こんにちは、年収300万で住宅購入した、でございます。
やっと見つけた人気エリアのマンション。
でも築年数が古い中古マンションで、耐震性能が心配だ・・・。
さて、そんなとき、あなたはこの中古マンションを諦めますか?それとも思い切って購入しますか?
築年数の古い中古マンションを購入するとき、耐震性をチェックするポイントは3つあります。
・耐震基準
・地盤
・マンションの構造
うかつに手を出して失敗する前に、この3つの項目は要チェックでございます。
そこでこの記事では、築年数の古い中古マンションの耐震性をチェックするポイントについて解説させて頂きます。
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この記事の概要
築年数の古い中古マンションで注意すべき、耐震基準。
築年数が古い中古マンションで不安になるのが、耐震性能です。
最近のマンションでは、
・免震マンション
・耐震マンション
・制震マンション
地震でもドンとこい、大ナマズなんでも暴れてみやがれ。
・・・いや、率直に言って、この時点で勝てる気がしないですよ。
最近のマンションがここまでやっているのに、今から買おうとしている築年数の古いマンションは大丈夫なのか?と。
そこで注意すべきなのは、マンションの耐震基準です。
築年数の古い中古マンションと一口にいっても、実は耐震基準は2に分かれます。
・旧耐震基準:1950年に制定された、耐震基準
・新耐震基準:1981年に制定された、耐震基準
2018年から逆算すると、
・築38年より古いマンション→旧耐震基準
・築37年より新しいマンション→新耐震基準
となります。
では旧耐震基準と新耐震基準で、何がちがうのでしょうか?
旧耐震基準→震度5強まで耐えられる。
旧耐震基準が制定されたのは、1950年。多くの犠牲を払った戦争が終結して、5年後のときです。
旧耐震基準は、
・震度5強程度の揺れでも倒壊しない。
・破損したとしても、補修することで生活できる。
で、ございます。
震度5強の地震にも耐えられる基準ではありますが、震度6に対しては耐性がございません。
そのため記憶に新しい阪神淡路大震災(震度7)では、旧耐震基準のマンションは大きなダメージを受けました。
新耐震基準→震度6強から7まで耐えられる。
1981年に新耐震基準は制定されました。ときは高度経済成長期、日本全体がイケイケの頃ですね。
新耐震基準では、
・震度6強から7に達する大規模地震で、倒壊・崩壊しない。
・震度5強程度の中規模地震では、ほとんど損傷しない。
ことが定められました。
先ほどの阪神淡路大震災では旧耐震基準のマンションが大ダメージを受けましたが、新耐震基準のマンションは力強く生き残った、というデータもございます。
グラフ左側が旧耐震基準、グラフ右側が新耐震基準。
(出典:国土交通省 住宅・建築物の耐震化について)
どこにマンションが立っている?耐震基準より大切な地盤。
築年数が古い中古マンションの耐震性をチェックするとき、耐震基準だけでは確認不足でございます。
例え中古マンションが新耐震基準で建設されていても、「安全だ!」と言い切れませんし、逆に旧耐震基準だから「これはダメだ・・・」と諦める必要もありません。
なぜならマンションの耐震性には、地盤が大きく関係するからです。
地盤の弱い場所は、揺れが増幅される。
旧耐震基準・新耐震基準に関わらず、地盤の弱い場所に建設されたマンションは危険でございます。
なぜなら耐震基準は、あくまでもマンションそのものの基準だからです。
マンションが立っている、足元の強度ではないのです。
いくら厳しい耐震基準に沿って建設されたマンションでも、立っている足元が弱い地盤(軟弱地盤)であれば、
・揺れが増幅される。
・液状化(地震によって地面が一時的に柔らかくなり、建物を支える力を失う現象)のおそれがある。
・倒壊のおそれがある。
マンションの築年数に関わらず、地震によって大きな被害を受ける可能性があります。
ですので、築年数の古いマンションを検討するときは、必ず地盤を確認しましょう。
地盤の強さを確認するときは、
・防災化学技術研究所の「地震ハザードステーション」
・ジャパンホームシールド株式会社「地盤サポートマップ」
を活用することがおすすめです。
弱い地盤には、地盤に杭が打たれる。その地盤に適した工法がされているか?
