こんにちは。
営業をすれば、必ずと言ってもいいほど、クレームにぶち当たるものでございます。
それも一生懸命に営業すればするほどに、でございます。
クレームが発生するのは、一生懸命営業していることの裏返しですので、それは仕方ありません。
しかし大切なのは、クレームの本質を見極めて、初期対応を間違えないことです。
なぜならクレームの中には、
・明らかに落ち度のあるクレーム
・明らかに落ち度のないクレーム
2種類があるからです。
落ち度のあるクレームに対しては、誠意をもって対応することが大切です。
しかし落ち度のないクレームに謝罪してしまうと、責任を押し付けられ、金品を要求されるケースもあるので注意が必要です。
そこでこの記事では、クレームの初期対応のコツについて解説させて頂きます。
クレームの中には、謝罪してはいけないクレームもございます。ご注意くださいませ。
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この記事の概要
謝罪しない!?営業マンが直面するクレームには、2種類ある!
営業マンが直面するクレームには、2種類ございます。
1・商品が届くのが遅い、破損している、期待していたものではない、など、日常的に起きるクレーム。
2・自分の責任をなすりつけて、あわよくばお金をせしめたい、金品要求クレーム
どちらも同じ「クレーム」として認識されていますが、「日常的なクレーム」と「金品要求クレーム」では問題の本質がまったく違います。
「日常的なクレーム」は謝罪し、改善策を示せば解決できるケースがほとんどです。
またクレームを言う人に限って、会社(お店)の熱心なファンである場合もあります。
ですので、このクレームは誠意を持って対応することが必要です。
しかし注意したいのは、「金品要求クレーム」です。
何かにつけて、こちらの対応が悪かったと言い続けます。その目的はずばり、お金が欲しいから・・・でございます。
クレームを言って、商品代金を返金させるばかりか、迷惑料を請求する。法人の場合では迷惑料として、値引きを要請することもあります。
同じクレームと言えど、問題の本質がまったく違います。初期対応を間違えて対応すると、大変なことになってしまいますよ。
「日常的なクレーム」は、謝罪し、改善策を示す。
営業マンがいつもの営業活動で最も多く出会うのが、日常的なクレームでございます。
日常的なクレームは謝罪して、改善策を示すことが大切です。
「日常的なクレーム」は、謝罪、話を聞く、改善策を示す。
「日常的なクレーム」の場合、営業マンがやるべきことは、謝罪し、話を聞き、改善策を示すことです。
1・謝罪する:お客さんに迷惑をかけた事実を謝罪する。
2・話を聞く:お客さんが何に不満を持っているのか、話を聞く。
3・改善策を示す:「今後どうしたらいいのか?」改善策を示す。
日常的に発生するクレームは、クレーム対応の王道とも言えるこの3ステップで対応すべきです。ヘタなテクニックは一切いりません。誠心誠意、謝罪するのがベストです。
しか注意したいのが、お客さんの目線を忘れないことです。
クレームの中には、明らかにこちらに非のないクレームもあるじゃないですか。
・納期1週間かかる商品なのに、翌日納品できなかったら怒られた。
・サイズが違うから使えない商品と説明したのに、案の定使えなくてクレームになった。
まぁ、世の中に理不尽なことはいくらでもありますよ。非のないことでクレーム言われても、謝罪なんてしたくないですよね。
営業マンが一方的にシャットダウンしてしまうと、行き場のないお客さんの怒りが爆発してしまいます。
お客さんの怒りが爆発する原因は、「お客さんの目線」の欠落でございます。
お客さんだって、本当は悪いのは自分だと(ほんの少しは)思っているはず。それは分かっているのですよ。
でもですね、お客さんはあなたに聞いて欲しいのですよ。この行き場のない怒りを。
・・・あれ?言いたいこと言ったら、すっきりしたわ。・・・また買うわ。
