こんにちは。
せっかく建てるマイホーム、どうせなら風通しのいい家がいいですよね!?
風通しのいい家ですと、
・窓を開けたときに爽やかな風が通る。
・イヤな臭いが室内に充満しない。(換気が早い。)
・家に湿気が溜まらない。(カビ対策)
・夏の冷房対策。
など、メリットが多く、素敵マイホームライフの妄想が止まらなくなります。
ですが、ご存知ですか?風通しのいい家だけ作っても、あまり意味がないのですよ。
風の通る設計をしても、そもそも風が通らない環境(土地)では意味がありません。
大切なのは、「風通しのいい家には、風が通る環境(土地)が必要だ」、ということです。
そこでこの記事では、風通しのいい環境(土地)の選び方・条件について解説させて頂きます。
風通しのいい家をお探しの方は必読でございます。
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この記事の概要
風通しのいい土地の4つの条件
風通しのいい家を作るには、風のよく通る環境でなくてはいけません。
なぜなら風のよく通る家を作っても、そもそも風が吹いてこなければ意味がないからですよ。実にシンプルな理論ですね。
ではどんな土地が風通しのいい土地なのでしょうか?
それは次の4つの条件を満たす土地でございます。
1・風上からキレイな風が吹くこと。
風通しのいい土地の条件は、風上からキレイな風が吹くことです。
「森を吹き抜けるマイナスイオンたっぷりの風・・・」とまでは言わなくても、汚れていないキレイな空気であることは必要でしょう。
・窓の近くに駐車場があり、排気ガスが入る。
・道路に面している窓で、排気ガスが入る。
・近所に飲食店があり、油の臭いが入る。
・ゴミステーションが近くにあり、異臭がただよう。
このような環境では、とても窓を開けて「爽やかな風通し~」なんてできませんよね。
はて、風通しのいい家とはいったい・・・?(錯乱)
また車の排気ガスは加熱されているので、「窓を開けると涼しい風~」とはなりません。
風通しのいい家を作るだけはなく、風上から「キレイな風」が入ることが風通しのいい家には不可欠なのです。
2・風上の家の間隔が広い。
風通しのいい土地の条件は、風上の家の間隔が広いことです。
風の性質上、途中に障害物があると急速に風速は弱まってしまいます。
そのため窓を開けたときに風が入ってくるためには、風上(風が吹いてくる方向)に十分な間隔があることが条件になります。
風速を弱めないで、快適な風を得るためには、
・窓の先が空き地である。
・窓の先が庭続きになっている。
・窓の先が広大な草原になっている。
など、いささか現実離れした条件が必要です。
しかし台風などで風が強く吹きすぎるので、現実問題として風よけは必要となります。(防風林など)
「風通しのいい家で、夏場のエアコンを削減しよう!」とお考えは、現実的に超えるべきハードルが多すぎるのです。
3・静かな周辺環境である。
風通しのいい土地の条件は、周囲が静かな住環境であることです。
窓を開けたとき、
・車の通る音。
・トラックが通る振動。
・電車が通る音。
・お隣さんのテレビの音。
・エアコンの室外機の音。
などが気になってしまう環境では、おちおち窓を開けられません。
ちなみにですが、その点、袋小路の立地は最高かと思います。
私自身袋小路に住んでいますが、これが実に快適なんですよね。おすすめですよ。
4・防犯面でも安心できる間取り・地域である。
風通しのいい土地であるためには、防犯面でも安心できる間取り・地域であることが必要です。
「風通しのいい家」とはなかなか素敵な響ではありますが、窓を開け放すことはつまり、防犯対策を放棄するようなものですから。
窓を開けるためには、身の安全が確保された状態でなくてはいけません。
それでも風を通すために、窓に鉄格子をつけては、風情の欠片もないじゃないですか。
風通しをよくするには、周辺環境の防犯性を考慮し、窓を開けても安全な位置にする間取りが必要です。
現実問題として、一軒家で風通しがいいのは条件が限られる。
風通しのいい家を実現するには、風通しのいい環境(土地)であることが必要です。
風通しのいい土地の条件とは、
1・風上からきれいな風が吹くこと。
2・風上の家の間隔が広い。
3・静かな住環境である。
4・防犯面でも安心できる間取り・地域である。
この4つが必要です。
ですが現実問題として、この4つの条件を満たす土地を見つけるのはかなりハードルが高いです。
出現率の低すぎるレアな土地を探し求めるのは大変です。
風通しの悪くない土地を選ぶ。
「風通しのいい家」というフレーズ。私は大好きでございます。
しかし現実問題として、風通しのいい家を作るために必要な風通しのいい土地を探すのはハードルが高いのです。
そこで1つご提案ですが、「風通しが悪くない土地で妥協する」というのはいかがでしょうか?