しかしながら日本の各所の地盤を調べてみると、「弱い地盤」があまりにも多くなかったですか?
とくに東京、名古屋、大阪など大都市圏では、弱い地盤が多く見当たります。
日本に弱い地盤が多いのは、
・土砂が堆積する、平地に都市を作った。
・古来から埋め立てを繰り返して発展してきた。
などの歴史的背景がございます。
つまり、今更「地盤弱い!不安!怖い!」と言ったところで、それは先祖の代から弱い地盤の上に街を作って発展してきた歴史があるのです。
・・・イエス、諦めが肝心ですね。
ですが、ご安心くださいませ。
軟弱な地盤に杭(コンクリートの柱のようなもの)を打ち込むことで、巨大なマンションを建設できるようになったのです。
マンションを建設する地盤の状態によって、
・支持杭(固い地盤まで杭を伸ばす)
・摩擦杭(固い地盤まで距離があるので、軟弱な地盤に杭をうつ)
どちらかの杭が地盤に打ち込まれます。
ですので、築年数が古い中古マンションの耐震性をチェックするときは、その地盤に応じた適切な基礎の工法がとられているか、確認することが大切です。
マンションの構造によって耐震性が変わる!揺れに強い構造は?
築年数・耐震基準・地盤。
これ以外にも、マンションの耐震性に関係するものがございます。
イエス、それはマンションの構造です。
「マンションがどんな構造か?」によって、耐震性は左右されます。
不安材料のかかえる築年数の古いマンションでは、注意深くチェックするべきでしょう。
パソコンを横置きすると倒れないが、縦置きにすると倒れやすい。
マンションの構造が耐震性に影響を与える、分かりやすい例がございます。
お近くのデスクトップパソコンをご想像くださいませ。
デスクトップパソコンは縦置きすると、不安定です。
何もなければ倒れませんが、地震で大きく揺れると倒れることがあります。
しかしデスクトップパソコンを横置きすると、安定します。
何もない日常ではスペースを余分にとって邪魔ですが、地震で大きく揺れても微動だにしません。
つまりマンションもこれと同じで、
・高くそびえる高層マンション:倒れやすい
・横に長い低層マンション:倒れにくい
となります。
築年数が古く、旧耐震基準の中古マンションでも、横に長い低層マンションであれば、耐震性は高くなります。
築年数が古い中古マンションでも、前向きに検討してもいいかもしれませんね。
ピロティ構造は地震に弱い。
また注意したいのが、ピロティ構造のマンションです。
聞きなれない言葉で脳内が瞬時にフリーズしそうです。
ピロティ構造のマンションとは、
「1階に壁がなく、柱だけになっている構造」
のマンションのことです。
よく見かけるピロティ構造のマンションは、
・1階が駐車場になっている。
・1階がガラス張りの店舗になっている。
などがあります。
マンションの1階にオシャレなブティックが入っていると、テンションは上がりますよね。
しかし残念ながらピロティ構造は、壁(耐力壁)がない分、地震に弱いのです。
部分的にピロティ構造になっているマンションでは、ピロティ構造の部分だけが倒壊した実例もあります。
もちろん、ピロティ構造を採用するからには、耐震性の弱さを克服する設計が求められます。
しかしながら築年数の古い中古マンションを選ぶときは、これ以上の不安材料は増やさない方が賢明でしょう。
まとめ:築年数が古いマンションの耐震性は3重チェックする!
希望のエリアでやっと見つけたマンションが築年数の古いマンション。でも耐震性が心配・・・!
そんなとき、次のことをチェックしてみてくださいませ。
1・旧耐震基準か?新耐震基準か?
2・地盤は強いか?地盤にあった工法(杭)がされているか?
3・マンションの構造は揺れに強い構造か?
一口に「築年数の古い中古マンション」といえど、それぞれのマンションで耐震性は変わります。
築年数が古くても、しっかり作られたマンションもありますが、反対に新築でも「絶対に安心」ということはありません。(新築には住み始めてから欠陥が出る、というリスクがあります)
1つ1つをチェックするのは手間がかかりますが、安心して住むには耐震性は大切です。
購入に踏み切る前に、必ず確認しておきましょう!
それでは、また!
▽新築マンションで見かける、「免震、制振」の違いはご存知ですか?
イエス、このマンションを買いましょう。