これにてクレーム対応、一件落着でございます。
熱心な営業が招くクレーム。
営業マンが、熱心であるほど発生しやすいクレームもあります。一生懸命営業するほど、皮肉にもクレームに多く出会うことがあります。
・売上が欲しいとき
・契約が欲しいとき
・お客さんを喜ばせたいとき
やる気に満ち溢れているばかりに、ちょっと背伸びをして案件を取りにいってしまう。
その姿勢はとても素晴らしいのですが、一歩間違えるとクレームになるリスクもあります。
本当は注文を受けてから、1週間ぐらいかかる商品なのに、
本当は取り扱ってない商品でも、
とか言ってしまったり。
もちろん、できない仕事を「できる」に変えるのも、営業マンの大切な仕事でございます。
お客さんも無理を承知で、営業マンに依頼しているケースもありますよね。
ですが、ちょっと背伸びした案件は、失敗に繋がりやすいのですよ。
お客さんのためとは言え、無理したことで失敗してしまうと、結果的にお客さんに迷惑がかかってしまいます。
これはどちらが悪いとか、責任問題ではありません。
まずは迷惑をかけた事実を謝罪することが重要なのです。
謝罪のポイントは、素直に謝ることです。
変な小細工、テクニック一切不要でございます。それよりも営業マンの真摯な態度が、クレーム対応にもっとも効果的です。
クレームを言ってくれるお客さんは、大切にするべき。
ですが、どんなに誠意を込めて謝罪しても許されず、お客さんからお叱りを受けるかもしれません。
「もう2度と注文も貰えないかもしれない・・・。」
営業マン歴7年の私にも、営業の修羅場は何回もございました。
「こんな商品(この世に存在しない商品)が欲しい」と言われ、一生懸命探しましたが、結局見つからなかった。この世にない商品を探すには、タイムマシンに乗って未来に行くしかありません。
時間だけがすぎて、何も提案できずに、お客さんには怒られたました。「何やってんだ!」と。
でも、今ならよく分かります。
クレームを言うことだって、疲れるのですよ、時間がかかるのですよ。
「こんな営業マン、何を言ってもダメだな・・・。」
と思われていたら、無言でそっと取引を縮小して終わりでございます。
わざわざダメだったことを指摘してくれるんじゃないですか。ありがたいじゃないですか・・・。
クレーム対応のポイントは、真摯に話を聞いて、同じ目線に立って、とにかく謝罪することです。そして解決策、改善策を一緒に考えましょう。
それがクレームに直面した営業マンのすべき対応でございます。
謝罪したら負け!「金品要求クレーム」の初期対応は?
先ほどと一転して、謝罪してはいけないクレーム対応もあります。それこそ、「金品要求クレーム」ですね。
「金品要求クレーム」の対応のポイントは、簡単に謝罪しないことです。謝罪したら負けでありますよ。
クレームに謝罪すると、責任を追及され、金品を要求される。
「・・・え?謝罪したら、有り金すべて持ってかれるの?・・・怖ぇぇ・・・」
身の毛もよだつ金品要求クレームには、ある特徴があります。
例えば、機械の修理の見積を出したとしましょう。修理の見積は、パーツ代・作業費など、相場として高いものです。
しかし、いったいどうしたのでしょうか。見積書を見たお客さんが、なぜか激怒しているじゃないですか。
そう言えばあなたの対応も悪いわ!
お怒りになる気持ちはよく分かります。予想以上の修理費が、予想外なタイミングで発生ですから。ご愁傷様です。
しかしぜひ胸に手をあてて冷静に考えて頂きたいのですが、私たち営業マンは1ミリも悪くないでよね?壊れた機械が悪いのです。
しかしお客さんの怒りのクレームに流されて、「申し訳ございません」と簡単に謝罪(?)をしてしまうと、相手の思うツボになってしまいます。
だって、今、謝罪したでしょ?
悪いのは壊れた機械なのに、どうして値引きする必要があるのでしょうか?冗談やめて下さいよ、値引いたら社内で上司にシゴかれるの、私ですよ?
