こんにちは。
新築住宅の基礎工事。しかし天気はあいにくの雨。
雨に濡れたデロデロの生コンクリートを見ると、
「夢にまで見たマイホームも、基礎工事からして天に見放されたのか・・・。」
と肩を落としてしまいます。
ですが、ご安心くださいませ。
ですので、大丈夫です。あなたのマイホームは天に見放されたワケではありません。
むしろコンクリートは水のある湿った環境で強く固まるので、ある意味ラッキーかもしれません。
この記事では基礎工事中に雨が降っても大丈夫な理由を解説させて頂きます。
大切なマイホームの基礎が雨に濡れても大丈夫。まずはご安心くださいませ。
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この記事の概要
基礎工事の雨が大丈夫である2つの理由。
基礎工事で雨が降ってきても、コンクリートは問題なく固まります。
理由は2つございます。
1・コンクリートは乾燥ではなく、水との化学反応で固まるから。
2・コンクリートを薄めるほどの雨はめったに降らないから。
だから、基礎工事中に雨が降っても大丈夫でございます。
コンクリートが固まるのは、水とセメントが化学反応。
コンクリートがガッチガチに固まるのは、コンクリートの中の水分が乾燥で固まるからではありません。
コンクリートのセメントが水と化学反応するから固まるのです。(水和反応)
水和反応でゲル化したセメントが、コンクリート中の砂利・砂の隙間を埋めていきます。その後コンクリート中の水分が抜けて、ガチガチのコンクリートが完成します。
「水分が抜けて」というワード。先ほどと矛盾してますよね?
これでは「雨が降ったら、水分が抜けない・・・」と思うのは当然のこと。
ですが、そうではないのです。
コンクリートの水分が抜けるのは、水和反応による発熱が起きるからです。
コンクリート打設後、コンクリートは水和反応で発熱します。その熱で水分が抜けていくのです。
ゆえにコンクリートは乾燥で固まるのではなく、水和反応(化学反応)によって固まるのです。
・・・ご安心されましたでしょうか?
ですので、新築住宅の基礎工事中に雨が降っても問題ありません。
なぜならコンクリートが固まるには、水が必要だからです。
むしろ夏に基礎工事をするとき、あえて打設したコンクリートに散水し、その上ブルーシートで養生する場合もあります。
それはセメントの水和反応の発熱により、コンクリートのひび割れを防ぐためであり、不足した水分を補うためです。
コンクリートを薄めるほどの雨にはならない。
雨の日に基礎工事をしても問題ないと言われても、気になることがあります。
それは雨が降りすぎて、コンクリートが薄まってしまうこと。水で薄まったコンクリートはシャブコンと呼ばれ、本来の強度が発揮されません。
しかし結論から申し上げますと、コンクリートが薄まるほどの雨である確率は低いです。ご安心くださいませ。
新築住宅のベタ基礎に使われる生コンの量は、およそ14㎥(施工面積58㎡・データ引用:住宅リフォーム見積りチェックシステム)。
これは10tミキサー車、3台分に相当する生コンになります。
これだけの生コンを薄めてしまう雨となれば、よほど強い雨が、そして長時間降り続けなくてはいけません。
このような雨がコンクリート打設中ずっと降り続けていると、さすがにコンクリートの配合比が保てない可能性があります。
ただし打設する生コンは、工場をミキサー車が出発してから、およそ3~5時間で固まりはじめます。
工場と工事現場との移動時間を差し引けば、強い雨に降られる時間も限られます。
また雨がまんべんなくコンクリート全体を薄める可能性は低く、表面だけの濃度が変わる可能性も否定できません。
とはいえ、生コン工場を出荷してからの経過時間(コンクリートが固まる時間)を加味する必要があり、現場での判断が必要です。
コンクリート打設中に雨が降ると、セメントと水の配合比はたしかに変わります。
ですが基礎工事に使う生コンを薄めるには、よほど強い雨が必要です。
その意味では基礎工事中の雨は、あまり気にしなくても大丈夫でございます。
基礎工事中の雨よりも、注意すべきことがある。
基礎工事は家作りの最初の工事。だから雨が降ると、色々心配してしまいます。
ですが基礎工事中の雨は、あまり気にする必要はありません。
むしろ、基礎工事の雨よりも注意すべきことがございます。
基礎工事中の雨より、配筋の施工を確認!
