

・・・イエス、決めました。月々の支払が楽になる、この管理費が無料の分譲マンションを買いましょう。
こんにちは、年収300万円でマイホームを手に入れた、でございます。
さて、冒頭での茶番のとおり、「分譲マンションの管理費、無料!」と言われたら、思わず二度見してしまいますよね。
なにせ分譲マンションを購入すると、
・住宅ローン返済
・管理費(15,000~25,000円)
・修繕積立金(5,000~15,000円)
・駐車場代(大都市圏:20,000~30,000円、地方都市:5,000~10,000円)
こんなにも多くの支払いを抱えることになるのですもの。
「管理費、無料!」がたとえ何かのワナだとしても、つい食らいついてしまいます。
ですが、分譲マンションの「管理費、無料!」は本当に大丈夫なのでしょうか?デメリットはないのでしょうか?
そこでこの記事では、
・分譲マンションの管理費無料のカラクリ
・管理費無料のデメリット
について、解説させて頂きます。
スポンサーリンク
この記事の概要
分譲マンションの管理費がゼロにできるカラクリ
「分譲マンションの管理費が無料だと・・・!?」
支払って当然だと思っていたものを、ある日突然「払わなくていいよ」と言われるこの喜び。いったい何と表現したらいいのでしょうか?
ですが、無料の裏にはカラクリがございます。
分譲マンションの管理費が無料になるのは、次の理由があるからです。
コンビニ、保育園、ジムなどのテナント賃料を充当している。
分譲マンションの管理費が無料になるのは、マンションで発生した収益を管理費に充当しているからです。
分譲マンションで得られる収入は、
・コンビニ、保育施設、ジムなどの商業施設の賃料
・自動販売機の収入
・敷地内の駐車場収入
・屋上の看板設置料
などなど、意外にも多くあり、稼ぎのいたらない私としては頭が下がる思いです。
分譲マンションで得られる収入が多ければ、その収入をもって管理費を負担することができます。
もしも必要とされる管理費よりも多く稼げるならば、入居者が負担する管理費がゼロ、つまり管理費無料の物件が誕生するのですね。

これなら私も安心して早期退職できるというもの。・・・ねえ、?

分譲マンションの管理費がゼロになる条件とは?
「管理費、無料。なんだ簡単な話じゃないか。それなら分譲マンションにどんどん商業施設を入れてしまえ!」
と思ったあなた。どうやら私と気が合うようですね。どうぞよろしくお願いします。
ですが現実問題として、マンションが収益を上げることは簡単ではないのです。
なぜなら分譲マンションに商業施設を入れることは簡単でも、入居した商業施設が適切に利益を上げることは別問題だからです。
・人通りの多い道路に面している。
・駅までの距離が近い。
・アクセスのいい立地である。
店舗型ビジネスの基本は立地です。立地次第で、ビジネスの8割が決まってしまう世界でございます。
収益を上げられる立地に建設された分譲マンションは、とても限られております。
さらに収益を上げても、必要とされる管理費が多ければ、管理費ゼロにはなりません。
つまりトータルの管理費の少ない小規模の分譲マンション(30戸程度)であることも必要です。
「商業施設からの賃貸収入で、管理費を負担する!」という素晴らしいビジネスモデルでも、これが成立する条件は鬼厳しいのです。
管理のサービスを不当に下げていることも疑った方がいい。
「うまい話には裏がある」と先人たちが口を酸っぱくして教えてくれた通り、管理費が無料の分譲マンションも、その裏側を疑う必要があります。
なぜなら無料とうたう裏側で、管理のサービスを不当に下げている可能性があるからです。
・管理人が不在がち。
・清掃の頻度、質が低い。
・そもそも管理計画が甘い。やる気がない。
管理費が無料とまではいかなくても、管理費を安く見せかけて販売する分譲マンションもございます。
管理費を徴収しなくても、管理に必要な経費はかかります。
そのため管理の行き届かず、マンションの資産価値が下がる可能性があります。
管理費無料をうたう分譲マンションは、はたして適切に管理をしていますか?
今後どのような管理体制を運営していくのでしょうか?
「無料」というキラーワードに魅了されることなく、管理の質をしっかりチェックすることが大切です。
デメリットはあるのか?管理費ゼロのメリット・デメリット

