こんにちは。
「契約したハウスメーカーが倒産ですと・・・?そんなカバな・・・!」
契約したハウスメーカーが倒産することは、本当に悲惨なことです。
払ったお金(手付金・中間金)が戻ってこないだけでなく、大切なマイホームが放置されてしまいます。これ以上に悲しいことはございません。
ハウスメーカー(建設業)の倒産件数は、1612件(2015年帝国データバンク)もあり、実に1日あたり5社もの会社が倒産している計算になります。
ハウスメーカーの倒産。これは他人事だと、鼻で笑い飛ばすことはだれにもできません。
そのためハウスメーカーを選ぶときは、「住宅完成保証制度」を利用しているなど、倒産の予兆のない会社を選ぶことが大切です。
そこでこの記事では、
・ハウスメーカーが倒産したときの影響。
・「住宅完成保証制度」とは?
・倒産しそうなハウスメーカーの見抜き方。
について解説させて頂きます。
ハウスメーカーの倒産は、笑い話ではすみません。家作りで後悔する前に、どうぞ最後までお読みくださいませ。
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この記事の概要
建設中にハウスメーカーが倒産すると、どうなる?
マイホームを建設中(もしくは着工前)にハウスメーカーが倒産すると、被害は深刻です。
とくに次の3つの影響は大きいです。
1・手付金、中間金など、払ったお金が戻ってこない。
家が完成する前にハウスメーカーが倒産すると、手付金・中間金など、払ったお金が戻らないケースがほとんどです。
建売住宅を未完成の状態で購入する場合では、購入代金の5%、もしくは1,000万円以上の手付金を払っているなら、宅建業法による保全措置があり、払った手付金は戻ってきます。
ですが実際の建売住宅の購入での手付金は100万円前後の場合が多いので、払った手付金は返ってきません。
注文住宅では建売住宅のような保全措置がないため、払った手付金・中間金は帰らぬ人となってしまいます。
▽手付金は気安く払ってはいけないのです。
2・マイホームの工事が途中でストップしてしまう。
注文住宅の家作りの途中でハウスメーカーが倒産してしまうと、マイホームの工事が途中でストップしてしまいます。
工事の進捗状況のちがいはあれど、その日をさかいに工事現場は完全に放置プレイです。
キリのいいところで放置されるならまだしも、作業の途中で放置されたら家は劣化してしまいます。
また工事途中でハウスメーカーが倒産した場合、所有権はハウスメーカーにあります。
着手金・中間金などを払っていても、所有権はあなたにないのです。あなたは数多くいる債権者の1人、ということですね。
これはつまり、工事が途中でストップしたからと言って、勝手に業者を連れてきて工事を再開できない、ということでございます。
なんですか、これは。泣ける話じゃないですか・・・。
3・工事を引き継いでくれる業者を見つけたとしても、工事費が割増しになってしまう。
家を建設中にハウスメーカーが倒産してしまったら、工事を引き継いでくれる業者を探さなくてはいけません。
しかし多くの業者は、他人が放置した家作りを引き継ぐのをイヤがります。
やっとの思いで引き継いでくれる業者が見つかったとしても、追加費用が発生する問題がおきます。
・途中で放置された工事の一部を撤去する費用が発生する。
・やり直しなど、工事を再開するのに追加工事が発生する。
途中で放置された工事を撤去し、再開するための費用が150万円かかるなら、施主は追加でお金を払わなくてはいけません。
払いたくないですが、これがないとマイホームは朽ち果てるばかり。・・・つらい・・・
せっかくマイホーム再建の目途がついても、そこには追加工事の壁が立ちはだかるのです。
建築中に倒産しても安心!住宅完成保証制度がある。
ですがご安心くださいませ。
注文住宅で家を建設中にハウスメーカーが倒産しても、救済する保証制度があります。
