こんにちは。
「中古マンションをリフォームして、新築マンションみたいにするんだ!」
と、思っている方にお伝えしたいことがあります。
それは「リフォーム・リノベーションの保証期間は短く、新築のように手厚くない」、ということです。
新築マンションでは10年の保証(品確法)がありますが、リフォーム・リノベーションはたった1年(民法 ただし例外あり)しかありません。
中古マンションを安く購入し、リフォームに費用をかけようと思っている方は注意が必要です。
なぜなら新築マンションのようにキレイにリフォームしても、保証内容(期間)がまるで違うからです。
リフォーム費用を加えた価格が、新築マンションと変わらなくても、保証内容はぜんぜん違います。
そこでこの記事では、リフォームの保証内容についてお答えしたいと思います。
・リフォーム・リノベーションの保証は?
・手厚い保証を受けるためには、どうしたらいいの?
・どんなリフォーム会社を選んだらいいの?
「中古マンション+リフォーム」は最強コンボですが、保証期間にはくれぐれもご注意くださいませ。
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この記事の概要
リフォームの不具合は、保証期間が切れた後に起きる。
日本リビング協会が、2013年に実施した調査(リフォームの設備トラブル)があります。
「リフォームをしてから、いつ不具合が発生したか?」と調査をしたところ、不具合の91%が保証期間が終わってから発生しています。
保証期間内:9%
2~5年以内:36%
6~10年以内:55%
保証期間が終わったあとに不具合が発生した場合、残念ながら修理費用は自己負担となってしまいます。
あれほどお金を払ったリフォームなのに、この塩対応・・・く、悔しいであります・・・。
リフォームの不具合は、その場では起きません。
施行して、時が流れ、当時の記憶が薄れてきた頃に起きるのです。
「手厚く保証してくれるものだと思っていたのに・・・。」
新築と同じ感覚でいると、思わぬところで泣き寝入りしてしまいます。
リフォーム保証期間は?
リフォームの不具合で泣き寝入りをしないためには、まずリフォームの保証の種類を知らなくてはいけません。
リフォームの保証は、次の3種類があります。
法定保証期間は、1年(民法による)
リフォームが法律で保証されているのは、民法による1年間だけです。
ただし条文により例外もありえる、なんとも不透明な1年間保証です。
新築マンションでは、品確法により10年間保証されています。しかしリフォーム工事では、品確法は適用されません。
・・・え?リフォーム工事だから保証は1年間だけですと・・・?
リフォームの工事の規模に関わらず、リフォームの保証期間は1年間になります。
これだけでは、かなり不安でございます。安心して夜も眠れません。
メーカーによる設備の保証は1~2年
しかしご安心くださいませ。
リフォームの保証にはもう1種類あります。設備メーカーによる、保証でございます。通称「メーカー保証」と呼ばれております。
これは家電を買ったときに同封されている、「メーカー保証書」と同じものです。
リフォームでは、
・キッチンを入れ替える。
・キッチンに食洗器をつける。
・照明器具を交換する。
・ユニットバスを交換する。
など、設備を交換する工事があります。
設備を新しくした場合、リフォームを工事した業者とは関係なく、設備を作ったメーカーが製品を保証してくれます。
メーカー保証の期間は、一般的な家電製品と同様に、1~2年であることが多いです。
法定保証期間より若干長くなりますが、
・リフォームかけた費用
・不具合が出たときの影響の大きさ
を考えると、満足できる保証期間とはいえません。
リフォーム会社による、独自の保証。(1~10年)
3つ目の保証は、リフォーム会社による独自の保証です。
法律で定められた訳ではなく、リフォーム会社が自発的に実施している保証があります。
リフォーム会社が保証してくれるのは、施行した工事内容に対しての保証になります。
・配管のつなぎ込みが悪かった。
・パッキンをつけるのを忘れたため、水漏れが発生した。
・使用した材料をつけ方が悪かったため、電気トラブルになった。
・張り替えた壁紙が剥がれた。
・取り付けたキッチンの立て付けが悪く、傾いている。
「製品は問題ない。悪いのは、取り付け方だ。」という事例が当てはまります。
リフォーム会社による保証期間は、
外壁・防水:5~10年
構造:5年
内装:1年
というものが多いです。
「大掛かりなリフォームをしても、1年間しか保証されないのは問題だ」、という声が多かったのでしょう。
