意味ないのない予算を、劇的に効果を高める予算に変える作成方法を営業マンが直伝する。

「あーあ・・・予算作るの、めんどくさいなぁ~・・・・」

「こんな形だけの予算、作っても意味がないのになぁ~・・・」

 

こんにちは。

冒頭からいきなり嘆いてしまいましたが、これは日本全国の営業マンを代表して、嘆かせて頂きました。

年度末になると、来年度の売上予算を作成しますが、これが実に形式ばかりで意味がないのですよね。

 

数字を積み上げて、会社(本社・上層部)からの指示が達成された予算を作ったら、それで満足なのですか?と。

形式ばかりの予算なんて、作らない方がマシでございますよ。

なぜならそんな予算を作ったところで、売上はその通りにはならないからです。

上司
・・・生意気な・・・。

ならば、どうしたら売上が増える予算が作れるか、教えろよ?ああん?

イエス、分かりました。

この記事では、形式だけでなく、本当に売上を上げることのできる予算の作り方についてお伝えさせて頂きましょう。

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年度予算を作る必要性・意味とは?

「予算は意味がない。」

 

冒頭より過激な言葉が飛び交いましたが、私は何も「すべての予算に対して意味がない」、と申し上げている訳ではありません。意味がないのは、形式ばかりの数字を積み上げただけの予算でございます。

ですので、予算は重要な意味があります。本当は大切なのです。

では、予算にはどんな意味があるのでしょうか?

 

予算は、ゴールを定めること。

予算にはどんな意味があるのか?それはですね、ずばり、ゴールを定めること、であります。

来年度の初日がスタート地点ならば、ゴール地点は「1年間の売上」という指標で示されてます。

ですので、予算が「年間売上1億円」であれば、1年間で1億円売ることでゴールすることができるのです。

 

ではなぜ、営業マンにとってゴールが必要なのか?・・・それは考えるまでもありませんよね。

ゴールがなければ、どこに向かって、どのくらいのスピードで走ればいいのか分かりませんし、今現在の自分の置かれている状況を正確に知ることもできないからです。

新年度だーー、営業しますぞーーー!!

・・・はて・・・営業するといっても、どれくらい営業したらいいのでしょうか。昼寝しながら考えましょうかね・・・すや・・・

少々厳しく言いますが、ゴールがない状態で走ろうと思っても、走り切れる人なんていませんから。ゴールがなければ、それだけ怠けてしまうのが、人間なのであります。

ですので、予算というゴールを定め、そこに向かって営業マンを猛ダッシュさせるために、売上予算は必要なのであります。

 

ゴールまでの道のりを作り始めると、ドツボにハマる。

ですが、いざ予算を作り始めてみると、目標売上(ゴール)の他にも、そこに至るまでの道のり(顧客別売上、商品別売上など)を作成しなくてはならず、これが大変苦痛な作業なのですよね。

えっと・・・目標売上が1憶ですから・・・それを12月で分割して・・・さらに顧客ごとに振り分けて・・・足りない分は新規案件で・・・。

・・・できました。完璧な右肩上がりの予算の完成でございます。

目標売上(ゴール)を決めるのは、すぐに終わりますが、そこに至るまでの道のりを作るのがとても大変です。

夜な夜な残業して消耗しながら作成した予算は、決まって右肩上がりの予算になりますが、はっきり申し上げて、こんな予算に意味などありません。

なぜなら120%、そのシミュレーション通りにはならないからです。

営業の現場では予期せぬトラブルで、売上は大きく変動します。ですから、そのシミュレーション通りにはなりませんし、右肩上がりにもなりません。

 

ですが本当は、この予算を作ったあなたも、シミュレーション通りにならないことは分かっていましたよね?

上司
・・・ああん?なんでお前の売上予算は、売上が減る月があるの?おかしいでしょ?営業しているのに?

・・・作り直せ。

心中、お察しいたします。

 

予算を作ることには意味がありますが、右肩上がりの予算を作ることには意味はありません。現実に起きえないことをシミュレーションしても、時間の無駄でございます。

では一体全体、売上予算を作るときはどうしたらいいのでしょうか。

以下、じっくりと解説させて頂きましょう。

 

営業マンが売上予算を作るときのポイント!

