新築建売住宅の基礎の下部にサビが…!強度に影響はあるの?買っても大丈夫なの?

こんにちは。

 

新築で買おうとする家の基礎からサビが出ていると、すごく不安に思いませんか?

基礎から出るサビは、コンクリート内部の鉄筋がサビているのが原因です。鉄筋がサビてしまうと基礎の強度が落ちてしまい、強い地震が来たときに家が倒壊する可能性があります。

しかし基礎のサビにもいくつか種類があり、構造に問題のないサビ(欠陥ではないサビ)もあるのです。

 

この記事では、新築住宅に見られる基礎のサビについて解説させて頂きます。

「基礎のサビのすべてが欠陥住宅」、というわけではございません。まずは一呼吸ついて、落ち着きましょう!

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新築住宅の基礎にサビが出る原因。

新築住宅の基礎からサビが出てしまうのは、内部の鉄筋がサビてしまうからです。

ではコンクリートの内部にある鉄筋は、なぜサビてしまうのでしょうか?

コンクリートでしっかり保護しているので、内部の鉄筋がサビることは通常ありません。

しかし次のようなことが起きると、内部の鉄筋がサビてしまい、基礎にサビがでる原因になってしまうのです。

 

基礎のヒビ割れが雨水が侵入して、内部の鉄筋がサビる。

コンクリート内部の鉄筋がサビてしまうのは、基礎のヒビ割れから雨水が侵入してしまうのが原因です。

基礎の内部に雨水が侵入してしまうと、鉄筋をサビから守るアルカリ性のコンクリートがじょじょに中性化してしまいます。

コンクリートが中性化してしまうと、内部の鉄筋がサビやすい環境に。その結果、基礎の強度が下がってしまうのです。

 

しかしコンクリートのひび割れには2種類ありまして、

・ヘアークラック(幅0.3mm以下のひび割れ):放置しても問題ないことが多い。

・構造クラック(幅0.3mm以上、深さ5mm以上のひび割れ):放置すると、基礎の強度が下がる。

問題になるのは、構造クラックでございます。

そのまま放置するとそこから雨水が侵入してしまい、コンクリートの中性化がはじまってしまいます。見つけ次第、かならず補修することが必要です。

 

打設不良(ジャンカ)から空気と水に触れてしまい、内部の鉄筋がサビる。

コンクリート内部の鉄筋がサビる原因として、打設不良(ジャンカ)があります。

打設不良(ジャンカ)とは?

コンクリートを流し込むときにバイブレーターでよく振動させないと、骨材がよく混ざらずに1か所に固まってしまうこと。

新築住宅でしばしば見かけるジャンカは、構造に問題ないことが多いです。

しかしジャンカの程度がひどくなると、内部の鉄筋が空気と触れやすくなってしまい、サビの原因になってしまいます。

 

ジャンカの程度による影響は、日本コンクリート協会によって指針が出されています。

ジャンカの程度 補修方法
砂利が表面に露出していない。(健全)
砂利が表面に露出しているが、表面の砂利を叩いても剥がれない。はつり取る必要のない深さ(目安1~3cm) 不要部分をはつり取り、ポリマーセメントを塗布後、ポリマーセメントモルタルを充填する。
砂利が露出し、表面を叩くと剥がれるものがある。しかしバラバラと剥がれ落ちることはない。(目安1~3cm) 不要部分をはつり、無収縮モルタルを充填する。
鉄筋が露出し、バラバラと剥離することがある。(目安3~10cm) 不要部分をとり、コンクリートを打ち換える。

すぐ構造に影響を与えることはないですが、発見次第すぐ補修することが大切です。

 

▽新築住宅の基礎のチェックポイントは、こちらでもまとめています。

新築住宅の基礎の4つのチェックポイント!|強い基礎を見抜け!

2019.04.27

 

基礎の強度に影響しないサビとは?

新築住宅の基礎からサビが出ているのは、どう解釈してもこのましい状況ではありません。

ですので基礎のサビを見つけてしまうと、

 

「もしやこの家は欠陥住宅なのか・・・!?!?」

 

と、我を忘れて取り乱してしまうのです。ですが、ご安心くださいませ。

イエス、マダム。

なぜなら基礎の強度に影響しないサビもあるからです。

基礎のサビのすべてが、強度に影響を与えるわけではございませんよ。

 

コンクリートを流し込む型枠を固定する「金具のサビ」の可能性もある!

基礎の強度に影響を与えないサビ。それはコンクリートを流し込む型枠を固定する「金具のサビ」でございます。

型枠を固定する金具は、コンクリートの強度を保つ鉄筋とは関係ないので、金具がサビても基礎の強度には影響しません

新築住宅で使われる型枠を固定する金具には、このような「セパレーター」と呼ばれる金具が使われるときがあります。

画像引用:匠の一冊

金具の両サイドに木枠を固定して型枠を作ります。その枠のなかにコンクリートを流し込むのですね。

コンクリートを流し込んだあとは、木枠を固定していた両サイドをパキっと折り取ることができるようです。

画像引用:匠の一冊

基礎から出ているサビ。その原因は、もしかしたら基礎の型枠を固定する金具のサビかもしれません。

金具は基礎の底につけられるので、サビが出るのも底でございます。

基礎の底にサビを発見したら、型枠を固定する金具のサビの可能性を考えてみましょう。

 

▽ちなみにアマゾンでの販売も確認できました。

 

なにを隠そう、私の買った家の基礎のサビでした。

家を購入する当時、私は焦りました。

なぜなら新築で買った家の基礎からサビが出ていたからです。

基礎からサビが出る原因は、内部の鉄筋がサビているから。内部の鉄筋がサビると基礎の強度が落ちてしまい、強い地震が来たときに倒壊する可能性があります。

そう思っていた私は、担当者に基礎のサビを確認してみました。しかし満足のいく回答はもらえませんでした

・・・え?金具の取り忘れですと?

