新築住宅で注意すべき、ハウスメーカーのアフターフォローと長期保証の真実。

こんにちは。

 

「大切なマイホーム。デザインやグレードではなくて、アフターフォロー・長期保証がしっかりしているハウスメーカーと契約したい!」

 

と思っている方も多いですよね。

せっかく高いグレードの家を買っても、雨漏りの保証もしてくれないようなハウスメーカーからは買いたくありません。

やっぱりハウスメーカーはアフターフォローが安心の会社がいいわ♪

ですが、ちょっとお待ちください。

・購入後のアフターフォロー。

・長期保証。

この2つでは意味がちがいますよ。大切なのはアフターフォローではなく、「どれだけ長く無償で修理してくれるか?」、でございます。

最近では「50年保証です~」と、長期保証をうたうハウスメーカーも増えました。

長期保証の充実をうたうハウスメーカーと契約したものの、実際の無償の修理期間は短く、「こんなはずではなかったのに!」と後悔するかもしれません。

 

そこでこの記事では、

・アフターフォロー、長期保証のちがい。

・ハウスメーカーの長期保証の注意すべきこと。

について解説させて頂きます。

アフターフォローと長期保証はまったくの別物ですよ。ご注意くださいませ。

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新築住宅のアフタフォロー・長期保証のちがい。

「うちはアフターフォロー万全ですので、安心です!」

「うちは長期保証があるので、安心です!」

 

どちらも「買ったあとも安心ですよ」ということを伝えたいのでしょうが、この2つで意味はぜんぜんちがいます。

まずはアフターフォロー・長期保証のちがいについてご説明させて頂きます。

 

アフターフォロー:買ったあとも親切に対応してくれること。

新築住宅で使われるアフターフォローとは、買ってくれた人のことを大切に思ってくれて、親切に対応してくれることです。

・サポート専用のダイヤルがある。

・契約後の対応もレスポンスが早い。

・アフターフォロー専門の部署を抱えている。

・「困ってるの!」と電話すると、現場を見に来てくれる。

・営業担当が入居したあとも「困ったことはありませんか?」と尋ねてくれる。

買ってくれた人の「困った」にすぐに対応し、解決できるようにサポートしてくれること。これがアフターフォローです。

アフターフォローが充実している会社なら、買ったあとの困りごと(家の補修など)も安心して任せられますよね。

ですので私たちは、アフターフォローが充実している会社と契約したくなるのです。

 

しかしご注意頂きたいのは、アフターフォローが充実していても、困りごとを解決するのは無償とは限らないことです。

あ、もしもし?ちょっと建具の調子が悪くて・・・。

・・・え?1年保証が過ぎたから点検・修理代5万円ですと・・・?

アフターフォローの体制がいくら整っていても、保証期間が短ければ意味がありません

 

長期保証:無償の保証と有償の保証、2種類ある!

では長期保証とは何でしょうか?保証の言葉の意味を調べてみると、

まちがいなく大丈夫であるとうけあうこと。まちがいが生じたら責任をとると、約束すること。

引用:コトバンク

つまり家を建ててから不具合があったとき、きちんと責任を取る、ということですね。

10年・20年の長期保証ならば、その期間中に起きた不具合の責任をとってくれることになります。それが保証でございます。

 

しかし保証期間が10年・20年と長くても、安心することはできません。

なぜならハウスメーカーがいう保証には、2種類あるからです。

・無償保証:家を買った人、全員が受けられる保証。(通常1~2年。最長10年)

・有償保証:ハウスメーカー指定のメンテ・補修をした場合だけ受けられる保証。(20年、30年保証など)

「なんだそら?」と思いませんでしたか?その通り、「なんだそら?」案件なのですが、どうやら住宅業界ではこれが常識のようです。

ですのでハウスメーカーが、「うちは20年の長期保証だから安心だよ~」と言ったところで、それは有償保証なのですよ。

お金を払わなくても受けられる無償保証は、1~2年で終わってしまうのが現実です。

 

新築住宅の保証期間・対象範囲は?