値引きが目的のクレームの初期対応は、毅然とした態度で「できません」と伝えることです。
修理するなら、かかる費用はかかるのです。別に営業マンが機械を壊した訳ではないので、高いと言われて値引く理由は全くありません。
毅然とした態度で説明すれば、お客さんも納得(?)してあっさりクレームを引き下げることもあります。
「おいおい、さっきまでの勢いはどうしたの!?」
あまりの豹変ぶりに腰を抜かしそうですが、つまりはそういうことなのです。
値引きができないと分かれば、案外あっさりと引き下がるものでございます。
安易な謝罪をリカバリーするのは大変。
お恥ずかしい話でありますが、私は一度だけ安易に謝罪してしまい、その後やっかいなトラブルに巻き込まれた経験がございます。
トラブルの内容は、「設備トラブル(責任はお客さん)で、トラブル中に使った消耗品代をゼロにしろ!」というものです。
もうですね、意味が分かりませんよ。一体何のとばっちりで、お客さんの使った消耗品をこちらで負担しないといけないのでしょうか。使ったものぐらい、きちんとお金払って下さいよ、まったく。
しかし意味の分からないトラブルでしたが、私が勢いに負けて謝罪してしまったがために、泥沼のトラブルに発展してしまいました。
私はお客さんの気持ちによりそって、迷惑をかけてしまった事実を謝罪したつもりでした。
しかしお客さんは、私が謝罪することで責任を認めたと受取ったのでした。
謝罪した後に、自分に責任がないことを証明したり、値引きができない説明をするのは、本当に難しいし、とても消耗しました。
謝罪するとは、つまり自分の非を認めること。
自分に非がないなら、毅然とした態度でお断りするのも、営業マンの重要な勤めでございます。
タチの悪い相手なら、営業マンの優しさを悪用しますので、くれぐれもご注意くださいませ。
初期対応を間違えない、クレームの見分け方!
クレーム対応と一口に言っても、やるべき初期対応はまるで違います。
ですので、営業マンがクレーム対応するときは、「どんなクレームなのか?」、しっかりとクレームの本質を見分けることが重要です。
クレームを見分けるには、次のポイントで判断するのがおすすめです。
お客さんは業者とどんな付合い方をしているか?
「日常的なクレーム」の見極め方・特徴。
いわゆる日常的におきるクレームを言うお客さんには、次のような特徴があります。
・取引が長い。
・担当者同士、信頼関係がある。
・「言えばやってくれる」との信頼の裏返し。
・お客さんから話始めるケースは少ない。
・お客さんから「値引き」、「全額返金」「どうしてくれるんだ!」という言葉がない。
・改善策を求めている。
・謝罪すれば、クレーム熱が下がる場合が多い。
・責任を追及しない。
・業者との付き合い方が上手い。(他に頼める業者がいる。)
・仕事面以外でも可愛がってくれる。
「金品要求クレーム」の見極め方・特徴。
謝罪してはいけないクレームを見抜くには、次のことを注意深く観察してみてください。
・必要以上に、「責任の所在」を明確にしたがる。
・自分には「落ち度がない」アピール
・「謝罪 = 非を認める」という図式にこだわる。
・悪いのは、お前(営業マン)だろ!
・関係ない課長、部長、工場長、店長が同席してくる。
・お客さんから営業マンを呼び付ける。
・値引き要求が難しいと思うと、一気にクレーム熱が冷える。
・日頃より値段にはうるさい。
・業者との付き合い方が下手(他に頼れる業者がいない。)
クレームを見極めるには、普段からお客さんが取引業者とどんな付き合い方をしているのか、しっかり観察することが重要です。
ははー、もしやラッキーなお客さん見つけちゃいましたか。ぐしししし
お気を付け下さいませ。そのお客さん、金品要求クレームのやり過ぎで、業者がみな逃げてしまっただけかもしれませんよ。
まとめ:クレームの本質を見抜き、初期対応を間違えない!
それでは、まとめましょう。
営業マンのクレームの初期対応のポイントは次の通りでございます。
1・クレームの質を見極めのが、何よりも大切。
2・「日常的なクレーム」には、謝罪して、話を聞いて、改善策を示す。
3・「金品要求クレーム」は、謝罪したら負け。きっぱり「できません」を伝える。
4・業者との付き合いが下手なお客さんは、「金品要求クレーム」の可能性あり。
クレーム対応の基本は、謝罪し、話を聞き、改善策を示すことです。
この初期対応を間違えなければ、クレーム対応の8割は完了できたようなものです。
しかし注意しなくてはいけないのが、「謝ったら負け」という金品を要求するクレームです。
お客さんへの優しさを逆手にとられ、責任を追及され、お金を取られます。完全にブラックすぎる手法ですが、「お客様」という立場を利用して、わりと頻繁に見かけるように思えます。
だからこそクレームの本質を見極め、初期対応を間違えないことが大切なのですね。
営業マンの優しさを悪用するクレームには、くれぐれもご注意くださいませ。
それでは、また!
あなたは「なぜクレームが発生したか?」、理由をしっていますか?
クレームが発生する原因は、この4つなんですよ。
お客さんから無理難題を言われても、怖がる必要はありません。
クレームを避けながら、お客さんの信頼だけを勝ち取ればいいのです。