基礎工事中の雨は、問題にならないことが多いです。
ですので雨を気にするよりも、基礎でもっと大切な部分「配筋」をチェックしましょう。
画像引用:住宅検査カノム
配筋がサビてしまうと、基礎の強度が保てません。そのため配筋がサビないように、しっかりコンクリートで守る必要があります。
ですが配筋の施工が雑で片側に寄っていると、コンクリートで守られる幅が少なくなり、経年劣化でサビやすくなってしまいます。
生コンを打設してしまうと配筋は見えなくなってしまうので、打設前に配筋をチェックしておきましょう。
配筋の施行状況は、生コンを流す前に確認しておきたいところであります。
▽合わせて確認したい基礎のチェックポイントはこちら!
基礎の中に水たまりが残ったまま、床を張ってしまうこと。
基礎工事中に雨が降ること自体は、問題ございません。
しかし雨が降った水をそのまま放置するのは避けるべきです。
とくに基礎の中に水が残ったまま床を張ってしまうと、湿気がこもり、カビ・シロアリの原因になってしまいます。
・・・いつか、どこかのタイミングで、誰かが水を抜いてくれると思っていたのですが・・・これはいかに・・・。
「黙っていても、きちんとやってくれるだろう」は、厳禁でございます。
しっかり現場監督と打ち合わせしながら、工事をすすめるのが大切です。
基礎工事中の雨より、上棟の雨の方が怖い。
基礎工事中の雨もハラハラして生きた心地はしませんが、もっとビクビクするのが上棟での雨です。
木材を組み上げて、屋根まで取り付ける作業。ツー・バイ・フォーの場合、フレーミングとも呼ばれる。
上棟の途中で雨が降ってしまうと、大切なマイホームの木材が濡れてしまいます。
上棟している最中にガッツリ雨に降られてしまうと、
・木材が濡れて黒く汚れてしまう。
・床板の合板がめくれる。波打ってしまう。
・湿気をおびて、カビの原因になってしまう。
など、リアルな被害が出る可能性が高いです。
(ただし基本的には十分に乾かせば、問題ないことが多いです。)
雨で心配すべきは、上棟でございます。
▽上棟中に雨が降ってしまったときの影響と対策はこちら。
まとめ:基礎工事の雨はほぼ大丈夫。
基礎工事で雨が降ってしまい、マイホームの完成を心配して心を痛める方は多いです。
ですがご安心くださいませ。基礎工事中の雨は、問題にならないことが多いです。
1・コンクリートが固まるのは、水とセメントの化学反応で固まるから。
2・コンクリートが薄まるほどの雨は、長時間のどしゃ降りが必要だから。
さすがに台風直撃のどしゃ降りの中、基礎工事をするのはよくないです。中止すべきでしょう。
ですが小雨~一般的な雨(降水量3~5mm)程度であれば、問題にならないことが多いです。
むしろ熱い夏場での基礎工事で、基礎に散水するのが「親切・丁寧な業者」と称賛されるぐらいですから。打設したあとの雨は気にしなくて結構です。
基礎工事のあとも、家作りの修羅はたくさんございます。基礎の雨は心配しなくて大丈夫ですので、次のステップに備えましょう!
素敵な家作りを。それでは、また!
▽上棟中に雨が降ってしまったときの影響と対策はこちら。
▽基礎でチェックしたい記事はこちら!
なぜなら基礎工事中に雨が降っても、問題なくコンクリートは固まるからでございます。