新築住宅の長期保証は、保証する対象範囲によって保証期間が変わります。

さきほどのように1~2年で終わってしまう保証もあれば、最長10年保証してくれる部分もあります。

「20年保証だから安心!」と大きな言葉を鵜呑みにしないで、こまかくチェックすることが大切です。

 

1年保証の範囲と内容。

1年保証は無償保証のハウスメーカーが多いです。

保証の範囲と内容は、次のようなものになります。

コンクリート(主要構造以外) 著しい沈下・ひび割れ・隆起など
内装仕上げ(ボード・クロスなど)はがれ・変型・しみ
建具、ガラス 変形・がたつき・開け閉め不良
左官、タイル はがれ・変色・ひび割れ
蛇口・水栓 取り付け不良
塗装 変色・はがれ
外構工事 ブロック、目地の割れ、フェンスの取り付け不良

1年目保証は多くのハウスメーカーで導入しているはず。

個別の内容に差は多少あれど、日常生活で劣化しやすい部分の多くは1年保証となる傾向があります。

 

2年保証の範囲と内容。

2年保証も無償保証のハウスメーカーが多いです。

床・壁・天井・屋根・階段など 著しい反り・隙間・割れ
屋根 屋根仕上げ材の著しいずれ・浮き・変型
水回りの防水 水回り部分のタイル目地の劣化
防虫処理 防虫処理をした部分のシロアリ被害
雨どい 腐食・脱落・破損
配線・コンセント・スイッチ 接続不良・作動不良
給水・給湯 接続不良・作動不良
排水 勾配・接続不良による漏水
外壁 変色・はがれ

2年保証の対象は、家の機能として重要な部分が含まれます。

35年もかけてローンを返済するわりに2年で保証が切れてしまうなんて心もとない限りです。

 

10年保証の範囲と内容。

10年保証は無償修理です。これはどのハウスメーカーもです。

なぜなら10年保証は「住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)」によって、10年間の保証がハウスメーカーに義務つけられているからです。

保障範囲は次のとおりです。

1・構造耐力上、主要な部分:柱・梁(はり)・基礎・地盤・土台などの構造部分。

2・雨水が侵入する部分:外壁や屋根の仕上げ、下地、開口部分。

家が家であるための重要な部分については、法律によって10年の保証が義務つけられています。

かつて品確法がなかった頃は、悪徳なハウスメーカーに欠陥住宅を買わされたら泣き寝入りしかできませんでした。

しかし品確法のおかげで欠陥住宅を買わされても、きちんと責任をとってもらえるようになったのです。

10年保証については、文句なしに安心ですね。

 

20年保証~の範囲と内容。

20年保証~は、有償保証になります。

保障範囲・内容は、「有償で点検・修繕を受けた部分のみ、次の点検のタイミングまで保障する」、というスタイルが一般的です。

築20年といえば、リフォームの時期です。

はたして20年保証とリフォーム。この違いとは・・・?

新築住宅は経年とともに劣化し、メンテナンスしながら大切に使っていくのが本来の姿です。

古くなった部分をリフォームすることもメンテナンスというならば、リフォームと20年保証のちがいはほとんどないかもしれませね。

 

ハウスメーカーの長期保証の注意すべき3つのポイント。

このように細かく見ていくと、「うちは20年の長期保証だから大丈夫!」という言葉こそ、「君こそ大丈夫なの?」と聞き返すレベルだということが分かります。

ではハウスメーカーの長期保証を受けるときは、どんなことに注意したらいいのでしょうか?

 

1・長期保証を受けるためには、ハウスメーカー指定の工事を受ける必要がある。

長期保証で注意しなくてはいけないのは、長期保証を受けるにはハウスメーカー指定の工事を受ける必要があることです。

無償で点検まではしてくれるハウスメーカーは多いですが、点検して悪いところを見つけても、補修は有料であることがほとんどです。

またハウスメーカー指定の工事は決して安くなく(むしろ高い)、保証を受けるためとは言え、判断が分かれるところ。

20年保証を受けるために、指定の工事200万円を払うべきか・・・・?

200万円あれば普通にリフォームできる気もしますが・・・はて。

長期保証もリフォームも、やっていることはほぼ同じ。経年劣化で古くなった設備は、新しいものに交換します。

住宅購入するときに、20年も先のことを考えるのは時期早々かもしれません。

 

2・欠陥を素直に認めるとは限らない。

どのハウスメーカーも品確法により10年間、マイホームを保証してくれます。これは素直にうれしいですよね。

しかし1つ問題がありまして。

イエス、マダム。

それはハウスメーカーは素直に欠陥を認めないことです。理由をつけて時間稼ぎするのは常套手段ですよ。

法律で10年間の保証が義務つけられてはいますが、それはハウスメーカーが「私の責任です」と認めた場合に限ります。ですので、

・床が傾いている→許容範囲です。

・基礎のひび割れがひどい。→自然現象です。

・屋根からの雨漏りがある。→なにかの間違いです。

こちらが何も知らないと思って、けむに巻くハウスメーカーもございます。

これは大手ハウスメーカー・地元工務店に限らず、業界全体の問題です。

ただし「いざ欠陥を認めたときに、責任を取れるお金を持っている」、という意味では大手ハウスメーカーの方が安心です。

 

▽欠陥が見つかっても、工務店が倒産してしまったら、話はややこしくなります。

建設中にハウスメーカー(工務店)が倒産!知っておくべき住宅完成保証制度と見抜き方!