管理費が無料の分譲マンションは、メリットこそあれど、デメリットはないように感じます。
しかしご注意くださいませ。
管理費が無料で家計は助かりますが、次のリスクを抱えていることを忘れてはいけません。
賃料が減ったときに、管理費の値上げの可能性も。
分譲マンションの管理費が無料なのは、管理費がかからないという意味ではありませんし、管理会社が「管理費はいらないよ!」と言っている訳でもありません。
つまり、そのマンションの管理費は、見えないところでしっかりかかっているのです。
それでも管理費が無料なのは、マンションが一定の収入を上げているからですよね。
しかし当然ながら、マンションの収入はこの先ずっと続くとは限りません。
・コンビニの客足が遠のき、撤退した。
・スポーツジムの会員数が減り、撤退した。
・マンション内で保育園廃止の声が上がり始める。
とくに建設してから時間のたっている中古マンションでは、新築時と状況が変わっていることは多々あります。
新築時はテナントの収入で管理費が賄えても、それが今後ずっと続く保証はございません。

いや、そんな話は聞いてませんがな。
聞いた覚えはなくても、見落とした書類には「当面の間、管理費を無料とする」と、しっかり明記されているはずです。
もし管理費が値上げ(徴収される)ようになっても、あなたの家計は大丈夫ですか?
将来、管理費を支払うことを想定して、余裕ある資金計画を立てることが大切です。
1階が店舗なので、人の出入りが多くなる。耐震性の問題も。
分譲マンションの1階を店舗にすると、人の出入りが多くなります。
入居する店舗によりますが、夜遅くまで営業しているコンビニでは騒音の問題も考えられます。
またマンション付近に金髪の怖いお兄さんが集まる・・・かもしれません。
管理費を無料にするためとは言え、静かに暮らしたい場所が騒々しくなるのはマイナスポイントです。
また1階部分を店舗にすると、前面がガラス張りになってしまい、耐震性が下がるデメリットがあります。(耐力壁が少なくなるから)
1階を店舗にした分、販売戸数が減っているので、割高の価格設定になっている。
管理費が無料なのはありがたいのですが、そもそも店舗にする部分は分譲販売する部屋ではないですか?
店舗として賃貸に出すので、デペロッパーは販売戸数が減ってしまいます。
販売戸数が減っているので、その物件は最初から割高な価格設定になっている可能性があります。
管理費が無料とは言え、もとの価格が割高で販売されていては、メリットもデメリットで相殺されてしまいます。
購入を決めるときは、周辺マンションの相場を必ずチェックするようにしましょう。
まとめ:将来の値上げに、準備だけはしておくべき!

マンションの「管理費、無料!」は、とても心惹かれるキーワードです。
しかしマンションの管理費ゼロの裏側には、無料であるためのカラクリがしっかりございます。
ですので、管理費ゼロのマンションを購入するときは、次のデメリットをしっかり踏まえることが大切です。
・賃料が続かなくなったときに、管理費が値上げする可能性がある。
・1階が店舗の場合、人の出入りが多くなる。騒音も問題、治安悪化の恐れも。
・耐力壁が少なくなるので、耐震性が低くなる。
・店舗として貸している分、一戸当たりの価格が割高で販売されているかもしれない。
うまい話には、かならず裏があり、カラクリがあります。
無条件で無料物件に飛びつかないよう、ご注意くださいませ。
素敵な住宅購入を。それでは、また!
▽マンションと一軒家、どちらも捨てがたい存在です。
それぞれのメリット・デメリットを比較した結果、私が選んだのはこちらでした。
▽新築マンションにはリスクがつきものです。ご注意くださいませ。
▽マンションを選ぶとき、「資産価値」を考えることも大切です。10年後も資産価値の下がらないマンションを選びましょう!