こんにちは。
「坪単価30万円って書いてあるけど、本当に坪30万円で家が建つの?」
「・・・本当はウソなんじゃない?」
・・・鋭いご指摘、ありがとうございます。
おっしゃるとおり、広告で見かける「坪単価」では、注文住宅の家作りはできません。
表示されている坪単価には含まれていない費用(追加工事、オプション代など)が多く、広告表示の坪単価よりも高くなります。
ですので、注文住宅の家作りをすすめるときは、
・表示されている坪単価に、「どの費用が含まれ、どの費用が含まれていないのか?」
・最終的に坪単価はいくらになるのか?
・坪単価を安く抑えるコツ
をしっかり確認することが大切なのです。
「坪単価30万円って書いてあったのに、どうして坪45万円もするの!?うそつきーーーっ!!」
くやしさにハンカチを噛みしめることがないよう、どうぞ最後までお読みくださいませ。
スポンサーリンク
この記事の概要
いまさら聞けない「坪単価」とは?こっそり教えて!
注文住宅の家作りをはじめると、当たり前のように「坪単価」という言葉が使われます。
ですので、つい聞きそびれてしまうのですよね。「坪単価ってなんですか?」と。
坪単価とは、1坪(3.3㎡)の広さを作るために必要な建築費。
坪単価とは、1坪(3.3㎡)の広さを作るために必要な建築費です。
建築費を床面積で割ることで、計算できます。
たとえば、
家本体の価格:1,800万円
家の広さ(床面積):40坪
このような費用のかかる家の坪単価は、
1,800万円÷40坪=45
となり、この家の坪単価は「坪45万円」ということです。
家の価格を坪単価で表示することで、
・ハウスメーカーごとの、高い・低いを簡単に比べられる。
・家のグレードを表す指標となる。
・家の予算を決めやすくなる。
という利点がございます。
家の価格は、大きさ・仕様・性能・設備などで変わってしまうので、一概に「高い・安い」が比較できません。
ですが坪単価で表示すれば、家の仕様や性能を簡単に価格で比較できるのです。
こんな落とし穴が…。注文住宅の坪単価の注意すべきこと!
坪単価の意味を知ると、使ってみたくなるのが人の性(さが)でございます。
ですが坪単価には落とし穴があるので、やたらめったに坪単価で比較するのはおすすめできません。
注文住宅の坪単価を比較するときは、次のことに注意すべきでございます。
表示されている「坪単価」は、あくまでも「本体工事費」だけ。
注文住宅の坪単価で注意すべきなのは、『広告で表示されている坪単価は、あくまで家の「本体工事費だけ」である』、ということです。
注文住宅での家作りでは、本体工事以外にも費用がかかるので、広告で表示されている坪単価だけでは、家は作れません。
家作りかかるトータルコストは、
「トータルコスト」=「本体工事費」+「追加工事・オプション代」+「諸費用」
から成り立ちます。
広告で表示されている本体工事費の坪単単価は、トータルコストの75%程度と言われております。
そのため実際の注文住宅の家作りでは、広告の坪単価の1.25倍かかる計算になります。(もちろん、上を目指せば無限に高くなります。)
夢のマイホーム計画に、早くも暗雲が立ち込めてきたのですが・・・。
広告に表示された坪単価を妄信してしまうのは、危険でございます。
ちなみにですが、本体工事費に含まれない工事は下記のようなものがあります。
・地盤改良の工事費(場合によっては、100~200万円)
・照明器具の設置工事費
・カーテン工事費
・空調工事 冷房、床暖房、24時間換気システム
・屋外電気・給排水工事 家の外の電気工事、水道工事など
・引き込み工事 上下水道、電話 ネット回線
・既存建物の解体費(建て替えの場合)
・・・別途工事、山盛りですね。
これらは本体工事に含まれません。ご注意くださいませ。
坪単価に含まれるものは、ハウスメーカーで統一されていない。
「坪単価を比較すれば、ハウスメーカーを比較できる。」
冒頭でそう申し上げたところ恐縮なのですが、坪単価だけを比較してハウスメーカーを選ぶのは危険です。
なぜなら坪単価に含まれるものは、ハウスメーカーによって統一されたルールがないからですよ。
・A社(坪45万円):玄関ポーチ、バルコニーは坪単価に含めない。
・B社(坪50万円):引き込み工事、屋外電気工事を含む。
・C社(坪55万円):引き込み工事、屋外電気工事、空調、カーテン、照明を含む。
さて、A社・B社・C社、もっともお得なハウスメーカーはどれでしょうか?