イエス、それが「住宅完成保証制度」でございます。
住宅完成保証制度とは、ハウスメーカーが加入する制度の1つです。家を完成する前に倒産した場合、
・追加工事費などを負担してくれる。
・工事を引き受けてくれる業者を探してくれる。
という保証をしてくれる制度です。
住宅完成保証制度に加入しているハウスメーカーと契約することで、家が完成する前の倒産リスクを大きく減らせます。
工事の中断や引継ぎなどによる損失を、一定の限度内で補償する。
住宅完成保証制度では、工事の中断や引継ぎなどでかかる追加工事費を、一定の限度内で補償してくれます。
「着手金を800万円支払い、600万円相当の工事をした時点で、ハウスメーカーが倒産。」
この場合ですと、差額の200万円が返ってこない計算になります。(精神的ショック・家へのダメージを加味するとそれ以上ですが)
このとき倒産したハウスメーカーが住宅性能保証制度に加入していれば、差額の200万円が補償されるのです。
また住宅完成保証制度は、倒産したハウスメーカーの工事を引き受けた業者が提示した、追加工事の費用も補償してくれます。
・劣化してしまった部分の修繕、補修。
・重機のリース期間の延長。
・設計などの事務手続き費用。
マイホーム工事の再開に立ちはだかる「追加工事費」という問題を、解決してくれるのです。
ハウスメーカーが倒産した場合、工事を引き継いでくれる業者を探してくれる。
住宅完成保証制度では、制度に加入しているハウスメーカーが倒産したとき、工事を引き継いでくれる業者を代わりに探してくれます。
そのため工事ストップによる家へのダメージが最小限になり、マイホームの夢を確実に叶えることができます。
着工前にハウスメーカーが倒産したら、被害はお金(と精神的ショック)だけです。
ですが着工して工事をはじめ、中途半端な状態でハウスメーカーが倒産すると、たちが悪いのですよね。
・家の構造躯体(柱・床・壁など)がむき出しのまま放置している。
・防水工事が終わらないまま、放置している。
・窓を取り付ける前で放置している。
このまま放置して、いったいどうするつもりなのでしょうか?
放置されたマイホームは、雨風にさらされて劣化してしまいます。
一言いわせて頂くなら、「自分でやった仕事はちゃんと最後までやってくれ!」ということですね。
ですがその点、住宅完成保証制度に加入していれば安心です。
住宅性能保証制度が、あなたの代わりに工事を引き受けてくれる業者を探してくれるからです。
「工事中にハウスメーカーが倒産しても、誰かが引き受けてくれる。」
順調なマイホーム計画とは言えなくても、「保証があるから安心だ」と思えるメリットは大きいですよね。
ただし倒産しないと保証が受けられない。業務停止(夜逃げ)では受けられない。
「住宅完成保証制度がある!よかった・・・ほ・・・」
契約したハウスメーカーが住宅完成保証制度に加入していた。それはとても安心できることです。
ですがご注意くださいませ。
住宅完成保証制度を受けるためには、ハウスメーカーが倒産することが必要です。
つまり倒産手続き(民事再生など)をしないで、一方的に倒産する(夜逃げなど)ことでは、保証が受けられません。
いや、日本語的に意味が分かりませんが、とにかく保証してくださいよぉぉ!!!
今のご時世、夜逃げなんて時代錯誤な・・・。
と思ったあなた。ご注意くださいませ。
住宅業界の闇は深く、あなたが「まさかそんなこと起きる訳ない」と思ってることこそ、現実に起きる業界なのです。
倒産しそうなハウスメーカーをどうやって見抜く?
恐ろしや・・・。建設途中でのハウスメーカーの倒産、あな恐ろしや・・・。
恐ろしいんです、家が完成する前にハウスメーカーが倒産することは。
ですので、倒産の被害を減らすもっとも有効な方法は、「倒産しそうなハウスメーカーとは、最初から契約しない」ことのなのです。
ではどうやって倒産しそうなハウスメーカーを見抜くのか?