最近ではリフォーム会社で、独自の保証を設ける会社も増えました。
リフォーム瑕疵(かし)保険の活用で、手厚い保証が受けられる。
リフォーム会社独自の保証も増えてきたとは言え、まだまだリフォームの保証内容は頼りないです。
そこで利用したいのが、リフォーム瑕疵(かし)保険です。
リフォーム保険とは、リフォーム会社が保険金を払って加入する保険です。
リフォーム工事部分に万が一不具合が発生した場合、修繕費用を保険金としてリフォーム会社に払う仕組みで、工事内容に応じて、1~10年の保証が受けられます。
リフォーム会社が加入する保険なので、私たち(依頼主)が加入することはできません。
ですので、リフォーム瑕疵保険に加入したリフォーム会社を選ぶことで、リフォーム瑕疵保険が利用できます。
リフォーム瑕疵保険を利用すると、次のメリットが受けられますよ。
検査員(建築士)による現場検査を受けるので、安心できる。
リフォーム瑕疵保険では、リフォーム工事が完了したとき(場合によっては工事の途中でも)に、第三者の検査員(建築士)による現場検査があります。
リフォーム会社は第三者からのチェックに合格しなければ、保険金が受けられません。
保険金が受けられなければ、保険料をドブに捨てたもの同然です。
そのためリフォーム瑕疵保険を利用すると、リフォーム工事の完成度が上がります。
ふう、完成検査のおかげで不具合を回避できましたぞ。
リフォーム工事が完了したときに第三者にチェックしてもらうことで、「この時点で不具合は確認されなかった!」と安心することができます。
施行業者が倒産したあとでも、保証を受けられる。
リフォーム会社の独自の保証体制が整っていても、まだ安心することはできません。
なぜならリフォーム会社が倒産してしまったら、誰も保証してくれないからです。
ではさっそく連絡を・・・え?倒産して保証できないですと・・・?
大変残念なことに、リフォーム業界は倒産割合が高いです。
少ない元手で起業できる上に、少人数で経営している会社もあります。経営体力が十分でない会社は、資金難のリスクが高いです。
リフォーム会社が10年保証をしていても、10年後にリフォーム会社が存在している保証こそありません。
ですが、リフォーム瑕疵保険なら安心です。
保険料を払っていたリフォーム会社が倒産しても、依頼主(あなた)は保険事業者に保険金の請求ができるのです。
そうですか、では、保険金はありがたく私が頂きましょう・・・。
リフォーム会社が倒産しても、保険金が受け取れる。
ここまで手厚く保証してくれるなら、ちょっとぐらいの不具合は許してあげられますね(ただし保険金は受け取る)
リフォーム会社を選ぶ指標になる。
リフォーム瑕疵保険は、メリットこそあれど、デメリットはまったくありません。
あなたは保険料を支払うことなく、手厚い保証内容を受けられるのです。
では保険料を支払うリフォーム会社は、保険に加入するメリットはあるのでしょうか?
リフォーム会社はリフォーム瑕疵保険に加入することで、信頼の証を手に入れられます。
つまり「しっかり仕事をしています」アピールができるのです。
安くない保険料を支払うのは、万が一の保身のためだけではありません。
「私たちはアフターフォローまでしっかり対応しています!」
「私たちは責任を持ってリフォーム工事をしています!」
消費者に向かって、自社をアピールすることができます。
つまりリフォーム瑕疵保険の加入状況は、リフォーム会社を選ぶ1つの指標になるのですね。
もしも突然リフォームの訪問販売が現れたら、一言聞いてあげましょう。
「リフォーム瑕疵保険に加入していますか?」
悪徳業者であれば、加入しておりません。
まとめ:リフォームの保証内容は、新築とは違う。
中古マンションをリフォームした場合、新築マンションのような手厚い保証はありません。
リフォーム工事の保証は、3種類あります。
・法定保証 1年(民法)
・設備(メーカー)保証 1~2年
・リフォーム会社独自の保証 1~10年
最近ではリフォーム会社独自の保証が増えましたが、それでも新築のような手厚い保証ではありません。
そこで活用したいのが、リフォーム瑕疵保険です。リフォーム瑕疵保険を活用することで、
・第三者の検査員(建築士)による、現場検査が受けられる。
・リフォーム会社が倒産しても、保険金が受け取れる。
・リフォーム会社を選ぶ指標になる。
3つのメリットが受けられます。
大がかりなリフォームをしても、業者が何も言わなければ1年しか保証されません。
リフォームこそ、しっかり保証してくれる会社に依頼したいものです。
素敵な住宅購入を。それでは、また!
・・・え?ダメ?保証切れだから保証できませんですと・・・?