こんにちは。
「立地も最高。通勤も子供の登校も完璧!!この土地が欲しい!!!」
・・・と思っていた土地が軟弱地盤だったら、あなたはどうしますか?
A:軟弱地盤と知りながら買ってしまう。
B:軟弱地盤の土地はぜったいに買わない!
「A」も「B」も、どちらも正解・不正解はありません。
ただ、「軟弱地盤はぜったいに買わない!!」と頑固になるのはもったいないな、と思います。
「軟弱地盤はさけるべし」
とは、だれしも納得する言葉です。
しかし実際の問題として、日本の土地の多くは軟弱地盤であり、都市部の立地のいい土地ほど軟弱地盤である傾向が強いからです。
ですので「軟弱地盤だから絶対に買わない!」とかたくなに拒んでいると、逆にそれが家作りの後悔のもとになってしまいます。
では希望していた土地が軟弱地盤だったとき、どうしたらいいのか?
その方法をお伝えしたいと思います。
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この記事の概要
なぜ日本の土地の多くが軟弱地盤なのか?
「軟弱地盤はさけるべし!」
「買うなら絶対、強い地盤!」
イエス、完全におっしゃる通りでございます。120%正解で、ぐうの音も出ません。
ですが、これはあくまでも理想論であり、現実問題としては強い地盤を探すのは大変です。
なぜなら日本の多くの土地が軟弱地盤で、「軟弱地盤の上に3800万人もが住んでいる」、というデータもあるからです。(防災科学技術研究所)
海・湖・川。埋め立てを繰り返して発展してきた街の歴史。
日本の多くの土地が軟弱地盤であるのは、埋め立てを繰り返して発展してきた街の歴史があるからです。
とくに大都市(東京・大阪・名古屋・福岡など)ほど、集まる人口に対して不足する土地を補うため、古くから埋め立てを繰り返して発展してきました。
東京では江戸時代より埋め立てが行われ、当時江戸城のすぐ近くまでが海だった、というのは有名な話。
こちらは今昔マップで比較した、1896年と現在の東京の地図です。
江戸川区・浦安市の海沿いで埋め立てが行われ、住宅地になっている。
江東区に限っては、1896年には存在すらない・・・。
本来であれば、「固い山の地盤の上に家を建て、街を作るべきだ」というものでしょう。
しかし実際問題として、山のような斜面は暮らしにくく、街は大きく発展しません。
のどかな田舎は山の斜面に形成されます。
しかし大きな街は海・湖・川を埋め立てて、平坦な場所に土地を作ならないとできません。
埋め立てた土地は、平たんでアクセスもいい便利な土地です。しかし地盤は強くありません。
日本の街は、そもそも埋め立て地であることが多いです。
埋め立てを繰り返してきた街では、強い地盤を探すのが難しいのです。
地盤サポートマップで確認できる!
黒:強い地盤、緑:やや強い地盤、青:普通の地盤、ピンク:弱い地盤
街全体が弱い地盤になっていることも。(さいたま市周辺)
「では自分の住んでる街の地盤はどうなんだろう・・・?」
と、気になった方におすすめのサイトが「地盤サポートマップ」です。地盤サポートマップは、地図上に地盤の強さを示すドットが表示されます。
地盤サポートマップで地盤を調べてみると、
・街全体が「弱い地盤」と表示されている。
・強い地盤と弱い地盤が混在している。
・強い地盤と弱い地盤が明確に分かれている。
などの特徴が分かります。
強い地盤を求めるなら、遠くに引っ越すしかありませぬな・・・。
希望する土地が弱い地盤でも、そもそも街全体が弱い地盤かもしれません。
注文住宅の土地を選ぶときは地盤も大切ですが、生活を便利にするアクセスも重要な項目です。
軟弱地盤は買っても大丈夫なの?どんな影響があるの?
日本のいたるところにある軟弱地盤。
では軟弱地盤を買った場合、どんな影響があるのでしょうか?つまるところ、買っても大丈夫なのでしょうか?
軟弱地盤を買うことによる影響は、次の2つがあります。
1・地震による揺れが増幅し、建物が壊れる。
2・地盤を改良するために、地盤改良工事が必要になる。
それぞれ詳しく解説していきましょう。
1・地震による揺れが増幅し、建物が壊れる。
軟弱地盤の土地では、地震による揺れが増幅してしまいます。地震の揺れが増幅することで、建物は激しく揺れます。
その結果、木造住宅では固い地盤よりも、軟弱地盤の方が倒壊リスクが高くなります。
また土地に含まれる水分が多い土地では、地震によって地中の水分が表面にあがってしまう現象(液状化)が発生します。
液状化が起きてしまうと、土地は支える力を失ってしまい、建物がずっぽりと地中に沈んでしまうのです。
「軟弱地盤はさけるべし!」
と昔から言われているのは、地震によって揺れが大きくなり、その結果、家が倒壊してしまうからでございます。
2・地盤を改良するために、地盤改良工事が必要になる。
「軟弱地盤、やめた方がいいですよ・・・。」
そういわれる理由は、軟弱地盤に家を建てるとき、地盤を改良するための費用がかかるからです。(地盤改良工事)
地盤改良工事は、地盤の弱さに応じて3段階に分かれます。
もっとも弱い地盤には、「鋼管杭うち」が行われ、費用は80~150万円にもなります。
そ、それでは完全に予算オーバー・・・私のマイホームの夢が消えそう・・・
弱い地盤を買うことは、つまり地盤改良が必要になり、高い工事費を払うことです。
「軟弱地盤はやめておけ」と口酸っぱく言われるのは、「余計な費用がかかるから大変だよ」、という意味でもあります。
軟弱地盤を買うときは、必ず契約前に地盤調査を!