・・・簡単に決められないですよね。つまり、そういうことなのです。
坪単価を比較すれば、ハウスメーカーを簡単に比較できそうに見えます。
ですが実際には坪単価を計算する統一されたルールがなく、そもそもどんな基準で坪単価を算出しているのか、各ハウスメーカーによってバラバラです。
坪単価は、ざっくりとした家の価値(グレード)を知るのに便利です。
しかしざっくりしすぎているので、「坪単価になにが含まれているのか?」、詳細まで確認しなくてはいけません。
設備・オプションを加えると、坪単価は跳ね上がる。
注文住宅の坪単価で注意したいのが、設備・オプションを加えていくと、坪単価は跳ね上がることです。
標準仕様の設備、材質からちょっとでも外れて変更すると、坪単価はどんどん膨れ上がっていきます。
・標準の白い壁紙を、珪藻土に変更した。
・標準のフローリングを、無垢フローリングに変更した。
・リビングだけの床暖房を、全室床暖房にした。
・エコキュートを追加した。
・浴室乾燥機を追加した。
坪単価の安いハウスメーカーと契約したはずなのに、オプションを追加していくと、他社よりも高い坪単価になってしまうことも。
とくにローコストハウスメーカーでは、標準仕様に含まれるものが少ないので、オプションで坪単価は高くなりがちです。
坪単価は安くても、オプションは高いのが相場です。
安易に坪単価だけでハウスメーカーを選ばず、オプションを含めたトータルの金額で比較することが大切です。
▽「つけてよかった!」と思っているオプションは、こちらです。
家の広さが変わると、坪単価も変わる。
注文住宅の坪単価では、家の広さに注意しなくてはいけません。
なぜなら坪単価は同じグレードの家でも、広さによって変わるからです。
家が狭くなれば、それだけ使う材料は少なくなります。そのため本体工事費は安くなります。
ですが家が狭くなっても、設備費は変わりません。家が広くても狭くても、使う設備(お風呂、キッチン、トイレなど)は同じでございます。
そのため狭い家を作ろうとすると、坪単価は上がってしまいます。
本体工事費 | 設備費 | 合計 | 坪単価 | |
30坪の家 | 1500万円 | 300万円 | 1800万円 | 60万円 |
40坪の家 | 1800万円 | 300万円 | 2100万円 | 52.5万円 |
坪単価だけ比較すれば、40坪の家の方が安いです。
ですがトータルで支払っている金額は、30坪の家の方が少ないですよね。
坪単価は比較に便利ではありますが、あくまでも「トータルでいくら払うのか?」で比較することが大切ですよ。
外構工事(エクステリア)は、坪単価に含まれていない。
注文住宅の坪単価には、外構工事(エクステリア)が含まれません。
そのため坪単価だけで家を作ろうとすると、外構工事が予算不足のためノータッチとなってしまいます。
整備されてないエクステリアに立つ家は、あまりにも殺風景です。
どんなグレードの高い家でも、残念な景観になってしまいます。
雨が降ったらぐちゃぐちゃに。これでは快適なマイホームとはほど遠いでございます。
家本体と同様にエクステリアも重要です。
エクステリアの費用は坪単価に含まれていないので、別途予算を残しておくことが大切です。
注文住宅の坪単価を安くするコツ!
坪単価だけの比較は意味がありません。
とはいえ、坪単価は簡単に比較できる基準の1つとして有効です。
もしも「坪単価、もっと安くできないのかな・・・」と思うのでしたら、次の方法がおすすめです。
▽注文住宅の全体の予算を抑えるコツは、こちらにまとめました。
1・床面積の大きさを広くする。
坪単価を安くしたいのでしたら、床面積を広くしてみてはいかがでしょうか?
床面積を広くすると、トータルコストに占める設備費の割合が下がるので、坪単価は安くなります。
逆に延べ床面積が狭くなると、坪単価は上がります。家が狭くなっても、キッチンの数やグレードは変わらないからです。
坪単価を安くし、割安に家を建てたいなら広い家を作るのがおすすめです。
しかし割安になるとはいっても、トータルコストは上がっております。その分住宅ローンの返済は大変になります。ご注意くださいませ。
2・1階と2階の面積配分を同じにする。
同じ床面積でも、1階と2階の面積配分によって、坪単価は変わります。
もっとも坪単価が安くなるのは、1階と2階が同じ面積のときです。
逆に坪単価が高くなるのは、1階が広く、2階が狭い面積のときです。
なぜなら1階が広くなると、コストのかかる基礎・屋根の面積が大きくなるからでございます。
坪単価は、家にかかってる費用を知る指標として便利です。
「なぜか坪単価、高いな・・・」と思ったら、余分な費用がかかってないか、チェックしてみてくださいませ。
3・でっぱりの少ない、四角の家にする。
注文住宅の坪単価は、建物の形によって影響を受けます。
でっぱりが多く、デコボコした形の家では、坪単価が高くなります。(外壁・屋根の面積が増えるから)
反対にサイコロのような四角の家は、坪単価が安くなります。
シンプルなキューブ状の家は、さっぱりしすぎてゴージャス感はありません。
ですが坪単価を安く、コスパよく家作りするにはベストフォームとなっているのです。
まとめ:坪単価は、単純に比較できない。でも大事。
注文住宅の家作りでは、「坪単価」という言葉が当たり前のように使われます。
当たり前すぎて分かったつもりになってますが、実は知らないことが多いのですよね。
とくに坪単価では、次のことに注意すべきでございます。
・広告に表示されている坪単価は、あくまでも「本体工事」だけ。
・坪単価の計算方法は、ハウスメーカーで統一されていない。
・設備、オプションを加えると、坪単価は跳ね上がる。
・家の広さが変わると、坪単価も変わる。
・外構工事は坪単価に含まれない。
また坪単価を安くするには、次のコツが効果的です。
・広い家を作る(床面積を大きくする。)
・1階と2階の面積配分を同じにする。
・サイコロのような四角の形にする。
家の価格は、大きさ・設備・性能などで変わります。
ですが「坪単価」というものさしにすれば、簡単にハウスメーカーを比較できます。
しかしながら、坪単価に含まれるものがハウスメーカーごとにちがうので、単純に坪単価を比較するだけでハウスメーカーを選ぶのは危険です。
坪単価は、便利で分かりやすいですが、それだけで決めると後悔してしまいますよ!
素敵な家作りを。それでは、また!
▽ハウスメーカー各社の坪単価まで徹底的に比較しました!
▽まだ比較していないハウスメーカーはありませんか?ハウスメーカーのカタログは、一括請求が便利です。
▽注文住宅の予算を抑える10個のコツは、こちらでございます。
▽注文住宅の家作りは、全体の流れをおおまかに把握しておくことが大切です。
ふむ。B社の方がグレードの高い家、ということですな・・・。