こんにちは。
マイホームの資金計画を立てた方にお尋ねしますが、マイホームの支払いスケジュールはご存知ですか?
お言葉ですが、「マイホームの資金計画を立てても、支払いスケジュールまでは知らない」、という方が多いのではないでしょうか?
支払いスケジュールが分からなければ、せっかくの資金計画も予想外の出費の連続で穴だらけになってしまいますよ。
注文住宅の家作りの支払いは、家が完成する前にお金を払う必要があります。
・着手金:工事代金の30%程度
・中間金:工事代金の30%程度
・引き渡しのとき:工事代金の残金の清算。
これに契約時に払う手付金(工事代金の10%程度)を加えると、家が完成する前に、工事代金の70%も支払うことになります。
さらに細かい支払い(申込金・地盤調査費など)も含めれば、家作りをはじめた頃からお金を払い続けることになります。
注文住宅の支払いを「住宅ローンでポン!」と軽く考えていると、予想外の出費に泣いてしまうのです。
そこでこの記事では、注文住宅の家作りを成功させる「支払いスケジュール」について解説させて頂きます。
資金計画も大切です。ですがもっと大切なのは、「いつ・いくら払うのか?」でございますから。どうぞ最後までお読みくださいませ。
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この記事の概要
注文住宅の支払いは、大きくわけて3回ある!
冒頭でのお伝えしたように、注文住宅での家作りの支払いは、大きく分けて3回あります。
・着手金:工事代金の30%
・中間金:工事代金の30%
・引き渡しのとき:工事代金の残金の清算。
これに手付金を加えたのが、注文住宅のおおまかな支払いになります。
それぞれ支払い方法(自己資金・銀行から借りる)がちがうので、注意が必要です。
0・手付金(契約金):工事代金の10%程度
手付金とは、マイホームの契約時に払うお金の1つで、
「契約したら、ちゃんと契約どおりに買います。もし買わなかったら、この手付金を放棄します。」
という目的で、売主(不動産会社、ハウスメーカー)に預けるお金のことです。支払った手付金は、工事代金の清算に使われます。
手付金の相場は工事代金の10%とも言われておりますが、20万円のときもあれば、50万円、100万円のときもあります。
手付金は施主とハウスメーカーで話し合って決める場合が多く、相場はあってないような状態です。
手付金を多く払ってもメリットはとくにないので、「少なくていい」と言ってくれるなら厚意に甘えた方がお得です。
手付金の支払いは、自己資金、つまり自分の貯金から支払います。
頭金と手付金としばしば混同しがちですが、
頭金:契約を破棄しても、自分の手元に残る。
手付金:自分の都合で契約を破棄したら、戻ってこない。
との大きな違いがあります。手付金はハウスメーカーにとって有利な条件でのお金ですので、お支払いにはくれぐれもご注意くださいませ。
1・着手金:工事代金の30%程度
着手金とは、「今からマイホームの工事をはじめますよ~」というタイミング(着工)で支払うお金です。
工事代金の30%の支払いを求められることが多く、着手金の支払いは「自己資金」になります。
って450万円も自己資金で払うのですか・・・?ふらり・・・
住宅ローンは「家に対して支払うもの」になるので、着工の時点ではまだ使えません。それゆえ自己資金になるのです。
「頭金(自己資金)はないけど、住宅ローン借りればなんとか買えるかな・・・?」
と、淡い期待を抱いていると、着手金の支払いで痛い思いをしてしまいます。
頭金はなくても住宅ローンは借りれますが、諸費用の支払いが大変です。
頭金ゼロと自己資金ゼロでは意味が違います。しっかりと節約してお金を貯めておきましょう。
2・中間金:工事代金の30%程度
中間金とは、上棟が終わった段階で支払いを求められるお金です。
上棟とは建物の骨組みができ、屋根ができあがった状態をいいます。