2019.02.25

 

3・ハウスメーカーの保証とは、補修するのが基本。

欠陥をハウスメーカーに認めさせ、ようやく保証を約束させても安心はできません。

なぜならハウスメーカーの保証とは、「正しい状態に補修すること」、が基本だからです。払ったお金を返してくれるのではなく、やり直し工事をすることです。

 

「保証してくれるなら、どっちも一緒なのでは?」

 

と、当事者でないなら、そう思いますよね?

しかし欠陥住宅を買わされた当事者からすれば、

 

「手抜き工事をして欠陥住宅を作った会社に、二度と頼みたくない!!」

 

と思うのが人の心なのです。対応も悪く、手抜き工事をするような会社に補修工事なんてお願いしたくないですよね。

また「補修します!」とか言っておきながら、その後放置された・・・というパターンも。

責任を認め、きちんと補修して、正しい状態になるまで油断はできません。

 

大切なのは、ハウスメーカーにお任せしないこと。

このように長期保証をつぶさに見ると、「本当に大丈夫なの?」と不安に思ってしまいます。

では「無償保証が20年なら、話は変わるか?」と言われたら、それはちがうでしょう。

なぜなら大切なのは、ハウスメーカーにすべてお任せしないで、長期保証に頼らないですむ家を作ることだからです。

 

ハウスメーカー任せにしないで、現場をチェックすること。

ハウスメーカーの長期保証に頼らない家を作るには、自ら現場に出向き、小まめに現場をチェックすることが大切です。

家作りの現場をチェックすることで、

・作業員のモチベーションを高め、手抜き工事をさせない。

・設計とちがうところを見つけて修正してもらう。

・作業ミスを発見し、補修してもらう。

あとから補修する必要のない家を作ることができます。

とはいえ、素人が現場を観察しても発見できる不具合は限界があります。

そのようなときはホームインスペクション(住宅診断)を受けてみるのもおすすめですよ。

ホームインスペクションとは?

ハウスメーカーとは独立した第三者の立場から、住宅の不具合を指摘すること。一級建築士などがすることもある。

家作りの進捗にあわせてホームインスペクションすることで、ハウスメーカーの長期保証に頼らない家作りができます。

 

ハウスメーカー任せにしないで、自分で点検・メンテナンスすること。

ハウスメーカーの長期保証、とくに有償保証は小まめな点検・修理が前提です。

しかしそもそろも論になりますが、それだけまめに点検・修理すれば、不具合が起きる確率は低いです。

車もきちんとメンテナンスすれば、故障はほとんどしません。

逆にメンテナンスをしなければ、派手に壊れます。

 

点検・修理は、ハウスメーカー以外にも依頼できます。

信頼できるリフォーム業者を呼んで、「どこか悪いところない?」と声をかければ、喜んでチェックしてくれますよ。

自分でしっかりメンテナンスを管理できる人ならば、長期保証の必要性は低いかもしれません。

ただし大手ハウスメーカーのようにしっかりしたアフターフォロー体制で、手間いらずでマイホームを長く大切にしたい方は、大手ハウスメーカーの長期保証は便利でしょう。

 

まとめ:ハウスメーカー任せにしないことがポイント。

家は買ったらおしまいではなく、小まめにメンテナンスして、補修して暮らしていくものです。

ですのでなにも手入れしなければすぐダメになりますし、きちんとメンテナンスすれば20年・30年と長持ちします。

その意味では、ハウスメーカーの「長期保証」は、心強い味方でしょう。

しかしハウスメーカーの長期保証には、ご注意頂きたいこともあります。

・長期保証を受けるには、ハウスメーカー指定の工事を受ける必要がある。

・欠陥を素直に認めるとは限らない。

・ハウスメーカーの保証とは、補修することが基本である。

長期保証は万能ではないので、ハウスメーカーに任せっきりにしていると、「こんなはずじゃないのに!」と後悔するかもしれません。

ハウスメーカーを頼る部分はしっかり頼り、自分でチェックすべきところは自分でするのが、マイホームを長持ちさせるコツですよ。

ぜひ素敵なハウスメーカーを見つけてくださいね。それでは、また!

 

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