こんにちは。
家の構造は、マイホームのスペックを決める「根幹」でございます。
それにも関わらず注文住宅の構造は、ハッキリ申し上げて違いがよく分かりません。
ですので間違ったイメージのまま、家作りを進めてしまう方が多くいらっしゃいます。
「木造は火に弱い。」
「鉄骨だからシロアリ被害がない。」
「リフォームするなら、軸組み工法(在来工法)がいい。」
これらはすべて間違った認識です。このままの認識で家作りをすすめてしまうと、後悔の原因になってしまいます。
この記事では家作りで後悔しないための、
・間違いやすい構造の特徴
・木造(軸組み・ツーバイフォー)、鉄骨造の特徴・メリット・デメリット
について解説させて頂きます。
正しい知識で、正しい構造を選ぶ。これぞ幸せなマイホームへの、第一歩でございます。
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新築の注文住宅で選べる構造は3つ。
新築の注文住宅で選べる構造は3つあります。
軸組み工法(在来工法) | 木の柱と梁で枠を作る。筋交いを斜めに入れて、耐震性を高める。
最近の主流は耐力壁を打ち付けた、「モノコック構造」 |
ツー・バイ・フォー | サイコロのような面で家を支える。耐震性・気密性が高い。
2×4インチの木材を使う。 |
鉄骨造 | 鉄骨の柱と梁で枠を作る。大きな空間が作れる。
大手ハウスメーカーが採用している。 |
ただし!
現在、主流となっている構造・工法は少しちがいます。
かつては日本の木造住宅の多くが、軸組み工法(在来工法)で、柱と梁・筋交いで建てられていました。
しかし現在の軸組み工法は、「モノコック構造」と呼ばれています。
サイコロのように、面で家を支える構造のこと。ツー・バイ・フォーも、モノコック構造の1つ。
軸組み工法で柱と梁で枠を作り、その上から耐力面材を打ち付けます。
画像引用:桧屋 公式
進化を続ける建築技術。
在来工法は地震に弱いとされていましたが、耐力面材を打ち付けることで、ツー・バイ・フォーと変わらない耐震性を獲得しています。
ひと昔前は軸組み工法(在来工法)とツー・バイ・フォーはまったくの別物でしたが、近年では特徴・スペックがかなり似てきました。
木造はハウスメーカー独自の呼び名が多い。
木造の構造は、「軸組み工法」、もしくは「ツー・バイ・フォー」の2つだけです。
しかしハウスメーカー独自に呼ぶ、オリジナルの工法が多く存在します。
・ハイブリット工法(桧屋住宅)
・マルチバランス構法(住友林業)
・木質パネル接着工法(ミサワホーム)
・プレミアム・モノコック構法(三井ホーム)
・ツインモノコック構法(一条工務店)
・I.D.S工法(飯田産業)
言葉だけ比較すれば、どれもまったく別の工法に見えます。
ですがこれらはすべて共通して、「木造で面(耐力壁)で家を支える構造(モノコック構造)」であることが共通しています。
つまり、家を支える構造としては「ツー・バイ・フォー」といえます。
ただし在来工法のように柱と梁を通してから、面材を打ち付けていることもあります。(ハイブリット工法)
ハウスメーカーが独自工法と称してブランド戦略を打ち出していますが、これは裏を返せば「それだけ差別化しにくい」ということ。
ですので「木造住宅 = モノコック構造 = 耐震性がどれも高い」と思って頂いて間違いありません。
木造・鉄骨造の特徴と、ありがちな6つの間違い。
注文住宅の構造は分かりにくい上に、ハウスメーカーが独自のネーミングをするものですから、私たちは混乱してしまいます。
そのため木造・鉄骨造に対して、間違った特徴で勘違いしている方も多いのです。
間違った認識のまま家の構造を決めてしまうと、入居してからの後悔の原因になってしまいます。
家の根幹となす構造。しっかりと正しい認識にアップグレードしましょう。
1・鉄骨だからシロアリ被害がない → 鉄骨でも壁は「木」。
