですので仮契約といえど、条文をしっかり読んで、納得してから捺印しましょう。

仮だと言われたのに、これは本契約さながらの条文ではないですか・・・。

もうハンコ押してしまいましたが・・・(白目)

 

仮だから大丈夫。

仮だから約束を守るのも仮でいい。

 

・・・なんてことはございません。

仮でも仮だろうと、それは立派な契約であり、大人の約束なのです。

 

支払ったお金が戻ってくるか?

仮契約でもっとも揉めるのが、返金です。

仮契約で支払った5~10万円。もしくは50~100万円の仮契約金が、解約したときにもどってくるのか?

・・・それが最大の問題でございます。

 

仮契約で支払ったお金の扱いは、ハウスメーカーのルール(仮契約の条文)によって決まります。

ありがちな仮契約のルール

・支払ったお金は基本的に戻らない。(とくに5~10万円の申込金の場合)

・お金を戻す場合は、打ち合わせ費用、図面作成費を差し引く。

・お金を戻す場合でも、すぐには戻せない。

などの決まりが多いです。

払ったお金が戻ってくる場合でも、満額戻ってこなかったり、戻ってくるまで時間がかかる(渋られる)ので注意が必要です。

仮契約を破棄して他社に乗り換えしたいのに、払った100万円がまだ戻ってきません・・・。

私のマイホーム予算が・・・ひゅるりら・・・。

これからマイホームを作るときに「払ったお金を早く返して!」なんてやり取り、したくないですよね。

安易に仮契約を結ぶ前に、

・払ったお金はどうなるのか?(建築費に充当されるのか?)

・解約したらお金は戻ってくるのか?

・いつまでに本契約しなくてはいけないのか?

などは、必ず確認しておきましょう。

 

▽手付金の扱いも注意が必要です。

手付金を相場以上に払うと後悔する!契約前に知るべき、注意点と値引き交渉術。

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仮契約をすると、他社を比較する時間がなくなってしまう。

仮契約を結ぶと、本格的な打ち合わせがはじまります。

・ハウスメーカーと一緒に土地探し(土地を持っていない場合)

・より詳しいヒアリング、打ち合わせ

・間取り作成、見積もり作成。

・間取り、見積もりを確認した上で、さらに詳細な打ち合わせ。

これぞまさに注文住宅の家作り、といえる楽しいフェーズに突入します。

しかしですよ。楽しい打ち合わせがはじまってしまうと、他社を比較する余裕がなくなってしまいます

1回の打ち合わせに2時間~と長く拘束される上に、毎週末に打ち合わせの予定が入ることも。

本当は他社ももっと見たかったですが、これでは他社のモデルハウスに行く時間すらありません。

・・・ま、打ち合わせ楽しいからいっか・・・。

かくして、仮だと思って契約したものが、本契約になってしまうのでした。めでたしめでたし

 

・・・で、いいんですか!?・・・よくないですよね。

 

ですので、仮契約を安易に結んではいけません。

なぜなら他社を見るチャンスが減るからです。ひいては家を建てたあとに、「もっと違う選択肢があったかも・・・」との後悔につながってしまいますよ。

 

仮契約を結ぶ前に・本格的な打ち合わせがはじまる前に、できるだけ多くの他社を検討しましょう。

まずは広く浅く。多くのハウスメーカーの話を聞いてみましょう。

話だけ聞いてみて、

 

「もう少し詳しく聞きたい!」

 

というハウスメーカーを集める。それから仮契約を結ぶハウスメーカーを選んでも遅くはありません。

 

▽注文住宅の打ち合わせについてはこちら!

注文住宅の打ち合わせの回数・内容・流れは?長期戦を制する5つのコツ。

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マイホームに求める希望が変わる可能性。

仮契約を結んだハウスメーカーが、運命のハウスメーカーである確率は低いです。

なぜなら家作りの打ち合わせをするうちに、マイホームに求める希望は変わるからです。

ハウスメーカーと打ち合わせを重ねることで、本当に自分が欲しかったものの価値観が変わるかもしれません。

・ローコスト重視だったけど、やっぱり性能の高い家が欲しい。

・家のデザイン重視だったけど、やっぱりスペックの高い家がいい。

・自然素材を活用したかったけど、今ではデメリットの方が気になる。

・木造がいいと思ってたけど、やっぱり木造でなくてもいいよな。

ビビっときた運命のハウスメーカーだと思って仮契約しても、残念ながら家が完成するまでに気持ちが変わることがあります。

打ち合わせをしていると、マイホームに求める条件は、一転二転。さらに三転四転して、結局もとの場所に戻ることもあれば、逆に当初とはまったくちがう理想になることも。

本当のメリット・デメリットを知ったら、別に木造にこだわらなくてもよかったかも。

鉄骨のハウスメーカーも見とけばと悔やまれます・・・。

大切なマイホーム選び。希望条件がコロコロ変わるのは無理ないこと。ですがそれは、仮契約の前にしておくべきでございます。

 

断るのが難しい。

仮契約で注意すべきなのが、断るのが難しいこと。

仮契約を結ぶのは簡単ですが、断って契約破棄するのは難しいですよ。

もちろん払ったお金の返金問題で、解約が難しいのも1つ。ですがそれだけでなく、解約を申し出ると、営業マンが全力で止めにかかるケースがあるのです。

・・・え?解約しないなら、さらに10万円値引きですと?