とは言え、この日本では軟弱地盤ではない土地を探すのは大変です。
では軟弱地盤を買うときは、どんなことに注意すべきか?
気をつけるべきポイントは、この2つです。
1・契約前に地盤調査をして、「どのくらい軟弱なのか?」を調べる。
2・地盤の弱さにおうじた、適切な地盤改良工事をする。
それぞれ詳しく解説させて頂きましょう。
1・契約前に地盤調査をして、「どのくらい軟弱なのか?」を調べる。
軟弱地盤とひとくくりにいっても、地盤の強さはさまざまです。
ですので希望する土地がどのくらい軟弱なのか、地盤調査で調べましょう。
注文住宅で広く使われる地盤調査は「スウェーデン式サウンディング試験」で、費用は5~6万円が目安です。
地盤調査の費用は、ハウスメーカー負担・自己負担、いずれの場合もあります。
たとえ地盤調査が自己負担だとしても、契約前に必ずやりましょう。
しかし注文住宅の土地探しでは、契約前の地盤調査は嫌われる傾向があります。
地盤の強さが分からない土地を買え、ということでしょうか・・・?
もしも地盤調査の結果、そこが軟弱地盤であることが証明されてしまったら、土地が売れなくなる・・・というのが、土地オーナーの主張です。
土地を売ってウハウハしたいオーナーの気持ちも、1ミリ程度は分かります。しかし土地の地盤の強さがよく分からない状態での契約は、非常にリスキーです。
ですので、必ず契約前に地盤調査をやらせて頂くよう交渉しましょう。
▽地盤調査のタイミングは?注文住宅の家作りの流れを押さえておきましょう!
2・調査結果をふまえ、適切な地盤改良を行うこと。
軟弱地盤の土地を買うときは、地盤の弱さにおうじた地盤改良をすることが大切です。
地盤調査だけして、
「まぁ、ちょっと弱いだけだから、大丈夫だろう・・・。」
「工事費も高いし、そこまでの地盤改良工事は必要ないだろう・・・。」
などと勝手な判断は厳禁でございます。
地盤改良工事は、地盤の弱さによって3つのグレードにわかれます。
1・表層改良:地表から2m程度、セメント系材料で補強する。
2・柱状改良:6m程度のセメント系材料の柱の杭を打つ。
3・鋼管杭うち:20m程度の鋼管の杭を打つ。
鋼管杭うちが必要とされる地盤がもっとも弱く、地盤改良工事に80~150万円ほどかかります。
80~150万円の出費は痛いですが、出し惜しみしてはいけません。
まとめ:「軟弱地盤だから買ってはいけない」というのはもったいない。
注文住宅の土地探しの基本戦略は、「軟弱地盤は避けるべし」でございます。これが外れのないオーソドックスなセオリーです。
しかし現実問題として、日本には軟弱地盤の土地が多く、希望する土地の地盤が弱いことは十分にあり得る話です。
地盤の弱い土地を購入するときは、
1・地盤調査で、「どれくらい弱い地盤か?」をしっかり確認する。
2・調査結果によって必要とされる、地盤改良工事をしっかりする。
この2つを確実に実施することをおすすめします。
希望の土地が軟弱地盤でも、肩を落とす必要はありません。
きちんと地盤調査をして、しっかり地盤改良をすれば、マイホームの夢を諦めなくても大丈夫です。
「日本では3800万人が弱い地盤の上に住んでいる」、というデータがありますから。
つまりは、そういうことでございます。
軟弱地盤は避けるべし。
ただし希望の土地が軟弱地盤なら、適切に対応すれば道は開けますよ!
素敵な住宅購入を。それでは、また!
▽注文住宅の土地の選び方のコツは、こちらでもまとめています。
▽地盤調査のタイミングは?注文住宅の家作りの流れを押さえておきましょう!
▽住宅購入でやるべきことは、この4つです。
▽住宅購入で悩んだら読んで欲しい記事をまとめました。ぜひ読んでください!
なぜなら日本の土地のほとんどは軟弱地盤だからでございます。
地盤の強い土地は、めったいにないのが現実なのです。