中間金として払うお金は工事代金の30%が多く、支払いは自己資金、もしくは住宅ローンから払います。
中間金に住宅ローンが使えてよかった・・・(涙)
「住宅ローンが使えてよかった・・・」と涙するものの、本心は「なんで家が完成してないのに、お金ばっかり取りやがって・・・」の一心です。
着手金・中間金の相場は30%ですが、ハウスメーカーと打合せすることで、先に支払う割合を減らすことも可能です。
ハウスメーカーの倒産リスクを考えると、先に支払うお金はなるべく少なくした方が「吉」でございます。
3・引き渡しでの清算:工事代金の30%(残金すべて)
マイホームが完成すると、引き渡しの前の最終内覧会が行われます。
最終内覧会で指摘した不具合を補修すれば、いよいよマイホームの引き渡しです。
引き渡しでは、家の残金をすべて支払います。支払いは住宅ローンです。
引き渡しのときの清算は、完全に住宅ローンで行いますので、手元の現金が痛むことはありません。
ですが借りすぎた住宅ローンは、重すぎる返済負担となり、マイホームライフを圧迫してしまいます。ご注意くださいませ。
注文住宅での家作りの流れと支払いスケジュール
注文住宅のおおまかな支払いスケジュールは、
0・手付金
1・着手金
2・中間金
3・引き渡しのときの清算。
この3つ(手付金を加えると4つ)でございます。
しかしこれ以外にも注文住宅では細かな支払いが多いので、詳しく解説させて頂きましょう。
注文住宅の家作りの流れと、支払いスケジュール。
注文住宅の家作りの流れと、その流れにそった支払いスケジュールをまとめてみました。
家ができるまでの流れ | おもな内容 | 支払いスケジュール |
家を建てたい! | 家のイメージ作り・予算作成 | |
▽業者選び・申込 | モデルハウス、工務店の見学 | 申込金 |
見積り依頼 | 地盤調査費 | |
▽資金計画 | 住宅ローンの比較検討 | |
▽設計 | 設計契約※ | 設計契約金※ |
▽ローンの申し込み | ローン申込み・書類提出 | ローン申込代行手数料 |
▽業者との契約 | ハウスメーカー・工務店と工事請負契約 | 印紙税・手付金 |
▽着工 | 家作りの工事スタート | 着手金・地鎮祭の費用 |
作業者への差し入れなど | ||
解体工事・引っ越し代・仮住まい費※※ | ||
▽上棟 | 現場審査 | 中間金・上棟式の費用 |
▽完成 | 竣工検査(完成前検査) | |
▽引き渡し | 工事代金の清算 | |
登記費用・火災保険料 | ||
入居 | 不動産取得税 | |
引っ越し代 |
※設計士に依頼した場合のみ
※※建て替えの場合のみ
▽家作りの流れは、こちらをご参照ください。
申込金:目安5~10万円。
申込金とは、「ハウスメーカーと契約する意思がありますよ」という時点でお支払いするお金です。
ハウスメーカーによっては、
・仮契約金
・契約金
・内金
などさまざまな名前で呼ばれていますが、これらは全部「申込金」と同じ意味です。
申込金は手付金のような性格があり、一定期間内に契約にならなかった場合、申込金を没収されてしまいます。
「払ったお金が戻ってこないなんて、まるで手付金みたいね。」
鋭いあなたは、すぐにそう思いませんでしたか?
・・・イエス、的確なご指摘、ありがとうございます。
おっしゃるとおり、申込金とは名ばかりの手付金でございます。
申込金を払うことは、つまり契約に半分足を突っ込んでいることです。慎重に検討してから払いましょう。
地盤調査費:目安5~8万円。
注文住宅の家作りで土地も一緒に探す場合、地盤調査をすることをおすすめします。
地盤調査の費用は5~8万円で、自己負担のケースもあれば、ハウスメーカーが負担してくれるときもあります。
自己負担なら5~8万円払うところ、ハウスメーカーが負担してくれれば、自己負担はゼロ円です。
これは一見とても優しいハウスメーカーに見えますよね?
ハウスメーカーが負担している地盤調査費は、巡り巡ってあなたが負担しているのですよ?