ただでさえ忙しい営業マンでございます。貴重な時間は、出来る限り売上に直結する仕事に集中したいものです。

そこで営業マンが売上予算を作るときは、次のポイントを抑えることが重要になります。

 

最終的な数字を明確にする。

まず売上予算を作る上で最も大切なのが、最終的な数字を明確にすることでございます。

来年度が始まって終わるまでの1年間で、「いったいいくら売るのか?」それを数字で明確に示しましょう。

今年は1億円売りました!だから来年は、1億5,000万円、売ります!私は海賊王になるッ!!

最終的な数字は、シンプルで結構でございます。いいえ、むしろシンプルの方がいいでしょう。

なぜなら売上予算の目標は、ゴールなのでありますから。ゴールはシンプルな方が、分かりやすいですし、道に迷うこともありません。

・去年の10%アップ

・去年よりも、1000万円多く売る

・ライバルのあいつよりも、1000万円多く売る。

目標とする金額は、ちょっと手が伸ばせれば届く現実的な金額がいいでしょう。

上層部から求められるまま、起こりえない金額を記入して、その場でやる気を失うより健全でございます。

 

詳細はあえて書かない。

営業マンが売上予算を作るときのコツが、もう1つあります。

それは、あえて詳細を書かないことです。

どの顧客にどの商品をPRすれば、どれくらい売上が見込まれて・・・と、計算することは、正直言って、あまり意味がありません。

私が徹夜して作成した予算によりますと、こちらのお客様にこの商品をPRすれば、10万円の売上アップが見込まれます。

・・・お客様、この商品いかがでしょうか?

お客さん
・・・いらないわ。

まあ現場を知っている営業マンならば、この展開は予想できたことでしょう。

大切なのは売上予測の精度を高めることではなく、実際に行動(営業)してみて、仮説(予算)を検証することなのですから。

ですから、売上予算を作るときは予算に柔軟性を持たせるために、あえて詳細は書かないことがお勧めです。

 

またゴールまでの道のりを事細かに決めてしまうと、ゴールするための方法をそれだけ限定してしまいます

上司
・・・生意気な。

ゴールまでの道のりが分からないのに、どうやってゴールするんだ?ああん?

明日の売上すら分からないのが営業の世界ですから、そう不安に思うのも仕方ありません。

ですが、逆にスタートするときにゴールまでの道のりが決まっているならば、ものすごく楽だと思いませんか?

だってその通りに営業すれば、必ずゴール(目標達成)できるのですから。これほど楽なものはないですよ。

 

しかし現実にはその通りに営業しても、ゴールすることは難しいでしょう。

それもそのはず、現実には予測できないアクシデントばかり起きるからですよ。

・予期せぬ他の業者からの売り込み。

・予期せぬお客さんの倒産、撤退、吸収合併。

・予期せぬ仕入先の値上げ、在庫不足。

もうホントですね、これら全部予測できたら、どれほど心安らかに営業できることでしょうか。

全てが計画通りなるのであれば、むしろ営業マンなんていらないですよ。

 

軌道修正する余白を作る。

営業の現場では、予測できないアクシデントだらけでございます。3歩あるけば地雷を踏んでしまう世界でございます。

そこで重要になるのが、予算に軌道修正する余白を作っておくことです。

アクシデントは予測することこそできないものの、営業マンの第六感でビビビと危険を察知することはできます

はて、さっきの営業車は見覚えが・・・何やら同業他社の売り込みが来ていませぬか・・・?

確信はもてなくとも、なにやら怪しい雰囲気を察したのであれば、次の一手を考えることができます。

 

次の一手を考えることはすなわち、作成した予算に変更を加えることであります。

予期せぬ同業他社の売込により、顧客Aは壊滅しました。

それでは、プランBに変更して、新規営業を頑張るであります!!