じゃ、じゃぁ・・・もうちょっと考えましょうかね・・・。

こうして他社を比較する時間がなくなり、めでたく本契約となるのでした。めでたしめでたし

 

・・・では終われませんって。

 

安易に仮契約をしてしまったばかりに、執拗に営業マンにマークされることも。厳しいマークを振り払って他社に乗り換えるのは大変なこと。

「仮だけでも・・・」との言葉に惑わされず、しっかり吟味した上で仮契約することをおすすめします。

 

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早い段階での仮契約の特典(値引きなど)は、あまり意味がない。

ハウスメーカーとの仮契約では、お決まりの営業トークがございます。

 

「今、仮契約して頂くと、200万円値引きできる条件を上司から確約いただきました。」

「今月までに仮契約して頂くと、オプションとして○○をサービスさせていただきます。」

 

心惹かれますよね。200万円の値引ですって。

そのハウスメーカーに悪い印象をもってなければ、この一押しが決定打となり、仮契約をしてしまうことも。

ですがご注意くださいませ。

イエス、マダム。

なぜなら早い段階での値引き・特典は、あまり意味がないからです。

詳細な打ち合わせをすることで、価格・仕様はいくらでも変わるのが注文住宅でございます。

注文住宅は、ゼロから建てるオーダーメイドの家。ですので詳細な打ち合わせをするまで、仕様・価格は確定しません。

ですので仮契約時点での値引きは、あまり意味がないのですよ。

 

値引のタイミングは、本契約の直前。間取り・仕様が確定してからです。

早すぎる値引きの提示は、囲い込みのエサと思って間違いありません。ご注意を。

 

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倒産リスクに注意(とくに工務店)

仮契約でもう1点ご注意頂きたいのが、倒産リスクです。とくに中小零細の工務店で注意すべきです。

資本が少なく、経営状態の悪い工務店は、仮契約をしてから倒産するかもしれません。

工務店が倒産すると、払ったお金は基本的には戻ってきません

申込金5万円なら・・・って思って払いましたが、冷静に考えると5万円も大金であります。

ご、5万円を返して欲しい・・・。

お金をもらうときは、すぐに回収。

しかしお金を払うときに気前よく払いすぎると、あとで泣きを見るかもしれません。

仮契約は慎重に。多くのハウスメーカーを比較・検討してからでも遅くありません。

 

▽注意したい倒産リスクはこちら!

建設中にハウスメーカー(工務店)が倒産!知っておくべき住宅完成保証制度と見抜き方!

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その仮契約、一旦・一瞬だけでも待った方がいい。

「とりあえず、仮契約だけでも・・・。」

「仮契約して頂くと、より詳細の打ち合わせができますよ」

 

なんて言われると、しちゃうじゃないですか。仮契約。

ですが冷静に考えて頂きたいのです。今すぐ仮契約を結ぶメリットはなんでしょうか?

・・・今すぐ仮契約するメリット、あまりないですよね。

 

それより今すぐ仮契約を結ぶデメリットの方が多いと思いませんか?

仮契約に縛られてしまい、他社をじっくり比較できなくなってしまうのは、大きなデメリットでございます。

 

ですので営業マンから仮契約を打診されたら、一旦、いえ一瞬だけでも結構です。仮契約を保留にしましょう。

仮契約すると、本格的な打ち合わせがはじまります。他社をじっくり見る時間がなくなります。

打ち合わせの途中で気持ちが変わることもあるので、一度頭をクールダウンさせることをおすすめします。

 

▽ハウスメーカーこそ、じっくり選びましょう。

ハウスメーカーを決める期間は?契約を焦って後悔しない3つのコツ。

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まとめ:仮契約はぜんぜん「仮」ではない。

私も自分の家を買うときに、親から口を酸っぱくして言われました。

「仮契約はぜんぜん仮じゃないから、気をつけろ」と。

当時は「なぜ?」と思ってましたが、今ならよく分かります。

仮契約で注意すべきこと

・法律的に「仮の契約」という概念はない。

・支払ったお金が戻ってくるか?

・仮契約すると、他社を比較する時間がなくなる。

・マイホームに求める条件が変わる可能性がある。

・断るのが難しい。

・早い段階での特典(値引き)は、あまり意味がない。

・倒産リスクに注意(とくに工務店)

「とりあえず仮契約でも・・・」と仮契約の敷居を低くする営業マン。

ですが仮契約の敷居は低くありませんよ。安易にハンコは押してはいけません。

ポイントは仮契約を結ぶ前に、多くのハウスメーカーを比較しておくこと。広く、浅く検討するのがコツでございます。

 

仮契約を結ぶと、そのまま本契約になるパターンは多いです。

仮契約するときは、それぐらいの慎重さが大切ですね。

素敵な家作りを。それでは、また!

 

本当にそのハウスメーカーで大丈夫ですか?

家作りで後悔しないためには、多くのハウスメーカーを比較することが大切です。

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本当にそのハウスメーカーで大丈夫ですか?

一生に一度となる大きな買い物、妥協せずにたくさんの会社を検討するようにしましょう。

 

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