しかもハウスメーカーと契約しなかった方の分まで、でございます。
自分の地盤調査は、自分で払う。
このスタイルの方が、結果としてお得です。
ローン申込代行手数料:目安5~10万円。
ローン申込代行手数料とは、ハウスメーカーの担当者があなたの代わりに住宅ローンの申し込みをしてくれる代行費です。相場は5~10万円です。
ローン申込代行費はマイホームの代金の一部として、引き渡しの清算のときまでに支払います。
・・・というのがよくあるケースなのですが、実は払わなくてもいいお金なんですよね、ローン申込代行手数料って。
簡単な話ですよ、自分で住宅ローンに申し込んでしまえばいいのですから。
そうなのですよ、住宅ローンは自分でも簡単に申し込めるのですよね。
分からないことがあれば、銀行のお姉さんに優しく教えてもらえます。
ですので、無理して払う必要はありませんよ。見積書にローン申込代行費の文字を発見したら、お断りするだけで完了です。
▽とは言っても、私が住宅購入するときは、何も知らずに払ってしまいました。絶賛後悔中です。
地鎮祭の費用:目安3~15万円。
地鎮祭(じちんさい)とは、マイホームの工事をはじめる前に工事の無事を祈る儀式のことです。
「どの程度立派な儀式をするか?」によって費用の相場は大きく変わり、3万円ですむ場合もあれば、15万円もかかる場合もあります。(地鎮祭後の昼食代含む)
ハウスメーカー主導で地鎮祭を行うときの料金は、標準プランに含まれていることが多いです。
しかし自分の希望で好きな神社の方をお呼びする場合、別途お金を準備する必要があります。
上棟式の費用:0~30万円。
上棟式とは、建物の骨組みと屋根が完成したことをお祝いする儀式です。
上棟式ではこれまで作業してくれた職人にご祝儀を払います。上棟式の費用は20~30万円が目安です。
痛すぎる出費につい心の声がフルボリュームで漏れそうになります。
ですが最近では上棟式を行わない施主も多くなりました。
無理に財布を痛めてまで、上棟式を行う意味はないでしょう。上棟式をやらなくても、いい家は建ちます。あとは気分の問題でございましょう。
注文住宅の支払いスケジュールで注意すべき2つのこと!
注文住宅では家が完成するまでに多くの支払いがあります。
ですがご注意くださいませ。
ハウスメーカーに言われるがまま支払っていると、思わぬリスクを背負ってしまいますよ。
先に払うお金は、なるべく少ない方がいい。(倒産のリスク回避)
注文住宅で支払うお金は、先に払うお金を少なくしましょう。
なぜならマイホームを建設中にハウスメーカー(工務店)が倒産すると、払ったお金(手付金・着工金・中間金)は戻ってこないからです。
しかも建設途中のマイホームは、そのまま放置プレイですから。これほど頭にくるライフイベントは、そうそうありませんよ。
多くのハウスメーカーでは、口をそろえて「お金を先に支払って」と言います。
ですが本来、お金を先に支払う義務はないのですよ。
業界の慣習がそうだから、先に支払っているだけで、法律的に先に支払う決まりはありません。(むしろ、現物を受け取ってから払うのが筋です。)
お金を先に払ってしまうと、それだけハウスメーカーが倒産したときの被害が大きくなります。
ハウスメーカーと交渉し、できる限り先に払うお金を少なくし、引き渡しで清算するようにすべきです。
住宅ローンの分割実行と、中間融資のちがいを知る。
中間金を住宅ローンで払うとき、「住宅ローンの分割実行」と「中間融資」の2種類があります。
・住宅ローンの分割実行:1つの住宅ローンで、ローンの支払いを分割して払ってもらう。
・中間融資:中間金を支払うために、もう1つ別の住宅ローンを借りること。
どちらも銀行によって対応の可否が分かれていますので、住宅ローンを選ぶときに中間金の支払いも含めて検討すべきでしょう。
まとめ:資金計画も大切。支払いスケジュールは、もっと大切。
注文住宅の家作りでは、多くの方が資金計画を作ります。
ですがお忘れではないですか?支払いスケジュールを。
支払いスケジュールを押さえておかないと、予期せぬ出費の嵐におそわれて、せっかくの資金計画も白紙になってしまいます。
注文住宅の支払いスケジュールで抑えておくべきポイントは、次のとおりです。
【注文住宅の大きな支払い4つ】
・手付金:工事代金の10%
・着工金:工事代金の30%
・中間金:工事代金の30%
・引き渡しの清算:工事代金の残金の清算
【注文住宅の支払いで注意すべきこと】
1・先に支払うお金は、できる限り少なくする。(ハウスメーカー倒産リスクの回避)
2・「住宅ローンの分割実行」と「中間融資」、どちらか選んでおく。
とくに先に支払うお金を少なくすることは大切です。
ハウスメーカーはことあるごとに「お金をくれ!でないと、工事をしないぞ!」と意味不明な理論を展開します。
それが業界の習わしなのでしょうが、法律でそう決まっているわけではないですから。
こちとらリスクを背負って家作りをすすめます。
どうぞ主張すべきことは主張して、先払いのお金を少なく交渉してみましょう。
ぜひ素敵な家作りを。それでは、また!
いや、担当者が「それぐらいでいいですよ」って言ってくれたので・・。