売上予算は、必ず軌道修正が必要になります

軌道修正できない予算は、それこそ絵に描いた餅となり、どこにしまったのか、目標売上はいくらだったのか、思い出せない存在になってしまいます。

ですので、売上予算を作るときは、必ず軌道修正できる余白を残しておきましょう。

 

表だけでなく、図、地図を活用すると分かりやすい。

また売上予算の作成は数字の大行進になりがちですが、そこに図やグラフ、地図などを活用すると、視覚的に見やすくなりお勧めでございます。

先ほどからご説明している通り、売上予算で大切なのは、ゴール地点であり、そこに至るまでの道のりではありません。

つまり、目標売上こそはっきり書き示す必要はありますが、月割りの顧客別の商品別の細かい数字は控えめで十分なのです。

ざっくり、このエリアで5000万、こっちのエリアで3000万、そしてこちらのエリアで2000万、売ります!(どどん)

私は予算を作るときに、白地図をよく使います。

白地図をプリントアウトして、そこに目標売上を記していくのです。そうすることで、視覚的に「どこに」「どのくらい」売らなくてはいけないのか、すぐに分かるようになります。

 

売上予算を提出する前に・・・。

さて、さくっと作り上げた売上予算ですが、提出する前に今一度確認して頂きたいことがありますので、こちらにまとめさせて頂きましょう。

 

現実的な予算と、希望的な予算、2つ準備する。

もしも本当に「売上を上げたい!そのために予算を活用したい!」と思うのであれば、「現実的な予算」と「希望的な(会社に指示された)予算」の2つを準備しましょう

売上予算を作成するとき、上司から売上ノルマとして目標売上を勝手に設定されますよね。

上司から割り振られる目標売上は、ほぼほぼ無理難題です。数字を見るや否や「おいおい、寝言は寝ていってくれよ」と、やる気が削がれてしまいます。

 

しかし会社員である以上、指定された目標売上を勝手に減らす訳にもいきません。

上司
おい、なんで予算を達成できないの?ちゃんと営業してるの?ああん?
毎日真面目に営業しているのに、予算が高すぎて達成できません・・・。やってられません。

言われた通りの予算を提出しても、あなたにとってメリットはありません。

実現不可能な予算(ノルマ)を押し付けられ、責められ、精神的に追い詰められるだけでございます。

 

そんな営業をする会社には、即刻滅んで頂きたいのですが、どうやらそんな会社でも滅ぶまでにはもう少し時間がかかるようです。

そこでお勧めなのが、先ほどの2つの予算を準備することですね。

1つは会社の指示通りに作りますが、もう1つは実現可能な売上目標を設定しましょう。

実現可能な予算は常に手元に置き、自分自身で進捗を確認します。そして1つ目標をクリアするごとに、小さくガッツポーズをするのです。

・・・目標、達成でございます・・・ごにょごにょ・・・

自分自身に設定したセルフノルマを達成することで、自信をつけることができますし、結果として売上を増やすことができますよ。

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提出はなるべく早く。

そして最後に、予算はなるべく早く提出致しましょう

それは予算を最終的に決定するのは、あなたではなく上司、もしくは本社のお偉いさんだからです。

あなたが夜遅くまで一生懸命シミュレーションをしたところで、

上司
・・・足りない。目標売上、あと3000万追加な。

ツルの一声ですべてがひっくり返るものですから。

何事にも一生懸命取り組むあなたの姿勢は実に素晴らしいのですが、こと売上予算の作成ほど報われないものはありませんよ。

ざっくりとパパッと作成し、上司に提出してしまうことがお勧めでございます。

 

まとめ:売上予算はゴールを定め、余白を残しておく。

それでは、まとめましょう。

営業マンが来年度の売上予算を作るときは、次のポイントを抑えるようにしましょう。

1・最終的な数字(ゴール)を明確にする。

2・予算の精度よりも、柔軟性を持たせる。

3・図、グラフ、地図など視覚的に分かりやすく作る。

4・現実的な数字で作った予算を手元に置いておくと、モチベーションを保てる。

予算を作ることは、とても大切です。ゴールをしっかり定め、そこに向かって走ることができます。

しかし予算を作る過程での、ありもしないシミュレーションをすることは無意味極まりないことでございます。

作った予算のシミュレーション通りになればいいですが、現実には予測できないアクシデントばかりです。

ですので、売上予算の作成に時間を割いてはいけませんよ。

机上の空論を繰り返すよりも、現場へ多く足を運んだ方が売上も上がりますよ。それでは、また!

 

▽予算必達には、新規営業は欠かせません。新規営業の手順は、こちらの記事へ!

 

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