鉄骨・木造でよくある間違いは、
・鉄骨だからシロアリ被害がない。
・鉄骨のメリットは、シロアリに強いこと。
でございます。
たしかに木造よりは少しは被害に遭いにくいでしょうが、鉄骨造でもシロアリ被害に遭うときは遭います。
なぜなら柱が鉄骨でも、壁は「木」だからでございます。
鉄骨造でも、壁は「木」です。ですので地面からシロアリが這い上がってきて壁に到達すれば、そこからシロアリ被害が拡大してしまいます。
柱が鉄でも、シロアリ被害は防いでくれません。
シロアリ被害を防ぐには、鉄骨・木造関係なく、シロアリ対策が大切です。
・ベタ基礎・土間コンクリート・防湿シートで、地面からの接触をカット。
・木材に防虫剤を塗る。加圧注入する。
・床下を換気して、湿気が溜まらないようにする。
鉄骨でもシロアリ被害は安心できません。
シロアリが地面を上り、基礎の上にある壁に到達してしまったら、木造同様にシロアリ被害に遭ってしまいます。
▽鉄骨でもシロアリ対策は必須です。
2・鉄骨だから地震に強い。 → 木造も地震に強い。
「鉄骨だから地震に強い。」
「だから鉄骨のハウスメーカーと契約する。」
と思っているならば、すぐに認識を改めるべきでしょう。正しくは、
「鉄骨は地震に強い。でも木造も地震に強い。」
で、ございます。
鉄骨が地震に強いのは間違いありません。でも地震に強いのは、鉄骨だけではないのです。木造も地震に強いのです。
木造住宅は昔からあるので、大きな地震のたびに倒壊しているイメージがあります。
ですが倒壊する木造住宅の多くが、築年数の古い中古住宅です。つまり新しい基準、最新の技術で建てられた木造住宅は、大きな地震でも倒壊する事例はほとんどありません。
木造住宅を手がける大手ハウスメーカーは、独自に耐震実験を繰り返しています。
木造プレミアムモノコック構造の三井ホームでは、自社実験の結果、「震度7に60回耐えた」と公表しています。
ここまでのデータがありながら、「木造は地震に弱い」とは言えませんよね。
鉄骨も木造も、地震に強いです。
ちなみにですが、地震に対しては軽い方が有利です。
鉄骨は木造より重いので、地震によって2階が激しく揺れることがあります。ただし、鉄骨造のハウスメーカーは制振ダンパーを採用しているので、揺れは吸収されます。
▽木造・鉄骨だけで耐震性は決まりません。
3・木造だから火事に弱い。鉄骨だから火事に強い。
よく言われるのが、「木造だから火事に弱い。鉄骨だから火事に強い。」。
これはですね、完全に勘違いでございますよ。
正しく言い換えますと、
「木は燃えるけど、表面が黒焦げ(炭化)になって、完全に燃えるまで時間がかかる。」
「鉄は燃えないけど、熱(550度)で強度が落ちて、ぐにゃりと曲がる。」
と、なります。
「どちらがいいの?」と聞かれると返答に困ります。
しかしあえて申し上げるなら、「火災に強そうだから、鉄骨にする!」というのは、おすすめできません。
熱によって変形し、倒壊の恐れが高いのは「鉄骨」だからです。
そもそも火事による影響は、家の構造だけによって決まるものではありません。
・耐火性のある外壁、窓を選ぶ。
・燃えない断熱材を選ぶ。
・燃えても有毒ガスの出ない断熱材を選ぶ。
・火が燃え広がらない、「ファイヤーストップ構造」を採用する。
鉄骨・木造関係なく、これらの防火対策は必須です。
「火災に強そうだから・・・」と思って、鉄骨にするのは後悔のもとですよ。
4・木造は施工のレベルがまちまち → プレカット・工場生産で品質が均一に。
木造住宅のデメリットとして施工技術がまちまちで、欠陥住宅が生まれやすい・・・というものがありました。
たしかにこれまでの木造住宅(とくに在来工法)は、現場での作業が多く、大工の腕による部分が多かったです。
・・・ですが、ときは令和の時代になりました。
最近の木造住宅はプレカット・工場生産が普及したので、家の品質も一定になりました。