いや、そもそも金具ってなに?取り忘れていいものなんですか!?!?

満足のいく回答ではないものの、どうしてもその家が欲しかったので、無理に自分を納得させ、そのまま購入しました。

 

それから5年。こちらのツイートをきっかけに貴重な情報を頂いた次第です。


いつも交流させて頂いているジロさんから直接DMして頂き、木枠を固定する金具のことを教えて頂きました。

しかも分かりやすい手書きのイラストまで添えて頂いて・・・。

またブロガーのユウキさんからも助言頂きました。


親切なご対応、ありがとうございます!

ジロさんのブログ:Jiroの端株投資奮闘記

ユウキさんのブログ:注文住宅ラボ

 

もし私と同じような基礎のサビで悩んでいる方がいるなら、大きな声でお伝えします。

その基礎のサビは、基礎枠を固定するための金具のサビの可能性が高いです。

だからご安心くださいませ。

ちなみに私が買ったのは、大手パワービルダーの飯田産業でございます。

世に多くの飯田産業の家があると思われます。どうぞご参考くださいませ。

 

▽基礎に不満が残りつつも、家を買った当時の記事はこちらです。

買ってはいけない!?基礎にひび割れのある建売住宅を買った3つの理由!

2017.10.01

 

それ、本当に基礎から出たサビなの?

このようにして基礎のサビと一言でいっても、

・どんなサビなのか?

・どんな風にサビが出ているのか?

・基礎のどの部分にサビが出ているのか?

によって、症状もちがいますし、対応も変わってきます。

基礎からサビが出ているように見えるけど、実はちがう原因の場合もあるので注意が必要です。

 

雨漏りが床の木材を濡らしてしまい、木のアクがたれている。

基礎に赤茶色の液体がたれた跡がある。この原因は雨漏りが床の木材を濡らしてしまい、木のアクがたれている可能性も考えられます。

原因は雨漏りなので、そのまま放置すると

・床が腐る。

・床がカビる。

・床がシロアリの被害にあう。

などの影響があります。

この場合修理すべきは基礎ではなく、雨漏りです。まずはどこから雨漏りしているのか、雨漏り調査をする必要があります。

 

外壁の内部に水が侵入してしまい、外壁を打ち付けている釘がサビている。

また基礎をたれるサビの原因として、外壁を打ち付けている釘からサビが出ている可能性もあります。

これは外壁の内部に水が侵入してしまい、外壁の釘がサビてしまっているのが原因です。

このまま放置してしまうと、

・外壁が腐る。カビる。シロアリ被害にあう。

・外壁が脱落するリスク。

・断熱材が湿気を吸ってしまい、性能が低下する。

などの影響がございます。

基礎に症状が現れていますが基礎の問題ではなく、外壁の防水処理が問題です。

 

防蟻処理剤が雨で流れてしまった。

また基礎にサビのようなものが流れる可能性として、雨で防蟻処理剤・防腐剤が流れてしまったこともありえます。

防蟻処理剤・防腐剤が雨漏りによって流れてしまい、基礎にサビのような跡を残してしまいます。

この場合、基礎に異常があるわけではありません。

しかし雨で防蟻処理が流れているので、シロアリを防ぐ力が残っていません。

また雨漏りが原因なら、カビの影響も無視できません。

基礎に問題はなくても、かなりまずい状況であることは変わりませんが・・・!

 

▽シロアリ被害については、こちらでまとめています。

シロアリから新築の家を守る方法・対策|5年に1回の防蟻処理のメンテナンスを!

2019.04.03

 

まとめ:「基礎のサビ=基礎の強度不足」とは限らない。

新築住宅の基礎にサビを発見すると、いっきに血が引いていきます。「この家は買ったらやべぇんじゃないか?」センサーがビンビン反応します。

ですが「基礎のサビ=強度不足=欠陥住宅」とは限りません。なぜなら基礎の底にある金具がサビている可能性があるからです。

基礎の型枠を作るときの金具は、内部の鉄筋とは関係がないので強度には問題ありませんよ。

基礎のサビ、めっちゃ不安でしたが、これで一安心であります!

分からないこと・疑問点が1つでも残っていると、それは大きな不安になってしまいます。

たとえちょっとしたサビでも、その原因を詳しく見てみると安心しますよ

素敵な住宅購入を。それでは、また!

 

▽このひび、大丈夫?と思いつつ、家を買った理由はこちらです。

買ってはいけない!?基礎にひび割れのある建売住宅を買った3つの理由!

2017.10.01

 

▽本当に怖い欠陥住宅。ですが防ぐ方法もゼロではないのですよ。

新築住宅で手抜き工事・欠陥住宅の防ぎ方5つの方法。|マイホームを守れ!

2019.05.01

 

▽屋根は雨漏りしない形状が一番です。

大切なのは雨漏りしないこと。注文住宅の屋根の形・屋根材の種類と選び方!

2019.03.19

こちらの記事もお勧めです。