そのコツをご紹介させて頂きましょう。
「手付金で○○万円払ってくれたら、〇%値引きします!」←かなり怪しい。
ハウスメーカーの営業は、当たり前のように契約をせまります。
ですが契約をせまったときに、
「手付金で○○万円払ってくれたら、○%値引きます!」
との発言が出たら、かなりの確率で黒です。倒産の危機を疑いましょう。
手付金を多く求めるのは、ハウスメーカーに現金が残されていない可能性が高いです。
手付金と称して現金を手早く回収し、その後とんずらするかもしれません。
・・・この発言、完全に「アウト」でございます。
「住宅完成保証制度に加入していない」←何かあると疑ってしまう。
「住宅完成保証制度ですか?加入してませんよ(にっこり)」
すみません、「にっこり」の真意は不明ですが、いずれにしてもこの発言は危険です。
なぜなら住宅完成保証制度は、加入するための条件(財務状況・工事の完成度など)が厳しく、だれでも加入できる制度ではないからです。
「住宅完成保証制度に加入していない」は、もしや「財務状況が悪くて加入できない」の意味かもしれません。
もし万が一のリスクを考えると、住宅完成保証制度に加入している会社と契約した方がいいかもしれませんよ。
広告費がかかっている、中堅工務店←ちょっと怪しい。
「倒産しそうなハウスメーカーとは・・・?」
この質問はだれしも気になりますが、残念ながらどんな専門家でも的確に答えられません。
ですが予兆を感じる1つの指標として参考になるのが、
「広告費がかかっている中規模の工務店は、どことなく怪しい」
ということですね。
「会社が潰れる=小さな会社から潰れていく」という認識は間違いで、正しくは「お金がなくなった会社から潰れていく」という認識が正確です。
意外にも小さな会社(地元工務店など)は、広告費やモデルハウスに経費を使っていないので、売上が少なくても細く長く経営が続きます。
ですが中途半端に広告費がかかり、モデルハウスも構えている中堅工務店は、ほんの少し注意した方がいいかもしれません。
これは完全に余談ですが、私の住んでいる栃木では、最近、某中堅工務店(地元では名の知れた○○ハウス)が、最近ヤバいとのうわさを聞きます。
地元民のうわさなので明確な根拠はありません。ですが地元民のうわさって、結構当たりますからね。
よくよく業界をウォッチして、進捗あればご報告させて頂きます。
不自然な支払いは、その都度確認する。
「この会社、倒産するかも・・・?」
予兆を感じるサインとして有効なのが、不自然な支払いを求めることです。
家の代金の支払いは、契約時に決定します。ですが契約後になって、
「中間金を早めに払ってほしい」
「追加で中間金を○○万円払ってほしい」
などと支払いを催促する話が来たら、警戒すべきでしょう。
ハウスメーカーに理由を聞いて、納得してから払うことをおすすめします。
最近、急に販路を拡大しはじめた。
急激に販路を拡大しはじめたハウスメーカー・工務店は、近い将来、倒産するかもしれません。
予言じみた発言ですが、いいえ、これには理由がございます。
・急な販路拡大でサービスが低下する。
・思わぬ欠陥住宅を作ってしまい、補償問題になる。
・これまでの強みがなくなってしまい、受注が下がる。
・思うように受注が伸びず、経費が回収できない。
計画通りに業績が伸びてくれればいいですが、世の中そんなに甘くないですからね。
「地元密着で丁寧な施工が強みだったのに、販路拡大によって雑な施工になってしまった。」
「悪い評判ができてしまい、受注が下がった。」
というのは、某工務店であった有名な話。
10年、20年先も生き残ることを考えると、やるべきは急な販路拡大よりも地に足つけた経営ではないでしょうか?
社員の入れ替わりが激しい。若い社員が残らない。
これは倒産しそうな工務店にありがちな特徴です。
社員の入れ替わりが激しく、とくに若い社員が残らない工務店にはご注意くださいませ。
なぜなら経営体質に問題があり、近い将来、内部崩壊する可能性があるからです。
社員を大切にしない経営では、社員が定着しません。とくに転職できる若くて優秀な人ほど、すぐに辞めてしまいます。
そのため工務店に残る人は、「転職できない残念な人」ばかりになってしまい、家作りの質も下がってしまいます。
こういう会社って、結構身近にいませんか?
だんだんと先細りになって、やがてひっそりと消えますよね。
今現在は借金がなくて経営は健康に見えるかもしれませんが、内部崩壊によって倒産するのは時間の問題です。
地元に密着している工務店ほど、この手の倒産リスクがございます。ご注意くださいませ。
ハウスメーカー・工務店の自己資本比率をチェック!