大手ハウスメーカーでは、木造住宅でも工場で大部分を作ってしまい、現場では組み立てるのみです。(ミサワホーム)
なんとなく鉄骨の方が寸分変わらない正確さがありそうですが、それは単なるイメージです。
令和の現代では、木造住宅もとても精巧でございます。
5・鉄骨造だから高い。木造だから安い。 → 全体の割合は低い。
「鉄骨のデメリットは、建築費が高いこと」
って言われるじゃないですか。
たしかに鉄骨の方が木材よりも高いです。ですが全体の建築費を考えると、鉄骨・木造による費用は微々たるものなのですよ。
延床面積100㎡の家を建築する場合、構造材に使われる木材の材料費は70~100万円と言われています。
これは全体の建築費の5~8%でしかありません。(全体の建築費を1,500万円とした場合。付帯工事・外構工事除く。)
床暖房+150万円、全館空調システム+100万円を考えると、安いというかコスパがいいというか・・・。
ですので、「鉄骨 or 木造」のちがいによって坪単価はそれほど変わりません。
それにも関わらず鉄骨造の方が高く感じてしまうのは、鉄骨造を採用しているハウスメーカー(積水ハウス・セキスイハイム・パナソニックホームなど)が、そもそもハイグレードだからです。
6・木造はあったかい。鉄骨は寒い。 → 断熱材次第。
「木造は暖かい。木のぬくもりがする。」
「鉄骨は寒い。新築なのに冷える。」
なんて声、聞いたことありませんか?
この際ですのでハッキリ申し上げますが、それ、気のせいですから。鉄骨・木造だから寒い、暖かいはありません。
どちらも断熱性を計算し、断熱材を丁寧に施工している(はず)なので、鉄骨・木造ともに暖かいです。
ただし鉄骨が寒いと言われてしまうのは、材料としての熱伝導率が高いからです。
熱伝導率(W/mK)
鋼材:53
木(合板):0.16
※いずれも数字が小さいほど、熱を通しにくい。
熱伝導率を比較すると、鋼材は木材の300倍近くも熱を通してしまうことが分かります。
しかし鉄骨造の注文住宅では、鉄骨の中に断熱材を敷き詰めることで、暖かい家を実現しています。
画像引用:大和ハウス
厳密にいえば、鋼材の部分は断熱性が低くなります。
しかし鋼材のわずかミリ単位の厚みによって、「寒い・・・」と感じることはあるでしょうか?
木造だから暖かい、鉄骨だから寒い。というのは、気のせいでございましょう。
いえ、木のぬくもりを感じる、フィーリング的なところは大切ではありますが。
▽新築よりも寒い!と思ったら
まとめ:木造・鉄骨の特徴を正しく知ろう!
新築の注文住宅の構造は、しばしば間違ったイメージのまま選びがちです。
ですが間違った特徴のまま契約してしまうと、入居してから後悔する結果になってしまいます。
・鉄骨だからシロアリ被害にあわない → 鉄骨でも壁は「木」。
・鉄骨だから地震に強い → 木造でも地震に強い。
・木造だから火事に弱い。鉄骨は火事に強い → どちらかと言えば、木造の方が強い。
・木造だから施工レベルに差がある → プレカット・工場生産で品質が均一に。
・鉄骨は高い。木造は安い。 → 建築費に占める構造材の割合は微々たるもの。
・木造は暖かい。鉄骨は寒い → 断熱材次第。
木造か鉄骨か。
軸組み工法(在来工法)か、ツー・バイ・フォーか。
どれを選ぶにしても、正しいイメージでフラットに選ぶことが大切です。構造は家の根幹ですので、じっくり選びたいですね。
素敵な家作りを。それでは、また!
▽ハウスメーカーの選び方はこちらをチェック!
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家作りは情報収集が肝心です。
約7割の方が10社以上のハウスメーカーのカタログを請求し、比較・検討しています。(SUUMO調べ)
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