風通しがいい条件はハードルが高すぎますが、風通しが悪くない条件に書き換えるとハードルは下がります。
・窓を開けても、悪臭はしない。
・住宅地で家が多いけど、至近距離で密着していない。
・車は通るけど、交通量はそこまで多くない。
・時間帯によっては、窓を開けられる。
風通しが悪くない土地であれば、「よし」とした方がいいかもしれません。
風通しがよくなくても、高気密・高断熱で十分快適だったりする。
風通しの悪くない土地で妥協する理由は、もう1つございます。
それは近年の家の高気密・高断熱化です。
私の生まれ育った時代では断熱性能の欠片もない家でしたので、窓全開で扇風機、もしくはちっとも効かないエアコンでガンガン冷やす、というパターンが主でした。
ですが時代は変わりました。
断熱材が進歩し、家の気密性も上がっております。
そのためエアコンをつければ、室内はとても快適なんですよね。
・・・え?風通しですか?はて、そもそもあまり窓を開けないので・・・。
現代の住宅では、風が通らなくても十分快適にすごせる環境が整っているのです。
風通しをよくするための間取りの工夫。
「高気密・高断熱のおかげで、快適な暮らしができるのは分かっている!」
「でも自然の風を取り入れたいんだ!」
という方。素敵なスピリッツですね。どうやら私とは仲良くなれそうです。
そんな方のために、風通しを(若干ですが)よくする間取り・工夫をご紹介させて頂きます。
部屋の2か所に窓をつける。
風通しをよくする基本の間取りは、部屋の2カ所以上に窓をつけることです。
「風が通る」ということは、風が入ってきて、出ていくまでのルートが必要です。
1か所だけの窓では風の抜け道がないので、入ってくる風も少なくなってしまいます。
吹き抜けをつくり、高い位置に窓を作る。
窓は高い位置にある方が、風は通ります。
それは高い場所の方が障害物が少ないので、風速が(若干ですが)弱まらないからです。
・マンションの高層階の方が風が通る。
・一軒家でも1階より2階の方が風が通る。
このような例は、高い位置の方が風がよく通る好例です。
風をよく通すために、吹き抜けをつくり、高い位置に窓を取り付けることは有効です。
高窓を作る。
吹き抜けでなくとも、高い位置に窓を取り付ける(高窓)も風通しに有効です。
とくに夏の暑い空気は下から上に流れます。
高窓を作ると、空気が下から上に流れるに従って、風も一緒に流れます。(理論的には)
イエス、風通しとは奥が深い世界なのです。
縦すべり窓をつける。
縦すべり窓とは、窓を外側に押し出して開ける窓です。
このように窓が船の帆のようになるので、窓に風が当たることで室内に風が流れます。
縦すべり窓も風通しには有効でしょう。しかし問題として考えられるのは、
・風が強すぎると、危なくて開けられない。
・そもそも縦すべり窓を全開にすることはあまりない。
・風がそろそろ吹く程度では、効果があるのか疑問。
などがあります。
風通しとは考え方によっては、「風の感じ方」でございます。
つまり気持ちの持ちよう、気分次第、とも言えますね。
まとめ:風通しのいい土地は少ない。悪くない土地で妥協しても可。
風通しのいい家。最高ですよね。
エアコンつけると風邪を引きやすくなる人(私含む)にとっては、夏の風通しは重要です。
しかし風通しのいい家を建てるには、風通しのいい環境(土地)が必要です。
風通しのいい土地は、次の4つの条件が必要です。
1・風上からきれいな風が吹くこと。
2・風上の家の間隔が広いこと。
3・静かな住環境であること。
4・防犯面でも安心できる間取り、環境であること。
しかし現実問題として、この条件を満たす土地はそうそう見つかりません。
ですので、風通しが悪くない土地で妥協するのも大切です。
風通しをよくする工夫もありますが、最近の住宅は「高気密・高断熱」なので、風が通らなくても快適ですよ。
素敵な家作りを。それでは、また!
▽注文住宅の土地の選び方は、こちらにまとめました。
▽「キレイな風が吹く」という意味でも、袋小路はおすすめですよ。
▽土地探しは不動産会社に行く前に、ハウスメーカーに行くべきです。
なぜなら家以前の問題として、そもそも風が通る土地なのか?、ということが問題だからです。