倒産しそうなハウスメーカーを見抜く指標として、自己資本比率のチェックをおすすめします。
自己資本比率とは、会社がもっているお金のうち「どれくらい自分のお金があるか?」をあらわした割合です。
銀行などから借りたお金があると自己資本比率は下がり、「この会社、借りたお金ばっかりだけど大丈夫なの?」と考える目安になります。
ちなみに大手ハウスメーカーの自己資本比率は、
・クレアHD:94.2
・土屋HD:62.2
・エスケーホーム:61.5
・飯田グループHD:57.6
~~~
・大和ハウス工業:35.9
・住友林業:34.3
・檜屋HD:32.5
~~~
・ミサワホーム:17.5
・タマホーム:15.9
・ヤマダ・エスバイエルホーム:15.5
と、なっております。
※いずれも平成27-28年 業界動向ドットコムより
しかし自己資本比率をチェックしても、完全に倒産を予言するものではありません。
と言いますか、自己資本比率をチェックしただけで倒産が分かるようでは、逆にいろいろ問題でございます。
自己資本比率は、倒産を予測する1つの指標とお考えくださいませ。
倒産リスクの回避は、完成したときの一括支払いがベスト。
会社はボランティア団体ではありません。仕事がなくなり、お金がなくなれば、倒産するのです。
ですので、ハウスメーカーの倒産リスクはゼロにはできません。
だからこそ、万が一倒産したときの被害を最小にする工夫が必要です。
注文住宅での家作りは、工事の進捗にあわせて費用を求められます。
手付金(契約金):工事代金の10%
着手金:工事代金の30%
中間金:工事代金の30%
引き渡し時:工事代金の30%
家が完成するまでに、工事代金の70%も支払っていることになります。これでは途中で倒産したときのリスクが大きすぎです。
倒産の影響を少なくするには、支払いの時期を遅くし、できるだけ家が完成したときに払うように交渉してみましょう。
手付金(契約金):工事代金の10%
着手金:工事代金の20%
中間金:工事代金の20%
引き渡し時:工事代金の50%
ハウスメーカー・工務店によっては、露骨にイヤな顔をするかもしれません。
ですがこちとらリスクを背負って家を買う訳ですからね。
イヤな話ですが、支払い条件はクリアにしてから契約に臨みたいものです。
倒産リスクが少ないのは、やっぱり大手ハウスメーカー。
倒産リスクが低いのは、大きな資本を持っている大手ハウスメーカーです。
ハウスメーカーの親会社が世界的巨大カンパニーという会社(トヨタホーム・パナソニックホームなど)もあり、中小零細のハウスメーカー・工務店よりはるかに安心です。
家作りは「作ったらおしまい」ということではなく、10年・20年先のことも考えなくてはいけません。
もしも築9年目にして、屋根から雨漏りしたらどうしますか?そのとき家を建てた工務店は倒産していたら、保証も受けられず、目も当てられません。
「大手だから安心」と過信はできませんが、それでも大手ハウスメーカーのメリットは大きいです。
10年先もその工務店・ハウスメーカーは生き残ってますか?
一度大手ハウスメーカーを検討だけでもすることを、おすすめします。
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まとめ:建設中の倒産は、非常にまずい。
ハウスメーカーの倒産は、忌々しき事態です。
とくに家を建設中で、お金だけ払っている状態の倒産は、非常にまずいです。
注文住宅の場合、「住宅完成保証制度」がございます。
ハウスメーカーと契約する前に、加入状況を確認してみてくださいませ。
また倒産しそうなハウスメーカーの見抜き方は、
・「手付金で○○万円払ってくれたら、○%値引きします!」(かなり黒い)
・住宅完成保証制度に加入してない。(なにか匂う)
・広告費がかかっている中堅工務店(ちょっと怪しい)
・不自然な支払いの依頼は、その都度確認する。
・最近、急に販路を拡大しはじめた。
・社員の入れ替わりが激しい。若い社員が残らない。
・ハウスメーカーの自己資本比率をチェックする。
などを参考にしながら、独自の嗅覚で察知するしかありません。
また倒産の被害を最小にするために、支払いの時期を遅らせることもお忘れずに。
ハウスメーカーの言われるまま支払っても、得するのはハウスメーカーだけですよ。
ぜひ素敵な家作りを。それでは、また!
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▽家作りの成功は、パートナー選びで8割決まります。検討してないハウスメーカーは、もうありませんか?
▽ハウスメーカー各社の特徴を魂込めて比較しました!
これでは雨が降るたびに柱が濡れてしまいます。私のマイホーム、オワタ・・・。